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機関紙「福祉タイムズ」


更新日:平成29315

福祉タイムズ 2017年3月号

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テキストデータ作成に当たって
 このデータは、『福祉タイムズ』 vol.784 2017年3月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
 二重山カッコは作成者注記です。

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福祉タイムズ ふくしTIMES
2017年3月 vol.784
編集・発行 社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

特集(2〜4面)
子どもたちが希望する教育への支援
生活福祉資金を通じた取り組み

→今月の表紙
理想のケアを目指して
 中川紗季さん(右)は管理栄養士の資格を生かした仕事がしたいと他業種から転職して、もうすぐ1年になる。波多野涼泉さんは、現在、介護福祉士の資格取得を目指し、業務と学びに邁進している。
 より良い介護を探求する彼女たちの実践の積み重ねが、二人と話す利用者の和やかで柔らかい笑顔から伝わってきた。〈撮影・菊地信夫〉≪写真:利用者の方と笑顔で会話をする中川さんと波多野さん≫【詳しくは12面へ】

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特集
子どもたちが希望する教育への支援
生活福祉資金(教育支援資金)を通じた取り組み
 「子どもの貧困対策推進に関する法律」がその目的に示すように、世帯の所得状況に関わらず、教育の機会均等を図ることは極めて重要です。借受世帯にとって利用しやすい制度とはどんな制度なのか、低所得世帯を中心とした子どもの教育支援と必要な資金に焦点をあて、世帯への支援について考えます。

子どもの就学を支援する貸付
 ここ最近「子どもの貧困」に関する話題はメディアでも頻繁に取り上げられています。平成25年6月に成立した「子どもの貧困対策推進に関する法律」は、記憶に新しく、多様な関係者が様々な取り組みをはじめています。
 また、同年12月に成立した生活困窮者自立支援法に基づく新たな支援制度においても、低所得世帯の子どもたちへの学習支援が盛り込まれました。
 本会では、生活福祉資金貸付事業を市区町村社協や民生委員等の協力を得ながら実施しています。
 その一種である「教育支援資金」は、各種就学支援制度を利用できない場合や、他制度の補完が必要な場合の貸付制度として、長年に渡り子どもたちの教育に関する経済的な支援として、重要な役割を果たしてきました。特に平成21年度頃から教育支援資金の貸付決定件数は、生活福祉資金の他の費目とは異なり、増加傾向が続いています。
 平成27年度実績では合わせて1千件(公立高校への進学決定などによる借入れ辞退を含む)を超える貸付を決定しており、そのうちの6割が生活保護を受給している世帯となっています。
 また、生活保護受給世帯のうち、ひとり親(母子、父子)世帯の割合は8割を超える状況にあります。

≪表≫
教育支援資金の貸付対象費目
 教育支援資金 
資金種類 就学支度費 教育支援費
資金使途 新入学時のみに支払いが必要な経費 就学するために毎月、毎年の支払いが必要な経費
貸付対象経費 入学金、制服代など 授業料、通学交通費など
限度額 500,000円まで 〈月額〉高等学校35,000円まで短大・専門学校60,000円まで大学65,000円まで
※特に必要と認める場合は、上記各上限額の1.5倍まで貸付可能
≪表終わり≫

ひとり親世帯の現状
 神奈川県では、昨年度に引き続き、子どもの貧困対策の推進にあたり、特に生活困窮の割合が高い「ひとり親家庭」の現状やニーズを把握するために、主にひとり親家庭に支給されている「児童扶養手当」の受給者を対象としたアンケート調査を実施しています。
 アンケートの質問項目は多肢に渡りますが、拡充すべき必要があると思う制度として「奨学金制度や学校教育にかかる費用の助成・免除の充実」は、高い割合を示す結果となっています。
 自由意見の中には、進学資金や通学費用、部活動費への支援を望む声や家庭の経済状況を察知している子どもが進学に消極的になっている様子、習い事や通塾に関する費用への経済的支援などの訴えも見られています。

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他の支援制度の動向と連携
 生活福祉資金(教育支援資金)には、他制度優先の原則があり、ひとり親世帯は母子父子寡婦福祉資金の申請を行うことを必要としています。両制度の目的や役割、対象者の違いが必ずしも関係者間で十分に理解されていない実態もあります。申請から貸付決定、資金交付に至るまでの受験スケジュールや入学金の納入期日などが指定されているがゆえ、世帯に負担をかけているケースも存在しています。
 事業実施主体の違いから、母子父子寡婦福祉資金は、運用上の詳細な貸付要件が委託先である市町村行政の窓口によって異なることも一部あり、改善が求められるところでもあります。
 このほかにも、就学を支援する仕組みとして、大学や専門学校の就学を経済的に支援している日本学生支援機構の奨学金は、無利子の第一種奨学金の貸与を受けるための成績要件を実質的に撤廃するなどの制度改正が進められています。
 また、新たな制度として、昨年より児童養護施設退所者等を対象として、大学等に進学してからの生活費や家賃など貸付金の一部を返済免除の仕組みを持った「児童養護施設退所者等に対する自立支援資金」も創設されています。
 教育支援資金においては、昨年2月に延滞利子率の引き下げ(年10・75%から年5・0%)や、進学への熱意や将来に向けた計画性などにおいて特に必要と認められる場合において、貸付上限月額を1・5倍まで引き上げる改正が行われました。
 本会では、これまでの運用を一部見直し、条件緩和を行い、利用者にとって利用しやすい制度を考え貸付を行っています。

≪グラフ≫
平成27年度 教育支援資金貸付実績から見る生活保護受給世帯、母子父子世帯の割合
≪グラフ終わり≫

 一方で昨今、日本学生支援機構奨学金の返還に関し、様々な報道があります。教育支援資金においても償還に関する課題は現実問題となっています。
 例えば、第二子、第三子といった兄弟姉妹が引き続き借入れを行うことや、高校から大学等への進学でひとりの子どもが複数の借入れを行うこと、さらに貸付け上限月額の引き上げもあり、その世帯の借入総額は高額となる傾向にあります。このような状況から、卒業後の償還は本人もとより、世帯にとっての生活に大きな負担となることも危惧されるところです。
 その負担をできる限り増やさない支援を行う必要もありますが、市区町村社協からは、その難しさも聞かれています。様々な事情から学校になじめなかったり、通塾が困難であったり、生活の一部を支えるために子ども自身がアルバイトせざるを得ず、学習に十分な時間がとれないとの理由から生じている学力の課題から、高額な学費のかかる進学先を選ばねばならないケースもあります。
 国が掲げる『ニッポン一億総活躍プラン』のなかでも、すべての子どもが希望する教育を受けられる環境の整備などが掲げられています。経済面以外の支援の動きに期待するとともに、本会としては、教育機関関係者との情報交換等の必要性を感じ、取り組みを検討したいと考えています。

償還を通した借受世帯との関わり
 生活福祉資金貸付制度は、相談・支援を通して借受世帯の自立促進を図ることがひとつの特徴です。
 教育支援資金の償還の多くは、卒業後6月の据置期間後に始まります。高校入学時に借入れ、償還が開始するまで、長い場合は7年間が空き、償還期間も最長で20年となる場合もあります。学生生活を送る一方、成長とともに、子どもを取りまく生活環境は大きく変化することもあります。
 本会では、償還開始に合わせて借受世帯の状況として、卒業後の進路や償還方法などを確認することとしています。また、市区町村社協の中には、借受世帯に「いつから」「いくらで」償還が始まるのかを伝え、償還に対する理解や意識づけを行う取り組みも始まっています。
 貸付から償還完了までの間、市区町村社協は借受世帯と関わっていきますが、償還完了後までは長期に渡るため、借受世帯へ連絡しても反応がなかったり、所在不明になったりと、継続的な支援が困難になることも少なくありません。

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≪表≫
他の支援制度
日本学生支援機構奨学金 経済的理由により修学に困難がある優れた学生等に対し、学資として奨学金を貸与する制度。無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金、入学時特別増額貸与奨学金がある。
神奈川県高等学校奨学金 県内に在住し、県内の高等学校等に在学する者又は保護者が県内に在住し高等学校等に在学する者で、学資の援助を必要とする生徒に対し、奨学金の貸付けを行う制度。
高等学校等就学支援金(国) 国公私立問わず、高等学校等に通う一定の収入額未満の世帯の生徒に対して、授業料に充てるため、国において、高等学校等就学支援金を支給する制度。
私立高等学校等生徒学費補助金(県) 神奈川県内に設置されている高等学校、中等教育学校(後期課程)及び専修学校高等課程に在学する生徒の入学金及び授業料を学校が軽減した場合に、入学金及び授業料を軽減した学校に対して神奈川県が補助する制度。
母子父子寡婦福祉資金 母子(父子)家庭や寡婦の方に、経済的自立や子どもの福祉向上を図るため、「修学資金」「就学支度資金」をはじめ各種資金の貸付けを行う制度。
≪表終わり≫

償還困難となってしまうことも
 償還が開始された1回目の償還が計画通りに確認できなかった場合には、市区町村社協から借受世帯へ連絡を入れ、状況把握を行います。
 平成28年10月に償還開始となった教育支援資金の借受世帯379世帯のうち、1回目の償還を滞納した世帯は128世帯、滞納率は約30%でした。償還率は約70%と本貸付制度における他の資金と比べて低いわけではありません。
 しかし、教育支援資金は1回あたりの償還が高額であったり、償還期間の長さから、滞納が長期化すると、生活への負担がさらに大きくなるおそれがあります。
 滞納に至る理由として、借受者自身は卒業したものの安定した収入が得られないといったことも要因となっています。また、本貸付の対象世帯を低所得世帯としていることからも、月々の償還を継続するのは容易なことではありません。
 滞納を未然に、また最小限にするためには、滞納が償還意思の問題なのか、生活上の課題からなのかを見極め、初期段階で適切に対応していくことが重要となります。その支援の結果として自己破産に陥るケースもあります。貸付時に償還の目途や自立までの道筋を描いておくことの難しさも支援の経過から感じられています。
 しかし、教育支援資金においては、民生委員による継続的な見守りも効果を発揮しています。世帯によっては、親権者が療養中であったり、祖父母と生活していたりすることもあり、年1回、民生委員が借受世帯の状況を確認することは良い機会となっています。
 様々な理由から学業が継続出来ずに、新たな道を目指すに至った世帯の把握など、困りごとを相談できる身近な相手として、借受世帯の支援を行っています。
 一方で、償還が困難な場合には、借受世帯の状況により、支払猶予などの借受世帯の負担軽減につなげる支援も行われています。

借受世帯に寄り添った支援を
 教育支援資金をはじめとするいくつかの貸付制度は、子どもたちへの貧困の連鎖を断ち切るための重要な社会資源です。しかし、あくまでも貸付であり返済を伴うがゆえに、子どもたちにとっての負担が大きくなっていることも否めません。
 貸付金だけでは不足する学費や生活費を稼がなければならず、その結果として、アルバイトと学業の両立が難しくなり、休学・退学してしまう子どももいます。経済的な事由で修学を断念することのないよう、現状に即した制度となることが望まれています。
 「子ども食堂」や子どもへの学習支援の取り組みも様々な形態で行われていますが、特に中学校を卒業し、高校へ進学した子どもたちが、悩みを話すことができるような居場所として機能していくことも期待されています。
 教育支援資金の利用を希望する世帯は今後も増えることが予測される中、本制度の目的を踏まえ、今後も市区町村社協と民生委員と協力し、借受世帯に寄り添って支援をしていきたいと考えています。
 「子どもの貧困」という言葉に違和感を覚えるといった発言も聞かれています。子どもが貧困なのではなく、様々な事情による世帯の経済的困窮が子どもの生活に影響を及ぼしていることもあります。
 教育支援資金の申請世帯の中にも、複合した生活課題を抱える状況があり、「現場」が連携し子どもたちを支えるだけでは足りず、世帯が抱え様々な困りごとに対し、総合的に受け止める体制づくりや支援を今後も考えていきたいと思います。
(生活支援担当)

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こんにちは!民生委員児童委員です
みんなでめざそう「ふれあい ささえあいのまち」
五十嵐 輝子(民生委員児童委員)
横浜市港南区日野第一地区民生委員児童委員協議会
 横浜市港南区のほぼ中央に位置する日野第一地区は、昔から住んでいる方や宅地造成での戸建て住宅、その後の開発によるマンション群に転入してきた方など、様々な人たちが暮らしています。年少人口割合が14.3%と、区内15地区で最も高い、比較的若い地区です。地区内の吉原小学校は地域防災拠点でもあるので、「ふれあいフェスタ」など地域の行事は主に小学校で行われています。
 地区民生委員児童委員協議会(現在委員14名)では、以前より未来を担う子どもたちの健やかな成長を願って、吉原小学校及びPTAと連携を深めています。3年生の学習の一環として行う地域の高齢者とのふれあい給食会やふれあい遊びでのつなぎ役を担い、PTA校外指導委員とは相互理解と顔が見える関係づくりを目的に懇談会を行っています。民生委員児童委員、主任児童委員の活動紹介、地区ごとに分かれての自己紹介や話し合いなどの中で、民生委員は児童委員を兼ねていること、子どものことを専門に担当する主任児童委員がいること、民生委員には守秘義務があることなどを説明し、身近に相談相手がいることをPRしています。若い保護者からは「地域にそんな人がいることを初めて知りました」などの声もあり、これからも児童委員の活動を地域の中で広めていく必要性を感じ、進めていきたいと考えています。
 また地域防災拠点訓練では、援護班として疑似体験や当事者のお話を聴く場をつくるなど、支援を必要とする方々への理解が深まるよう努めています。
 活動は高齢者への支援、社会福祉協議会への協力などを含め多岐にわたりますが、当地区民生委員児童委員協議会では、委員を長く続けられるよう、話しやすい、相談しやすい環境をつくり、大変でも仲間がいるから続けられると思えるような活動を心掛けています。
 地域における若い世代と高齢の世代とのつなぎ役として地域の輪をさらに広げていきたいと願っています。

 民生委員制度創設100周年にあたる平成29年、児童委員制度は創設70周年を迎えます。民生委員は児童委員を兼ねており、地域の子どもたちの見守り活動を進めています。子どもたちの健やかな育ちのため、日頃から顔見知りになり、子どもたちにとって「身近なおとな」となれるよう、学校や子ども会等の関係機関・団体と協力しながら取り組んでいます。
(横浜市民生委員児童委員協議会)

≪写真≫
地域の交流の輪を広げる「ふれあいフェスタ」

子どもの安全をテーマにPTAの皆さんと意見交換
≪写真終わり≫

民生委員制度は、平成29年で100周年を迎えます。左上のマークは、100周年シンボルマークです。

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NEWS & TOPICS
妊娠・出産期から支える―「外国人住民のための子育てチャート」
(公財)かながわ国際交流財団
 本県では160を超える国・地域出身の外国人住民が生活しています。日本で出産・子育てをする住民も増えており、平成27年に県内で生まれた子どもの22人に1人は「外国につながる子ども」です。
 日本で出産・子育てをする外国人住民の支援に向け、(公財)かながわ国際交流財団(以下、財団)では、「外国人住民のための子育てチャート〜妊娠・出産から小学校入学まで〜」を作成しました。

孤立の中での子育て
 財団が平成27年度に実施した「外国人住民への子育て支援に関わる調査」(以下、調査)では、市町村による母子訪問は比較的高い実施率であるものの、母親学級や子育て支援センター等の利用など、母親本人が参加するサービスの利用率が大変低いことが分かりました。
 また、子育て中の母親へのヒアリングからは、社会とのつながりを求めていながらも「孤立」している現実が明らかになりました。結婚を機に来日し、すぐに妊娠・出産となるなど、日本語を学ぶ機会もなかなか取れず、日本での生活経験も少ない中で「保育園のお便りが読めずに行事に参加できなかった」「乳幼児が集まる場に行きたいが、どこにどういう場があるのか分からない」といった声が聞かれました。さらには、親自身が外国につながる子どもとして日本で生まれ、書類上は日本国籍、日本名であっても、外国で育ち、医療用語の理解、自分の気持ちや考えを日本語で十分に表現することが難しいなど、周囲から見えづらい課題を抱えている方もいます。

妊娠・出産期からの支援を
 財団の多文化共生・協働推進グループリーダーの山内涼子さんは「財団では以前から学齢期にある外国につながる子どもの支援に取り組んできましたが、就学時からの情報提供では遅い。親が子育ての見通しを持つことができたり、支援を要する家庭を見守る仕組みづくりなど、より早い段階からの情報提供や支援の充実が必要」だと話します。「公的なサービスにつながっていない方も多い。支援者や周囲の人が、確認のひと声を掛けるなど、今より一歩踏み込んで関わってくれるだけでも状況はだいぶ変わってくる」と山内さん。
 財団では、調査から見えた課題への対応の一つとして、妊娠から小学校入学時までの流れを支援者と当事者が一緒に確認できる「子育てチャート」を作成しました。

≪写真≫
◆子育てチャートは6言語(中国語、タガログ語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、英語)で作成
≪写真終わり≫

「つながる」をサポート
 「子育てチャート」は、市町村等の窓口で配布しているほか、財団のホームページから入手できます。「小学校で楽しく、安全に学ぶための10のポイント」「中学校生活を充実させる10のポイント」などの各種資料と合わせると妊娠期から中学生までのライフステージに沿った情報ツールになります。
 財団では、平成29年度から各種資料をパッケージ化した「子育て応援キット」も作成。一人ひとりに届くよう母子手帳と一緒に配付する等の計画をしています。
 調査では、こうした課題の一方で、保健師、保育士、子育て支援センター職員等が外国人住民の子育て支援にあたって、もっと理解を深めたいと考えていることも明らかになりました。
 財団では、情報支援、通訳サービス、支援者向け研修を3本柱に妊娠期からの子育て支援の取り組みを展開する計画です。

≪写真≫
◆財団では、保健医療や子育てについて、多言語で問い合わせできる「多言語ナビかながわ」も運営している(英語、中国語、タガログ語、ベトナム語、やさしい日本語、平成29年度からスペイン語を追加)
≪写真終わり≫

(公財)かながわ国際交流財団
TEL045-620-4466 URL:http://www.kifjp.org
(企画調整・情報提供担当)

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介護の資格を有する人たちの力を生かすために離職した介護人材の届出制度が始まります
 介護人材の確保に向けた施策の一つとして、社会福祉法の改正により、介護福祉士等有資格者が介護の仕事から離職する際の福祉人材センターへの届出が努力義務として位置づけられました。これに伴い、今年4月から全国的に「福祉のお仕事」のサイトより届出ができるようになります。
 この制度のねらいは、介護に関する有資格者が潜在化することを防ぎ、もう一度介護の職場で活躍してもらえるよう促すことにあります。
 また、「離職した介護人材の再就職準備金」は、介護保険施設・事業所で介護職として2年間働くと返還が免除となる制度で、これを利用する際は離職届出が済んでいることが条件となっています。
 個人によって離職の理由はさまざまですが、家庭の事情等でやむなく離職した人も多くいます。かながわ福祉人材センターでは、今後、届出をいただいた方々に、再就職に向けてのセミナーの情報や就職相談会、その他各種情報を発信して、再就職に向けた後押しをしてまいります。
 介護に関する各施設・事業所におかれましても、介護職の方々が退職する際には、ぜひ届出をお勧めくださいますよう、よろしくお願いいたします。
(かながわ福祉人材センター)

福祉のうごき Movement of welfare 2017年1月26日〜2017年2月25日
●厚労省「共生社会」に向けた制度改革
2月7日、厚生労働省は「地域共生社会」の実現に向けた5年間の工程表を発表した。小さな圏域ごとに生活課題を発見し、解決する体制づくりに向け、各法を順次改正する。2020年代初頭には公的な福祉サービスだけに依存しない社会を実現したい考え。

●介護福祉士養成施設約46%に定員割れ
(公社)日本介護福祉士養成施設協会の調査により、2016年度の介護福祉士養成校である全国の大学や専門学校などの入学者の割合が定員に対して約46%だったことが分かった。

●平塚市 保育士への貸付制度新設
2月15日、平塚市は他都市から市内に移住し民間保育園等に勤務する保育士に対し、一人当たり一律100万円を貸与する制度を4月から開始する。5年間勤務・在住すると返済義務を免除する。県内自治体では初の試みとなる。

●神奈川県 県立高校で通級指導を導入
県教育委員会は、高校に進学する生徒の多様な教育的ニーズに対応するため、複数の県立高校に通級指導を導入する考えを発表した。文科省の調査によると、全国の小中学校で学習障害などの児童・生徒は9万270人(2015年度)いることが分かっている。

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私のおすすめ
◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。

がんばってはいけないお笑い介護のすすめ
 「49歳の時に若年性アルツハイマー認知症と診断された妻は現在64歳。終末期を迎え、ほぼ寝たきりとなった今でも“介護している”という感覚が薄いのはなぜでしょう。それは何につけても、笑って行動するからだと気づきました。笑いは妙薬。自分にもそばにいる人にもすぐ効いちゃいます」と話す会員の、妻との15年間の暮らしから得た「お笑い介護のすすめ」を実体験をもとに紹介します。

今月は→認知症の人と家族の会神奈川県支部がお伝えします!
 認知症の人と家族の会は1980年に、神奈川県支部は1981年に発足。以来今日まで、介護家族の集い、電話相談、会報の発行、啓発活動、調査研究、行政への要望などを行ってきました。
〈連絡先〉川崎市幸区南幸町1ー31グレース川崎203号
TEL  &FAX 044-522-6801 毎週(月曜日、水曜日、金曜日)10時から16時

◆とにかく笑おう まず笑おう
 「面白くもないのに笑うなんて無理!」って、のっけから言われそうですが、面白いとどうして笑うのでしょうか。
 わが愛する認知症の妻は、話の内容はまったく分からなくても、笑顔で話しかけられるととっても楽しそうにしていました。反対にしかめっ面や怒った顔で話したりすると、どよーんとして、困ったことを起こすことがありました。
 昔から「笑いとばしてしまう」と言いますが、面白いから笑うのと同じように、笑うと面白くなるようです。病状がかなり進んだ認知症の人に、怒り顔・泣き顔・笑顔のそれぞれの写真を見せ、好きな写真を選択してもらうと、ほとんどは笑顔を選ぶとのこと。笑うことはとてつもなく大きな効果を生み出します。
 介護中、何があっても笑いましょう。辛いことがあって泣いてもいい、でも泣いた分以上に笑ってみましょう。脳ってだまされやすいもので、笑っているといつの間にか脳から愉快になってしまうのです。
1,トイレでは踊ろう
 座る前でも終わった後でも、緊急性がないなら、お尻を振ったり軽くステップを踏んだり。はやりの「ペンパイナポー……」なんかサイコーですね。介護人はトイレが終わるのを待つ間にも踊りましょう。
2,キッチンでは歌おう
 お料理の最中でもお皿洗いでも、鼻歌、童謡、民謡、カントリー…なんでもござれ。はっきりと大きな声で歌うことがポイントですが、苦情が来ない程度の声量で。なお意識は手先指先に集中してください。
♪おすすめお笑いソング♪
 食器洗いの最中にでも、まずは右手に汁椀を、左手にご飯茶碗を持ちます。メロディは「聖者が街にやってくる」で、リズムに合わせ、右手左手を交互に前後させながら歌いましょう。「オワンダセ チャワンダセ オワンダセ チャワンダセ……」の繰り返し、不思議に楽しくなりますよ。
3,ぼうっとしていたら語ろう
 何もせずにぼうっとすることも必要でしょう。でも「今、ぼうっとしていたわ」と気が付いたら、語りましょう。仲間と、知人と語り合うのが一番ですが、もちろん「一人語り」で充分。楽しそうに語るのがポイント。ストーリーがある方がいいのですが、まずは駄洒落でも。可能ならば落語にでも挑戦してみましょう。
4,レクリエーション・インストラクター資格への挑戦
 上記の「1,踊ること」「2,歌うこと」「3,語ること」は死を遠ざける「三枚のお札」。使ってもすぐ補充されるので、使うほど効果てきめんです。
 最後に「レクリエーション・インストラクター資格への挑戦」を紹介します。
 神奈川県レクリエーション協会では、心を元気にするレクリエーションの支援者を養成する講座などを積極的に開催しており、地域活動や福祉現場で活用できそうです。資格取得に挑戦してみるのもいいかもしれません。

インフォメーション
■(N)神奈川県レクリエーション協会
TEL045-320-2430 URL:http://kanagawa-rec.or.jp/

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福祉最前線 現場レポート
◎このコーナーでは県内各地の福祉関連の当事者・職能団体等の方々から日ごろの取り組みをご寄稿いただきます。

特定非営利活動法人よこはま・七つ星
代表 高松清美
 1999年8月に設立し、市民活動の発展を図るための基盤づくり、情報提供等に取り組んでおり、東日本大震災以降は避難者支援活動に力を入れています。
〈連絡先〉TEL090-5426-8012 高松

避難者は月日が経つほど悩みが出てきます
 早いもので東日本大震災から約6年、平成28年熊本地震から約1年になりますが、これらの災害により本県に避難されている方は平成29年2月15日現在で3,309名となっています(県災害対策課ホームページより)。
 よこはま・七つ星(以下、七つ星)では、避難者の悩みや戸惑いを少しでも和らげ、生活が楽しく、充実したものとなるよう支援活動に取り組んできました(表参照)。
 活動に参加した避難者からは「避難したばかりで右も左も分からず、毎日生きるのが精一杯」等の声も聞かれていましたが、日が経つに従い、少しずつ本県での生活にも慣れてきた様子が見られるようになりました。

≪写真≫
(鎌倉建長寺での1泊2日交流会)
≪写真終わり≫

 「多くの人と出会うことができ、ホッとしました」と安堵の表情が見える一方で、将来に対する不安等、個々の抱える悩みは深刻化する傾向が見られます。このため七つ星では、避難者が身近な地域で自立生活を送ることができるよう、地域との“つなぎ役”としての活動を重視し、今後は自治会長等、キーパーソンとなる方と接する機会を充実させながら、避難者への理解を求めていきたいと考えています。また、読者の皆様には支援活動へ参加し、避難者の現状を改めてご理解いただきたいと思います。

≪表≫
 よこはま・七つ星による避難者支援活動
交流サロン 日時:月2回程度水曜日(午前10時〜午後3時)会場:かながわ県民センター11階 「誰かと話がしたい」「同郷の人に会いたい」等の思いをお持ちの方なら、どなたでも自由にご参加いただけます。参加者同士でおしゃべりをしたり、スタッフのお手伝いをいただいたり…ここでは楽しく、また悩みを共有しながら、皆で貴重な時間を過ごしています。
地域交流会 各地の行政の協力により、年2〜3カ所で開催 
避難者宅への訪問 避難後に高齢者福祉施設へ入居された方や、電車での移動に慣れず自宅にこもりがちな方、その中には同じ境遇の方と話をしたいとは思いながらも、どうすることもできない方がいます。そのような方々を支えるため、七つ星のスタッフがご自宅等へ適宜訪問をしています。 
相談支援 困っているけれど、どこに相談をしたらよいか分からず、避難後から悩みを持ち続けている方は多く、電話や面談による相談支援に取り組んでいます。スタッフによる助言や、各支援団体へのつなぎ等により、困りごとの解決に向け努めています(随時)。 
≪表終わり≫

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県社協のひろば
「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指して
平成28年度 第2種・第3種正会員連絡会 公開研修会開催

第2種・第3種正会員連絡会公開研修会とは
 第2種・第3種正会員連絡会は、本会の会員組織の一つです。専門性を生かした医療職や福祉職の団体、当事者の生活向上を目指して地域で活動する親の会や疾病障害団体など、規模も目的も様々な62団体で構成しています。
 お互いの交流・学習を目的に、その時々の情勢に応じた研修会を年3回、合同で開催しています。このうち1回を社協・行政・各種福祉施設や県民に向けた「公開研修会」として開催し、他の会員組織を含め幅広い関係者との交流を図っています。
 今回のテーマは「『ともに生きる社会かながわ』の実現を目指して」としました。昨年7月に相模原市障害者支援施設で起きた大変痛ましい事件を機に県が制定した「ともに生きる社会かながわ憲章」を基に、その理念である「誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現」に向け、地域福祉に携わる関係機関・団体、県民一人ひとりにおいて何ができるかを考えることが主な目的です。

求められる発想の転換
 課題提起として東洋英和女学院大学教授の石渡和実さんが、今回の事件の背景にある「優生思想」の危うさを指摘し、介護保険と障害者施策の統合の動きも踏まえた上で、これまで議論されてきた地域生活支援や障害者観を解説しました。さらに、障害者の命の尊さを当事者とともに発信してきた本県の歴史にも触れ「地域でともに生きるためには、社会のいろいろな場面に障害者がいることを当然の前提とする社会を作る必要がある。障害のある人の居場所や、一人ひとりの役割を作り出していくことを進めていくこと。それには様々な人の支えが必要である」と話し、「ノーマライゼーション」(共に生きる)から、「インクルージョン」(共に生き、共に支え合う)という発想の転換が必要であることと強調しました。

≪写真≫
意見交換ではそれぞれの立場から積極的な発言が続いた
≪写真終わり≫

 次に県障害福祉課より、津久井やまゆり園事件の経緯と、「ともに生きる社会」実現に向けた県の施策の概要を、次年度の事業を中心に説明しました。
 (一社)インクルージョンネットかながわ代表の鈴木晶子さんからは、地域で起きている排除や孤立の実態と、その課題を地域の課題として捉え、解決する取り組みについて実践報告がありました。
 排除が起こりやすいパターンとしてゴミ屋敷、近隣トラブル、 モンスター○○(クレーマー、ペアレント)を挙げ、そうした状況になるのは、当事者が抱える問題を、長い間、社会で受け入れてこなかったことが背景にあると話しました。対応の際のポイントとして「新しい何かを作るより今ある資源を検討」「まずは対話のテーブルにつくこと」「断らない福祉」というキーワードが紹介されました。

「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指して
 その後、石渡さんと鈴木さんの対談で、1.対象者の困ったことにいかに寄り添えるか、2.支援者の力量と根気、3.それを支える事業所・組織の大切さ、4.声になりづらいSOSを捉え、つなげていく事の重要性が事例を基に語り合われ「ともに生きる社会」の実現のための要点を確認することができました。
 会場からの質疑と意見交換では、津久井やまゆり園の建替問題を含め、様々な意見が活発に出されました。
 本会では、今回示された様々な視点や要素を、分野や立場を越えて共有し、地域でともに生きる社会の実現に向け、会員や関係機関・団体とともに取り組みを進めてまいります。(地域福祉推進担当)

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information
役員会の動き
◇理事会=2月23日(木曜日)1.正会員の入会申込、2.理事候補者の推薦、3.監事候補者の推薦、4.評議員の選任、5.各種委員会委員の選任、6.苦情解決事業第三者委員の選任、7.評議員選任・解任委員会委員の選任、8.改正社会福祉法対応にかかる評議員候補者の推薦、9.会長の専決事項に関する定款施行細則の一部を改正する細則(案)、10.常勤役員の給与等に関する規程の一部を改正する規程(案)、11.各種委員会委員等の報酬等に関する規程の一部を改正する規程(案)、12.特定個人情報取扱規程の一部を改正する規程(案)

新会員紹介
【施設部会】特別養護老人ホームジョイヴィレッジ

会員・関係機関主催
音楽交流サロン奏(かなで)
 誰でも立ち寄れて、音楽に表現、出会いとふれあい、お茶とお菓子を楽しめるサロンです。
◇日時=4月27日(木曜日)、5月11日(木曜日)、25日(木曜日)午後1時45分〜3時(午後1時開場)
◇会場=川崎授産学園内(川崎市麻生区細山1209)
◇費用=無料(自家製お菓子と飲み物はそれぞれ100円)
◇申込=不要(団体の場合は要連絡)
◇問い合わせ先=川崎授産学園
 TEL044-954-5011 FAX044-954-6463

本会への応援に感謝いたします
【賛助会員】本会事業の趣旨に賛同し、ご入会いただきました企業・団体等
▽(株)アレーテー▽大栄電子(株)▽名鉄観光サービス(株)横浜支店▽(株)あんざい▽(有)横浜綜合印刷▽(株)八雲堂▽東宝防災(株)▽(株)神奈川機関紙印刷所▽(株)ホテル、ニューグランド▽(株)柏苑社▽(株)柴橋商会▽八木時雄税理士事務所▽(株)日本旅行横浜支店▽(株)安江設計研究所▽(株)ねずらむ▽(株)石井商事▽共和興業(株)▽東洋羽毛首都圏販売(株)横浜営業所▽(一社)生命保険協会神奈川県協会▽湘南信用金庫▽かながわ信用金庫▽富士産業(株)▽理想科学工業(株)▽(有)ナカマル商会▽(特非)ワーカーズ・コレクティブ想▽愛知工芸社▽銀行業務検定協会▽(株)Yuki Print▽(株)トシダ▽(株)トミヤ
【部会事業協力者】各種招待行事・寄附等、本会施設部会事業にご協力いただきました企業・団体等

≪写真≫
ゥ磯ヨットオーナーズクラブによる、児童福祉施設等入所児童を対象としたヨットセーリング招待の1コマ
≪写真終わり≫

▽諸磯ヨットオーナーズクラブ▽三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券(株)▽(公財)横浜市芸術文化振興財団横浜能楽堂▽KCJ GROUP(株)▽横濱フォーティーズ野球倶楽部▽全国共済神奈川県生活協同組合▽横浜市ソフトボール協会▽JAM神奈川▽横浜こども専門学校▽(公財)資生堂社会福祉事業財団▽(公財)ポーラ美術振興財団ポーラ美術館▽横浜西ロータリークラブ▽横浜戸塚西ロータリークラブ▽神奈川県民共済生活協同組合▽神奈川新聞厚生文化事業団▽テレビ朝日福祉文化事業団▽(株)横浜銀行▽MS&ADインシュアランスグループ▽(一社)日本プロサッカー選手会▽神奈川県養豚協会▽ギャップジャパン(株)▽(株)シュガーレディ―▽(株)カレンズ▽(公社)日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)▽国際フード製菓専門学校▽(有)トシ・シミズ▽ハートフル・ラブ・ライト内川清▽(株)日能研関東▽(株)京急油壺マリンパーク▽三菱商事(株)社会貢献チーム▽ジョンソン(株)▽(株)龍角散▽(株)ジャパンゲートウェイ▽(株)UYEKI▽(株)ファンケル

寄附金品ありがとうございました
【子ども福祉基金】山下みゆき、荒谷昭子、(一社)生命保険協会神奈川県協会
【ともしび基金】山下みゆき、神奈川県立藤沢養護学校長佐藤元治、神奈川県警幸警察署、神奈川県内社協職員有志一同、脇隆志
(合計403,319円)
【寄附物品】(株)三菱東京UFJ銀行、木下サーカス(株)、金子ゆう子、東亜建設工業(株)横浜支店、山下みゆき、神奈川県鎌倉警察署警務課住民相談係
【かながわライフサポート事業】
〈寄附金〉(一社)生命保険協会神奈川県協会
〈物品寄附〉カーブス相武台前店、カーブス横浜片倉店
(いずれも順不同、敬称略)

≪写真≫
(一社)生命保険協会神奈川県協会より、子ども福祉基金、かながわライフサポート事業にご寄附いただき、平木正一事務局長(左)へ感謝状を贈呈

山下みゆき様(右)より、子ども福祉基金、ともしび基金にご寄附いただき、感謝状を贈呈。
≪写真終わり≫

P12
かながわほっと情報
利用者の安心と職員のやりがいを学びの力でつくる
(福)神奈川県社会福祉事業団・横須賀老人ホーム(横須賀市)
 本会老人福祉施設協議会では、県内高齢者福祉施設職員の実践活動を発表し、学び合うことを目的に「かながわ高齢者福祉研究大会」(以下、大会)を開催しています。
 横須賀老人ホームでは大会での発表を法人の職員研修に位置付け、毎回エントリーしています。平成28年度の第15回大会では2つの演題で、それぞれ優秀賞を受賞しました。
 そのうちの「たかがトロミ?されどトロミなんです〜ホームの実態調査からみえたもの〜」の概要と、職場で職員の学びを支える取り組みを聞きました。

「水分をとってもらいたい」共通の課題で職員がつながる
 「高齢になると水分をとるのが難しくなり、慢性的な水分不足が心配です。水分補給は栄養士、介護職員の共通の課題ですが、下膳される器にトロミ剤の固まりが散見され、適度なトロミ付けがされていない様子がうかがえたため、前任の管理栄養士が、介護職員を対象にトロミ付けの実態調査を行いました」と、栄養士長の三浦えり子さんはそのきっかけを説明します。

≪写真≫
栄養士長の三浦さん
≪写真終わり≫

 調査では、基準より濃いトロミ付けがされていることを把握しました。同時に、トロミの濃さの基準があいまいであることを介護職員も気にしていることが分かり、要望を受けて研修を実施しました。
 現場で無理なく適切なトロミ付けを行う工夫を介護職員と栄養士で提案し合い、実践した結果、濃いトロミ付き水分を作る割合が、研修前の74%から48%に減少しました。「統一の計量スプーンを使用するなど、介護の現場でやりやすい方法を取り入れたことにより、無理のない実践ができています」と、副介護長の西原千佳さんは話します。

≪写真≫
計量スプーンは上から「薄い」「中間」「濃い」の濃度
トロミの基準は「嚥下リハビリテーション学会嚥下調整色分類2013」を使用。基準を基に、さらに利用者一人ひとりに合ったトロミをつけていく
≪写真終わり≫

 三浦さんは「介護職員と意見交換を重ねて、より良いケアにつなげていきたい」と続けました。

学びの先にあるもの
 横須賀老人ホームでは、大会での発表に向け、施設内でプレ発表を重ね、内容を高めていくそうです。

≪写真≫
施設長の山口さん
≪写真終わり≫

 「法人内研修部門の学びと併せ、現場では先輩・管理職が課題意識を持って業務に取り組むことを支えます。その関わりは人材の定着にもつながり、現在の離職率は5%以下です。介護職を養成する機関が減少する中、未経験者も活躍できるよう、職場で育てる体制が必要と考えています」と施設長の山口雅義さん。
 学びを通して培われる専門性と職員のつながりは、利用者の安心、職員のやりがい、ひいては施設の力となっていることが伝わりました。
(企画調整・情報提供担当)

≪広告≫
本紙の平成29年度掲載広告を募集しています!
 本県の福祉機関・団体等の活動や社会福祉の動向をタイムリーに発信し、幅広い福祉実践者を読者層とする「福祉タイムズ」を皆さまの広報活動にぜひお役立て下さい。
〈発行部数〉毎月21,500部(平成28年度実績)
〈配布先〉社会福祉法人・福祉施設、地域包括支援センター、相談支援事業者、民生委員児童委員、地区センター、行政福祉関係部署、福祉系学校等約4,400カ所
〈掲載価格(1回あたり、税込)〉
 カラー:32,400円、2色刷:8,640円〜20,520円
【問い合わせ先】企画調整・情報提供担当 TEL045ー311ー1423 FAX045ー312ー6302
≪広告終わり≫

「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
ご意見・ご感想をお待ちしています!
バックナンバーはHPから
【発行日】2017(平成29)年3月15日(毎月1回15日発行)
【編集発行人】新井隆
【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
〒221-0844 横浜市神奈川区沢渡4番地の2
TEL 045-311-1423
FAX 045-312-6302
Mail:kikaku@knsyk.jp
【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所

  • (機関紙福祉タイムズは共同募金の配分金により作成されています)

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