かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

多摩老人福祉センター デイサービスセンター(2回目受審)

対象事業所名 多摩老人福祉センター デイサービスセンター(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 高齢分野 通所介護(ディサービス)
事業所住所等 〒 214 - 0012
多摩区中野島5-2-30
tel:044-935-2941
設立年月日 1993(平成5)年10月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 多摩老人福祉センター デイサービスセンターは、平成5年に開所した介護保険による通所介護と介護予防通所介護の施設です。平成5年より川崎市より委託され社会福祉法人川崎市社会福祉事業団が運営しています。同じ建物内では老人福祉センターとシルバーハウジングが運営されています。JR、小田急線の登戸駅より徒歩20分ほどの位置にあり、高層の住宅に囲まれています。


《特に優れている点》

○毎月の職員会議で、全職員が事業展開の理解を得る取り組みをしています

 毎月デイ会議を行い、全員が出席できるよう調整しています。サービスの質の向上と利用者本位を常に意識し、行事後の振り返りは当月中か翌月に行い、事業内容については11月から次年度計画の策定に向けて検討し、仕様書を精査して計画案に組み込んでいます。研修の受講内容を職員全体で共有することを大切に考え、職員会議で研修報告を行い、受講者が振り返りと研修内容を共有しています。利用者の状況、中長期計画や年間事業計画を踏まえた日々の業務への具体的な関連付け、課題などは、意見交換をするとともに全職員での共有に努めています。


○全職員への面談から、やる気の向上を重視しています

 職員の意識を把握しやる気と働きがいを引き出すために、所長は職員から面談で聞き取った考えや意識していることを目に見える形で取り上げていきたいと考えています。デイサービスで実施するアクティビティに取り入れたり、職員の思いをどのように実現できるか一緒に考える姿勢をもっています。外部研修の受講により、日常の支援に支障が出ないよう主任・看護師の勤務調整を行い、契約職員の常勤者がリーダーになるなど留意しています。正規職員は法人の階層別研修体系に応じて受講しています。契約職員も目標管理をして、希望の研修や所長が勧める必要な研修を受講しています。


○利用者の元気を引き出すため、行事、レクリエーション、アクティビティに力を入れています

 毎日、午前中に機能訓練を行い、午後にはレクリエーションとアクティビティを実施しています。さらに、利用者が楽しく過ごすことができるよう、季節や暦に応じてさまざまな行事を工夫して実施しています。節分には職員が鬼に扮し、獅子舞を披露しました。七夕にはわたあめやゲームの出店を行い盆踊りを踊りました。敬老行事や新年会では、外部より太鼓、長唄、落語、玉すだれ、アコーディオンや歌などのボランティアを招き、みんなで楽しみました。利用者の元気を引き出す取り組みとなっています。


《事業者が課題としている点》
 内部研修の内容が外部研修の伝達報告が主になっているため、施設の中で実施する研修としての質の向上を図りたい。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  日常の支援にあたっては、利用者の意思を尊重しています。体操やレクリエーションへの参加は利用者の希望に添い、ソファーでゆっくり休みたい、ゆっくりテレビが見たい、本や雑誌をゆっくり読みたいなど自由に過ごしてもらっています。利用者一人ひとりの価値観や生活習慣については、サービス開始時に聞き取りを行い、全職員でその内容を共有して支援を行っています。
 職員が利用者の気持ちを尊重するための取り組みとして、人権に関する研修を受けるとともに、職員一人ひとりが法人の基本理念と職員規範が記された職員ハンドブックを持っており、職員会議でも折に触れて話し合いを行っています。また、毎年、人権に関するチェックリストをもとに各自で振り返りを実施して、結果について会議などで話し合いを行っています。
 利用者の医療に関する情報などを外部から得る時には、予め利用者や家族に承諾を得て行っています。利用者に関する情報を関連機関などに提供する際には、個人が外部の人に特定されないよう配慮しています。広報誌などに写真を掲載する場合は、必ず利用者本人及び家族に了解を得ています。
利用者の羞恥心に配慮して、排泄や入浴などの介助をする場合には、外部から見えないよう配慮し、基本的に同性介助を行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  サービス開始にあたり、介護支援専門員から「居宅介護サービス提供表」を提出してもらい、利用者の医療情報、ADL(日常生活動作)などの基本情報を把握しています。そのうえで、利用者を訪問し、生活状況や心身状況について詳しく聞き取りをしています。健康診断書の提出は任意ですが、気になる疾患がある場合には、介護支援専門員や医師に相談しています。川崎市の健康診断の結果を提出していただくこともあります。感染症に関する情報は、認定調査の医師の意見書により情報を得ています。
 介護支援専門員からの情報や個別訪問で得た情報をもとに、通所介護支援個別計画書を作成しています。この計画書に基づいて、デイサービスでの支援が行われています。計画書には長期目標と短期の目標を設定し、歩行能力の維持、継続してアクティビティに参加できるなど、利用者によってさまざまな目標が設定されています。利用者の薬の飲み忘れが多いなどの課題がある場合には、薬の飲み忘れが無くなるようにするにはどうしたらよいかについて職員間で話し合いを行い、訪問看護や訪問介護のスタッフと連携を取りながら支援を行っています。
 利用者が在宅でその人らしく生活できるよう、家族や介護支援専門員と連絡を取りながら支援を行っています。一人暮らしの利用者に支援が必要な場合には、介護支援専門員、訪問看護や訪問介護と連絡を取るためのノートを作成し、血圧や食事量などについて連絡を取り合いながら支援を行っています。血圧が高い場合や食事摂取が進まない場合には、訪問看護を通して医師に連絡を取ることもあります。
3 サービスマネジメントシステムの確立  毎日終了時にミーティングを行い、活動日誌に記入しています。日誌はパソコンに打ち込み、個別の記録は個別のケース記録として蓄積されるシステムになっています。日誌には、通所介護と予防通所介護の人数や日程について記載するほか、食事、医療、送迎、排泄、入浴、特記事項を記載するようになっています。個別に配慮の必要な事柄、送迎時に家族から得た情報などの申し送り事項は、職員間の連絡帳に記載して全職員に伝えています。
 毎月1回職員会議を開き、業務について打ち合わせを行うとともに、介護技術などの研修を行っています。主任や所長も参加し、助言や指導を行う機会となっています。誰が携わっても同じサービス提供ができるよう食事、排泄、入浴、送迎などの日常業務のほか、緊急時対応や健康管理、苦情対応などのマニュアルが用意されています。マニュアルについては入職時に研修を行うほか、変更時に職員会議などで読み合わせを行い、全職員に周知させています。今後は職員で話し合いをし、より使いやすいものにされるとさらによいでしょう。
 苦情解決制度については、契約書・重要事項説明書に施設の担当者と法人の第三者委員会のほか、多摩区役所高齢支援課などの公的機関を明示して、説明しています。エントランスの掲示板にも制度について掲示しています。デイルームにはファイルしたものが設置されていますが、より利用者に見やすい示し方の工夫が期待されます。職員の話し方や食事の味付けなどについての要望があり、職員が交代で行う検食は利用者の立場で行い、職員の感覚だけではなく利用者の声も聞き取り、給食会議で検討して行くなど利用者の声を意識して取り組んでいます。
4 地域との交流・連携  川崎市多摩区の社会福祉協議会関係会議や川崎市老人福祉施設事業協会、多摩区生涯学習会議、多摩福祉センター協議会などに参加し、地域の情報を得るとともに、連携して地域の課題に取り組んでいます。施設周辺は市営住宅に囲まれ、高齢者の独り暮らしが多く、身寄りのない方もいます。当施設は、シルバーハウジング生活援助員派遣事業も併設し、介護サービスを利用したほうが良い人の緊急対応や一時利用などに協力しています。地域への直接的機能の活用は、同建物内の老人福祉センターでの活動にゆだねています。
市の老人福祉施設事業協会施設長会や老人福祉センター協議会施設長会、法人の説明会等に出席し、介護保険や高齢者福祉にかかわる研修や行政の動向などをとらえ、地域の特性を踏まえて今後のあり方について検討しています。会議等で収集した情報を職員に伝わりやすく整理し、必要に応じて的確に職員に伝達するよう努力しています。介護保険制度の改正に起因する事業環境の変化や事業所の動向が利用者に及ぼす影響を予測し、利用者の生活の安全を守る方法を探っていきたいと考えています。
ボランティアは日々の話し相手やお茶出し、週1回の傾聴、行事の手伝い、楽器演奏や出し物など述べ597人の参加がありました。地域の人とのつながりや、実習後のボランティア、多摩老人福祉センターの講座発表の場などもあり、基本理念の地域に根ざした福祉活動の場としても開かれた施設になっています。ボランティア受け入れの際には、事業所の「1日をいかに楽しく生き生きと過ごしてもらうか。限られた時間と職員体制の中での限界をボランティアの力で広げたい」という方針を示し、プライバシーや尊敬、意志の尊重などについても伝えています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  法人の基本理念をもとに事業所の方針を立てています。法人の中長期計画と指定管理の仕様書を運営の指針とし、年度ごとの事業計画に策定しています。事業計画は年度初めの職員会議で、内容の説明を行っています。法人理念である「充実したサービスの提供、地域に根ざした施設運営、職員の資質・能力の向上、法人体制の整備」を反映した事業所の事業計画を基に、利用者が地域や家庭の中で自立した豊かな生活が送れるよう、サービスを提供し、他機関との連携を図っています。
法人の中長期計画の中に「職員規範」を定め、年度初めに職員会議で配付し、職員の守るべき法・規範・倫理について説明しています。利用者本位であることを最も重視し、「職員規範」の中でも尊厳(信頼・尊厳・経緯をもって相互理解に努め、責任を果たす)、信条(誠意を尽くし、すべての仕事に真心と信念をそそぎます)の理解に力を入れています。利用者からの親しみすぎる言葉使いの指摘を受けた際には、職員間で話し合いをもちました。そのほか虐待の自己点検シートの記入と検証など、尊厳の理解につながるような取り組みを行っています。
 事業所のパンフレットは、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に置いています。多摩老人福祉センターでは年3回センターやデイサービスの活動のようすを記載した広報紙を発行しており、川崎市役所、川崎市多摩区の社会福祉協議会、図書館、地域包括支援センターや町会に配付し、デイサービスの情報を提供しています。地域の方が参加できる行事として、敬老の日の催しがあり、事業所玄関の掲示板にポスターを貼り、お知らせしています。当事業所を運営する法人系列のデイサービス事業所の主任会でも情報を提供しています。
6 職員の資質向上の促進  法人の人事管理トータルシステムを明示し、実践しています。詳細を記載した「人事考課ガイドブック」が事務室に置いてあり、人事考課のしくみが確認できます。正規職員が対象ですが、抜粋したものを職員会議で全職員に示し、求める人材像や育成などについて理解を図っています。正規職員は法人での採用ですが、契約職員は事業所で採用となり、有資格者であることと利用者本位で考えられる健康な人を求めています。辞める人がなく職員会議でのコミュニケーションからチームワークが良いため、活気があり仕事に集中しやすいという職員の意見が聞かれています。
正規職員は法人の階層別研修体系に沿って研修を受講します。契約職員も目標管理に取り組み、希望の研修や必要な研修を受講しています。所長は契約職員から面談で聞き取った考えや意識していることを目に見える形に取り上げていきたいと考えています。アクティビティに取り入れたり、思いをどのように実現できるか一緒に考える姿勢を持っています。外部研修の受講により日常の利用者支援に支障が出ないよう、主任・看護師の勤務調整を行い、契約職員のフルタイム者がリーダーになるなど留意しています。
研修の受講内容を職員全体で共有することを大切に考えています。法人理念の「充実したサービスの提供」「職員の資質・能力の向上」の達成を念頭に研修報告書だけでなく、毎月の職員会議で研修報告をしています。法令順守、感染症、認知症、救急法、権利擁護など内部研修を行っていますが、包括支援センターや法人の理学療法士など外部からの講師で研修を行うことでさらにサービスの向上や職員のやる気を引き出したいと考えています。

詳細評価(PDF612KB)へリンク