神奈川県社協について

事業計画・予算

更新日:令和2年3月31日

令和2年度神奈川県社会福祉協議会主要事業の概要


 複合的な生活課題や生きづらさを抱え、制度のはざまに埋もれがちな人々の存在が顕在化してきています。このような動きの中で、国は地域共生社会の実現に向けて「断らない相談」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を柱とした「包括的支援体制の構築」を推し進めようとしています。本県では、県の「ともに生きる社会かながわ憲章」をはじめ、市町村においても共生社会や人権尊重を目指す条例等の整備が進められる中、それらの理念の実現に向け、誰もが尊重される社会づくりと福祉意識の醸成が課題となっています。
  また、介護等の新たな在留資格の創設と外国人の雇用、70歳までの就業機会確保の推進、就職氷河期世代に向けた就労支援等、雇用や社会参加の視点から様々な施策が打ち出される中、福祉・介護分野では多様な世代の参入促進が一層進んでおり、多様な背景を持つ人材の活用と育成環境の整備が必要となっています。
  これらの動向を踏まえ、本会では県域の取り組み状況を俯瞰し、神奈川としての地域福祉を推進するため次の内容を重点課題に据えます。重点課題は、会員をはじめ、公私の関係機関・団体との協働により取り組みを進めます。
  なお、昨今支援を必要とする災害の発生が相次いでいる状況を鑑み、大規模災害等の有事の際、本会の機能を生かし支援に取り組みます。
  今年度は現行活動推進計画(平成28年度から令和2年度)の最終年度にあたることから、令和3年度を初年度とする次期活動推進計画を策定し、地域福祉推進における本会の機能や役割の見直しとともに、同年度の竣工を予定している神奈川県社会福祉センター(仮称)への移転に向けて、新たな事業の執行体制の見直しを進めます。



<重点課題>
1 地域共生社会の実現に向けた多様な主体による活動の推進

  市町村社協や民生委員児童委員、社会福祉法人等の市町村域を基盤に活動する主体との協働により、各主体の取り組みから見える課題の共有や解決に向けたネットワークづくり、個別支援を地域づくりへとつなげる取り組みや、地域福祉を担う人材の養成・育成、さらに共通の取り組み事例や県域全体にかかる情報の収集と提供等を通して、地域共生社会の実現を推進していきます。

2 社会福祉事業等の担い手づくりの推進
  県域・広域の地域福祉推進組織としての機能やネットワークを生かし、福祉・介護人材の確保・定着・育成に向けて部会・種別協議会、連絡会ごとの活動と相互の情報交換等を進めるとともに、県域・広域で実施する取り組み並びに福祉・介護現場に近い市町村域での事業展開をさまざまな主体との協働により進めます。

3 事務局体制のあり方等の検討並びに「神奈川県社会福祉センター(仮称)」の整備
  令和3年度に予定している神奈川県社会福祉センター(仮称)の竣工並びに事務局機能の移転に合わせて、その体制や会員との協働のあり方等、本会の機能・役割について改めて検討し、同年度を初年度とする次期活動推進計画を策定します。



<主要事業の概要>
T 多様な主体の参加による支え合いの地域づくりの推進
T−1 多様な主体による地域福祉活動の推進

  主に市町村域で構築が進められている包括的支援体制への支援に向けて、担い手の養成・育成や関係機関・団体等とのネットワークづくりを多様な主体との協働により進めるとともに、県域・広域の地域福祉推進組織としての機能や役割の整理を進めます。

○ 社協職員の専門性に着目した職員育成方策の確立、行政・社協の連携・協働の促進など、「断らない相談」と包括的支援体制の構築を視野においた市町村社協の相談・支援機能の強化に取り組みます。
○ 民生委員児童委員の担い手の確保、活動のPR方法等について協議を進めるとともに、一斉改選後の状況等を踏まえながら、研修や情報提供等の充実を図ります。
○ 地域共生社会の実現、包括的支援体制の構築に向けた、本会の市町村域への支援機能の強化・充実のため、県域・広域の地域福祉推進組織としての機能や役割、事業展開の方向性の整理を進めます。

T−2 自立した生活を地域で支える取り組みの支援
  判断能力が十分でない高齢者や障害者、複合的な生活課題や生きづらさを抱える人々が身近な地域で安心して暮らすことができるよう、市町村域で活動する主体との協働や事業間連携により、それぞれの地域の実情に応じた相談支援体制づくりを支援します。

○ 市町村域への成年後見制度利用促進に取り組むほか、身元保証や死後事務等の課題共有に向けた情報提供や普及啓発等の支援策について、県、家庭裁判所や専門職団体等の協力を得ながら検討、実施します。
○ かながわライフサポート事業並びに生活困窮者自立相談支援事業の着実な推進を図るとともに、地域の実態に即した連絡会議や相談会等の企画・実施等を通して、各地域のネットワークづくりを推進します。
○ 生活福祉資金貸付事業の事業実施上の課題を整理し、市区町村社協の相談体制の支援を図るとともに、関連事業と連携しながら、新たに創設される長期訓練生計費(仮称)の導入に対応します。

U 安心して生活できるための福祉サービスの充実
U−1 社会福祉事業の発展に向けた法人・施設の活動の支援

  社会福祉法人・福祉施設の経営・機能強化や、それぞれの地域課題に応じた法人による公益的な取り組みを進めるための体制づくりを推進します。また、人材確保・育成等の分野・種別を横断する共通課題の解決への取り組みを進めていくとともに、福祉サービスの質の向上に向けて第三者評価事業の推進を図ります。
○ 社会福祉法人・福祉施設の経営・運営基盤の強化に向けて、制度・施策動向等に対応するニーズや課題、取り組みの状況を把握し、経営・運営支援の充実に向けた事業の整備に着手します。
○ 広域の会員組織としての機能、メリットを生かし、会員相互や各地域の協議体、全国組織との連携を図りながら、福祉サービスの質の向上や地域における公益的な取り組みの推進、種別を横断する共通課題とその対応策等について協議を進めます。
○ 福祉サービス第三者評価事業において、県全域で共通使用する標準となる評価基準に完全移行することに伴い、評価結果の公表や評価機関・評価調査者への支援等の見直しを進めます。

U−2 権利擁護と生活支援の取り組みの推進
  福祉サービス運営適正化委員会の着実な運営に取り組みます。福祉サービス利用者からの苦情相談に対し利用者・事業者間の調整を行うとともに、日常生活自立支援事業の適正な運営の確保を図るよう、調査・助言を行います。また、苦情対応における事業者の現状と課題を把握し、取り組みへ反映させていきます。

○ 国の事業実施要綱等に基づき、苦情解決委員会において福祉サービス利用者からの苦情相談に対して個別に事業者に調整し対応するとともに、運営監視委員会により日常生活自立支援事業の適正な運営を確保するため、調査や助言等を行います。
○ 令和3年度の苦情解決体制整備状況調査の実施に向けた準備を進めます。

V 福祉サービスの質の向上に向けた人材の確保・定着・育成の取り組みの強化
V−1 福祉・介護人材の確保に向けた取り組みの強化

  幅広い層の人材参入に伴い、福祉・介護分野の職住接近による業務従事の傾向がより明確になってきていることを踏まえ、福祉人材センター機能の地域展開を見直し、展開します。さらに、求人事業所への技術支援として、求職者の状況に合わせた求人情報の展示方法の検討に着手します。

○ 福祉人材センターの基本機能の強化として、就労後のアフターフォローを含む個別相談等就労支援のあり方を検討、実施するほか、求人事業者への求人票・広告の展示等の技術支援に取り組みます。
○ 幅広い層の人材の参入に対応するため、潜在有資格者の就労支援セミナーの実施や養成研修等からの就労支援、ハローワークとの連携のあり方や、年齢・キャリア状況別の就労支援付きセミナーの一部プログラムの見直しを行います。
○ キャリア教育等、次世代の担い手の参入促進に向けて、生徒・学生へのセミナー・体験等の情報提供の強化、教員向けセミナー・研修事業を活用した福祉の仕事理解の促進に取り組みます。

V−2 福祉・介護事業従事者等の育成研修の充実
  社会福祉従事者の専門性の向上のため、研修事業等の体系的・計画的な実施に取り組むとともに、介護支援専門員実務研修受講試験や法定研修を制度改正等に対応しながら実施します。また、個々の法人・事業者の職場内研修の支援をはじめ、より福祉・介護の現場に近い場での研修や職員育成の支援に向けた地域展開を試行的に取り組みます。
○ キャリアパス生涯研修課程を基軸としながら、本会が実施する研修事業のねらいや目標を定め、研修内容やテーマ設定の充実と体系化等を進めていきます。
○ サービス管理責任者研修については、令和3年度の新たな法定研修体系に向けた準備を県と進めつつ、法定研修で補えないニーズ等の把握と自主研修等への反映を行います。
○ さまざまな世代や背景を持つ人材の参入が進む中で、広域な研修センターの役割と、身近な地域での研修機会の確保について、外部関係者との情報交換の場を継続的にもち、県内福祉従事者の専門性向上に向けて有効な研修のあり方等、課題検討や情報発信を行います。

W 県社協組織・活動基盤の整備
W―1 共通課題の解決に向けた情報発信機能の発揮

  分野や種別を横断した、多様な関係機関・団体との連携や協働を進めます。また、政策提言活動を通して集約した福祉現場が直面している課題を公私の関係者へ発信・共有するほか、本会の企画調整機能を発揮し、解決に向けて取り組んでいくための整理・分析を行います。

○ 第2種・第3種正会員連絡会では、県域団体相互の情報交流の機会の充実を図るとともに、公開研修会などを通じて、分野や種別を横断した共通課題の共有と協働による取り組みを進めます。
○ 多様な情報発信ツールを有効に活用しながら、福祉関連情報のポータルサイト的な情報発信機能の充実を図ります。また、政策提言活動が開始から10年目を迎えるに伴い、これまでの活動の振り返りを行うとともに、集約した課題を整理・分析し、事業や次期活動推進計画の策定につなげます。

W−2 県社協組織・活動基盤の整備
令和3年の竣工を予定している神奈川県社会福祉センター(仮称)整備・移転に向けた取り組みと、同年度を初年度とする次期活動推進計画の策定を一体的に進めます。

○ 社協活動の目的、福祉関係団体(会員)にとっての広域での活動、分野横断的な活動の意義や必要性を改めて整理して伝えていくとともに、そのことを会員が具体的に感じられるよう、本会事業・活動の進め方、会員との協働のあり方を見直し、次期活動推進計画へ反映します。
○ 神奈川県社会福祉センター(仮称)の令和3年度の竣工に向けて着実に推進するとともに、県や入居希望団体との調整、事務局機能の再編の検討等について取り組みます。