かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パレット保育園 大和(3回目受審)

対象事業所名 パレット保育園 大和(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 理究
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 242 - 0017
大和市大和東1-7-22 ますみビル
tel:046-262-7870
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
パレット保育園大和は、小田急江ノ島線・相鉄本線「大和駅」から歩いて2分ほどの所にあります。駅に近いということもあり、ビルや商店街、マンションなどが混在する場所に位置しています。周辺は公園の多い地域で、さまざまな公園が徒歩圏内にあります。足を延ばすと「ふれあいの森」や「泉の森」があり、四季折々の自然を感じることができる環境になっています。
園舎は、ビルの1、2、3階を使用し、定員は60人(生後4ヶ月過ぎ〜就学前までの乳幼児)、開園時間は平日7時から21時、土曜日は7時から18時です(平成28年度現在)。
パレット保育園大和は、平成7年に駅型保育事業「どんちゃかランド」として、株式会社理究によって設立され、平成17年4月1日に神奈川県の認可保育所となりました。
株式会社理究は、神奈川県認可保育所、横浜市認可保育所、川崎市認可保育所、東京都認証保育所を運営しています。「全脳教育理論」に基づく「どんちゃか式幼児教育」により、「感性を磨き、知性を育み、体力を養う三位一体のバランスのとれた保育」を実践し、人間としての土台を築く指導を目指しています。


1.高く評価できる点
●子どもの自由な遊びを重視した保育と、一定のプログラムに沿って実施される保育を組み合わせた活動をおこない、子どもの成長や発達、集中力を培っています 
園では、保育理念「ひとりひとりに生きる力を!」に基づき、「感性を磨き、知性を育み、体力を養う三位一体のバランスのとれた保育」を目指しています。日常の活動のなかでは、散歩などの外遊びを中心に、子どもの自由な遊びを重視した保育をおこなっています。園の周囲には、大中小さまざまな公園が30箇所程度あります。公園が多いという利点を十分活かして、0歳児クラスから積極的に散歩に行っています。年齢や発達の状況、日案のねらいに合わせて、森林の中で昆虫を見つけることができる自然豊な公園や木登りができる公園、砂場やブランコ、うんてい、ローラーすべり台、砂場のある公園などを選んでいます。子どもたちは、木登りやうんていにチャレンジしたり、しゃぼん玉を追いかけたり、探検ごっこをして自由に遊んでいます。異年齢のクラスが合同で散歩に行く機会も多くあり、乳児クラスの子どもたちも、幼児クラスと合同で遠方の公園まで足を伸ばしています。保育室では、玩具や絵本などを子どもたちが自由に取り出して、散歩で見つけた昆虫や花を図鑑で調べたり、スカーフをマントのようにして遊んだり、さまざまなブロックを使って遊んだり、子ども用の将棋をしたりして、子ども同士かかわりながら遊んでいます。一定のプログラムに沿った保育として、週1回の「パレット学習タイム」や「運動プログラム」を実施しています。パレット学習タイムは、「感性・知性」を培う保育として、毎週、クラスごとに異なる絵本を題材におこなっています。スクリーンを用いたダイナミックな絵本の読み聞かせを専門講師がおこない、絵本に関連したワークや制作をするなどして子どもの感性や知性を刺激しています。0歳児クラスの子どもも集中して取り組むことができています。5歳児クラスでは、就学を意識した形式で実施しています。「体力」を培う保育として、運動遊具をつかった運動プログラム(はしる、なげる、とぶ、全身運動、プール)を計画し、週1回実施しています。幼児クラスでは体力測定を年1〜2回おこなって成果を検証しています。
子どもの自由な遊びを重視した保育と、一定のプログラムに沿って実施される保育を組み合わせることで、メリハリのある保育活動をおこない、子どもの成長や発達、集中力を培っています。


●保育の計画に基づいた記録を細やかにおこない、より良い保育の実践につなげています 
保育課程に基づき、クラスごとに年間指導計画や月間指導計画、週案、日案を作成しています。これら全ての計画において、保育のねらいや配慮する点について明確にし、それに沿った振り返りや評価をおこなっています。日誌にその日の活動とねらい、子どもの様子、反省を記入し、1週間ごとに保育活動を評価して次週に活かしています。1週間ごとの評価は、月間指導計画における「養護」と「教育5領域」の評価につなげています。年間指導計画の評価は4つの期に分けて実施し、月間指導計画の評価をもとに各期の達成度合いや課題を明確にして、次期の保育の実践に活かしています。子ども一人一人に関する記録の一つとしてチェックリスト方式の「成長発達記録」を作成しています。発達段階にあわせて11種類のチェックリストを用い、項目ごとに「できた日」を記入し、発達を意識した個別の援助に活かしています。配慮が必要な児童には「個別支援計画及び発達経過記録」を作成し、年間目標や期の目標、月のねらいを明確にして、「養護」と「教育5領域」に対する保育内容や配慮事項、集団への参加、保護者の意向、関係機関との連携について、月ごとに記録し評価をおこなっています。クラスごとの計画や個別の計画に基づき、細かく記録をとり、より良い保育の実践につなげています。


2.独自に取り組んでいる点
●保育環境について職員間で話し合い、保育場面に応じた保育環境の設定をおこなっています 
園独自の「大和保育目標」の実践に向けて、「保育環境の設定」に力をいれて取り組んでいます。朝夕の合同保育や、各クラスの室内環境の現状を分析したうえで、「人的環境」「物的環境」「時間的環境」「空間的環境」を整えるために何が必要なのかを職員間で考え、各時間帯の保育室のレイアウト図やコーナー設定図を作成しています。朝夕の合同保育、日中の保育活動、食事、食後の着替えや午睡、午後の遊びなど、活動内容に応じて、カラーボックスやパーティションを随時動かしてレイアウトを変えるクラスもあります。また、活動内容にあわせて他クラスの保育室を借りるなど、子どもの活動に最適な環境を考え、クラス間で連携しながら実行しています。これらの保育環境の設定については、定期的に職員間で話し合い、振り返りをしながら、より良い環境に改善しています。


3.工夫・改善が望まれる点
●地域の子育て支援ニーズを把握し、地域子育て支援に向けた取組が期待されます 
地域の子育て支援として、育児相談ができることを園の玄関等に掲示しています。また、子育て応援フェスタに参加し、手作り玩具のつくり方を来場者に教えることなどもしました。しかし、育児相談はあまり件数がなく、地域に育児相談をおこなっていることを周知する工夫が望まれます。また、駅に近いという立地を活かし、地域の子育て家庭に向けて、離乳食や食育の講座、手歌遊びや絵本、リズムの講座など、育児に関する講座を実施するのも一案です。できるところから検討していき、園の専門性を地域に還元してくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・法人の保育理念を「ひとりひとりに生きる力を!」として、「ひとりひとりの子どもを見極め、発達段階に応じ、『完成・知性・体力を培う』三位一体のバランス保育・教育を信条として育てます」などを掲げています。法人の保育方針は「『保育所保育指針』に準じ、保育・養護の視点と発達・教育の視点で、『健康』『人間関係』『環境』『言葉』『表現』の五領域を縦断的にとらえ、子どもの成長に合わせ、子どもの力を最大限に引き出すよう努めます」を掲げています。園独自の保育の目標として「『私たちは自分の気持ちをのびのび表現し、友だちに優しくできる子』に育つように保育を実践します」を掲げています。保育理念や保育方針、保育目標はいずれも利用者本人を尊重したものとなっています。
・法人で言葉をテーマにした研修をおこなっています。保育目標に、「子どもが自発的に活動できるような言葉がけをし、自らがお手本となるような行動をとる」を掲げており、ハンドブックにも、「子どもに寄り添った言葉かけをおこなう」等が記載されています。ハンドブックは職員で読み合わせをしており、全職員で子どもへの声のかけ方について、話し合う機会を持っています。子どもたちに、何をして遊びたいか聞いて意見がまとまらないようなときは、「できない」という言葉は使わないように配慮しています。
・個人情報の取り扱いについてのガイドラインがあり、プライバシーマークを取得しています。守秘義務については、入社時に研修をして職員に周知を図っています。全職員から個人情報についての誓約書を提出してもらい、ボランティアと実習生にもオリエンテーションで守秘義務について説明し、誓約書を提出してもらっています。保護者には入園説明会で個人情報の取り扱いについて説明し、同意書を交わしています。
・保育室の遊びのコーナーの隅など、友達や保育士の視線を意識せずに過ごせる場所があります。遊びや行事の役割、発表会の役決めなどは、性差による区別はしていません。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程は、法人内の施設長会議で決定されます。施設長会議の前には各園の職員から意見を吸い上げています。保育課程をもとに、各クラスの状況に合わせてクラスの担任が月間指導計画を作成しています。月間指導計画に基づき、週案と日案を作成しています。各指導計画には評価や振り返りをする記入欄を設け、子どもの発達状況等に応じて、作成・評価・見直しをしています。年間指導計画は、4期に分けて評価をおこなっています。
・ブロックやままごと、絵本、電車、カードなどのコーナーを作って落ち着いて遊べる環境を作っています。絵本は、子どもが取り出しやすい高さの本棚に置かれています。子どもの発達に合わせて、年度の中間でおもちゃを入れ替えています。0歳児クラスの保育室はサークルで仕切り、つかまり立ちができるようにしています。登園後は、3、4、5歳児が同じ保育室で遊んでおり、ままごとや電車、絵本などの遊びのコーナーで自由に遊んでいます。例えば、スカーフをマントに見立てて遊んでいる子どもや、絵本のコーナーで好きな絵本を読んでいる子どももいました。保育士は、一人一人が興味、関心を持って遊べるように援助しています。子どもたちは、友達と遊ぶ楽しさを通して友達との関係作りや遊びのルールを学んでいます。
・合同保育のほか、異年齢で散歩に行くこともあり、日常で関わりを持つことができています。子ども同士のけんか等については、子ども同士で解決できるように保育士は見守っています。散歩の途中で靴が脱げたときは、みんなに声をかけてから靴を履いています。履き終わると子ども自身が「お待たせしました」と声をかけており、相手を思いやる気持ちが育まれています。保育理念、保育の方針に掲げている保育者も「大きな家族」の一員として、子どもの手本となるように行動し、子どもを見守る保育をおこなうように努めています。
・子どもの成長発達の段階に合わせた運動プログラムの体操教室があります。運動プログラムは、「はしる」「なげる」「とぶ」「全身運動」「プール」の項目があり、さまざまな動きや動作、感覚が養うことができるようにしています。体操教室は、子どもがやりたい遊びになるよう、保育者も一緒に楽しみながらおこなうようにしています。また、定期的に神奈川県幼児運動能力テストを参考にした体力測定をおこなっています。散歩に行く際は、首まで紫外線をガードする帽子を被っています。虫よけスプレーや紫外線対策のスプレーは、保護者に確認をしてから使っています。プール遊びのときは、タープで日陰をつくるよう配慮しています。
・送迎時に子どもの様子を口頭で伝えています。担任保育士から伝えることができない場合は、伝達ノートに記載して伝え漏れのないように工夫しています。担任保育士が直接伝えたほうが良いと思われるときは、お迎えの時間まで担任保育士が残るようにしています。また、連絡ノートでも子どもの様子を知らせています。個別面談は年2回おこなっています。個別面談の前に、保育に関して悩んでいることや聞きたいこと等を保護者に書いてもらい、担任保育士が返答を記入し、施設長が確認しています。クラス全体の様子を伝える懇談会は進級時におこない、持ち物のことや新年度の保育のことなども知らせています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園前の個別面接で、短縮保育について説明をおこなっています。乳児は1週間、幼児は3日間実施することを保護者にお願いしていますが、保護者の意向や子どもの状態に応じて柔軟に対応しています。
・入園後の子どもの成長や発達について定められた様式に記録しています。入園時には、保護者に児童票、健康記録、保育アンケートに子どもや家庭の個別の状況・要望等を記載してもらっています。
・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れており、大和市の巡回訪問支援を受ける中で専門家から助言を得て、職員全体で最新の情報を共有しています。
・園内にはエレベーターが設置されていて、バリアフリーの構造となっています。
 障害の特性を考慮し、月ごとに個別支援計画を立てて保育をしています。計画には年間目標や1期ごとの目標、今月のねらい、環境構成を細かく掲載しています。
・食物アレルギーを持つ子どもへの対応は、「食物アレルギー対応マニュアル」に沿って実施しています。子どもの主治医による診断書に基づき、除去食を提供しています。診断書は半年から1年に1回、保護者に提出を依頼しています。
・外国籍など文化の異なる子どもに対して、生活習慣や考え方の違いを尊重できるように配慮することとしています。意思疎通が困難な場合には、分かりやすい言葉を用いて話したり、お便りにカタカナをふり、伝えたりしています。
・入園時に苦情解決制度について保護者に伝えています。園の玄関に「苦情申出窓口の設置について」「ご意見・ご要望の解決のための仕組みについて」を掲示し、苦情解決責任者は施設長、苦情受付担当者は副施設長であることを、保護者に伝えています。苦情解決窓口「かながわ福祉サービス運営適正化委員会」の連絡先を玄関に掲示しています。また、法人本部のお客様相談室のフリーダイヤルを入園時のしおりに掲載して、相談ができるようにしています。
・感染症対応マニュアルがあり、登園停止基準や保育中に感染症の疑いが生じた場合の対応について保育園のしおりに明記し、保護者に周知しています。保育中に発生した場合には、保護者へ速やかに連絡をし、対応について話し合っています。
・衛生管理を適切におこなうため、衛生管理のマニュアルがあり、保育マニュアルや運営要項にも記載されています。マニュアルは、年度当初に法人本部で見直しをおこない、また、施設長会議でも定期的に見直しをおこなっています。
・安全管理について、危機管理マニュアルを策定し事故や災害に備えた安全対策を実施しています。マニュアルは地震や火災、事故などの非常時に適切に対応したものとなっていて、全職員に周知しています。毎月、地震や火災を想定した避難訓練を実施しています。散歩などの外出中の発災も想定しています。
4 地域との交流・連携 ・育児相談については、毎週水曜日に実施していることを、門扉に掲示して知らせています。給食だよりや園だよりを掲示して情報提供しています。
・園の近くには商店街や商業施設があります。商業施設の中には、図書館と神社が併設されており、散歩の帰りに立ち寄ることがあります。お正月には、その神社でお参りをしています。また、スイカ割りのスイカ等を、子どもたちと商店街に買いに行っています。夏まつりなど行事開催の際は、門扉にポスターを掲示して地域住民に知らせています。自治会からテントを借りたり、七夕のときに笹を寄付してもらったり、友好的な関係が築かれていますが、お勧めの絵本を紹介するなど、さらなる取組が期待されます。
・問い合わせや見学者には、「パレット保育園ご案内」に基づいて、保育の方針や活動内容、持ち物などを説明しています。問い合わせは随時対応できるようにしており、その際は見学ができることを知らせています。見学日については、保育に支障をきたさない範囲で、できる限り希望に添うようにしています。ホームページからも見学の申し込みをすることができます。
・ボランティア受け入れのマニュアルがあり、マニュアルに基づいて保育の方針、保育の目標、守秘義務等を説明しています。受け入れにあたり職員には昼礼で説明し、保護者には玄関に掲示して知らせています。受け入れと育成の担当者は施設長としており、受け入れ時に記録を残しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人のホームページにパレット学習タイム、体操教室などの保育活動や延長時間の料金などを載せて情報提供しています。見学に来られた方には、見学者用の「パレット保育園ご案内」を渡して保育理念や保育方針等を知らせています。
・園としての自己評価は、横浜市福祉サービス第三者評価の評価項目を用いておこなっています。評価結果は、ホームページ上に公表しています。また、法人のホームページで、経営状況について公開しています
・重要な決定事項については、保護者との懇談会や進級説明会、運営委員会で必ず説明をしています。次年度から閉園時間が変更するにあたり、その理由などを伝えて意見交換をしています。
・年度ごとに法人で作成される「ハンドブック」に、保育士倫理綱領や規程集、行動原則などを掲載していて、全職員に配付・周知しています。
・法人本部で、2016年から4年間の中期事業計画を作成しています。中期事業計画における事業改善テーマを5つ設定し、運営やサービスプロセスの新たなしくみを常に検討しています。
6 職員の資質向上の促進 ・実習生受け入れのマニュアルがあり、マニュアルに基づいて保育の方針、保育の目標、守秘義務等を説明しています。受け入れと育成の担当者は施設長としており、受け入れ時に記録を残しています。実習日は担任保育士と意見交換をし、実習最終日に施設長と意見交換をしています。
・法人本部の人材育成計画に基づき、職員の育成をおこなっています。「スタッフできたかな表」を用いて、各職種や段階にあわせた職能水準を定めて、職員の育成に役立てています。職員の資質向上に向け、個別の目標を毎年定め、研修の希望などを確認しています。年2回おこなう施設長との面談を通して、本人の自己評価を確認するとともに、施設長が達成度を評価しています。
・園外の研修として、法人本部でおこなう全園研修会に職員全員が参加しています。特に、救急救命法を学ぶ研修には全職員が参加しています。新任保育士の研修プログラムが充実していて、入職前に2回、入職後には7月と12月に保育を振り返る研修を法人本部でおこなっています。
・利用者の状況に応じて、現場の職員が自主的に判断できるように、「ハンドブック」に、職員の権限や判断基準を明確化しています。職員からは、「クラスのことはある程度任されているため、自分が実施してみたいことを検討できます」という意見が出ています。
・職員からの業務改善提案は、クラス会議をはじめとして、乳児会議や幼児会議、全体会議で話し合われています。
・年2回の施設長面談で、職員の満足度や要望を把握しています。法人本部では、「勤務についてのアンケート」をおこない、次年度の体制に向けて、職員の要望を把握しています。

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