かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜保育室 リトル スカラー

対象事業所名 横浜保育室 リトル スカラー
経営主体(法人等) 北友建設株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0053
港北区綱島西1-2-7
tel:045-642-3361
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
「横浜保育室 リトル スカラー」は、平成24年4月に東急東横線綱島駅北口から徒歩1分ほどのビルの2階に開設されました。保育室は鉄筋コンクリート4階建ての2階にあります。
保育室は0歳児から2歳児を受け入れ、定員30名で現在28名が利用しています。通常保育の他に、延長保育、早朝保育、予約制の一時保育や休日保育も行っています。
「子どもたちが、自然環境を通し、いのちの大切さを感じるセンスを身に付け、本物の優しさや包容力を備えた人間へ成長できるよう、実体験型の環境保育を行う」を保育理念として掲げ、職員が、子どもたち一人一人の育つ力を信じて見守っています。


≪優れている点≫
1.異年齢の子どもたちの自然な交流を成育につなげています
リトルスカラーはワンフロアーの保育室です。自由遊び時には、1歳児、2歳児が一緒になって遊んでいます。0歳児も同じ空間にいて、大きい子どもの遊ぶ姿を目で追ったり、一緒に手をたたいたりしています。大きい子どもの歌声や踊りに0歳児が嬉しそうに身体を動かす姿があり、ゆったりとした温かい雰囲気の中でごく自然な形で異年齢交流があります。
大きい子どもは、0歳児がハイハイをして、つかまり立ちをしている中で、自然に0歳児にぶつからないように配慮して遊んでいます。1歳児と2歳児が手をつなぎ一緒に散歩に出かける時は、2歳児は1歳児を気にかけながら出かけています。子どもたちはごく自然に異年齢交流の中から、小さい子を助けたり、配慮したりすることを体得しています。


2.活発な園外活動を通じて丈夫な体づくりを行っています
保育室には園庭がないため、天候の良い日は散歩が日課となっています。近くにはいくつもの公園や子どもたちの好きな土手があり、その日の子どもの様子などにより行き先を決めています。
 子どもが季節の移り変わりを五感で感じ、自然の不思議さに気付き、気温の変化を感じ取るようにしています。自然に触れることで命の大切さを感じ、優しさや包容力を培うようにしています。
少し遠い公園へも歩いて出かけています。途中、車に気をつけるなど交通ルールを学び、出会った人には挨拶をし、地域の方々や犬、猫との触れ合いを感じています。異年齢で散歩に行く時は年長児が年少児を気遣っています。0歳児も保育室の近くを散歩しています。また、健康増進のために薄着を習慣づけ、土踏まずをしっかり形成する事ができる裸足保育も取入れています。経験のある職員による優しい保育のもと、自分の足で歩く事や、階段の上り下りで運動能力の向上を図っています。


3.姉妹園や他園との交流で友好的な関係を築いています
港北区内に系列の保育園があり、2歳児は系列園の運動会に参加をしています。2歳児の卒園式には系列園の5歳児が来て歌を歌ってくれるなど交流が行われています。
保育室の近くにも保育園や幼稚園があり、散歩の時などに声をかけてくれるなど友好的に交流があります。幼稚園児がマラソンをしていると、幼稚園の先生がこちらの園児を見つけて「小さな子がいるから気をつけてね。」と注意喚起を促してくれます。幼稚園が園庭を使っていない時には、園庭を貸してもらい、幼稚園の園庭の遊具で遊ぶことができます。公園で他の保育園と一緒になることもあり、お互いに遊具を譲り合ったり、順番を守って使用して楽しく遊べるように配慮するなどして、園外の活動から近隣の他の施設との交流に繋がっています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.保護者に日々の保育の様子の説明と個人面談の実施
今回のアンケート調査において、「園の様子や行事に関する情報提供」についてでは、半数の保護者が不十分と感じているようです。保護者との送迎は、玄関で一人ずつ行っていますが、玄関から保育室内は見えない状況です。送迎時に保育室内で子どもたちが、どんな玩具で遊んでいるか、散歩にどの公園に行きどんな遊びを楽しんだのか、給食はどんなメニューでどんな盛り付けなのか、保育室でどの様に過ごしているかなどを保護者は関心を持ち、知りたいと考えています。一日の出来事やどの様に過ごしたか、子どもたちの一日の様子について知りたい要望があります。
0歳児〜2歳児という低年齢ということもあり、保護者への情報提供は重要です。保育室で行っていることの周知が必要で、一目でわかる説明文や写真を玄関に掲示するような工夫が望まれます。連絡帳だけでなく活動内容やクラス全体の様子を知らせるなどの理解も必要です。また、話し合いの機会についても保護者は不十分と考えています。現在、個人面談の希望があれば個別に対応していますので、保護者に周知することが必要です。さらに個人面談や懇談会を定期的に実施するなど、保護者が個別に直接意見を伝えられる機会を検討することが望まれます。

2.職員の研修計画による人材育成
保育マニュアルはありますが、人材育成計画の策定までは行われていません。職員の経験・能力や習熟度に応じた役割が期待水準として明文化されていません。職員の資質向上に向けて、主任が職員個々の能力に応じて研修に参加出来るよう工夫していますが、計画的な実施までには至っていません。
今後は職員の経験・能力や習熟度に応じた役割と、期待水準を明文化することが必要です。個人別研修計画、個人別の年間目標設定とその達成度を評価する個人面談を実施するなどで、能力や習熟度に応じた人材育成計画の立案・実施が望まれます。

3.中長期計画の作成
事業運営に影響のある情報の収集・分析は設置法人が行っていますが、園の中長期計画の策定が行われていません。保育方針、人材育成などの継続的に取り組む事柄や地域との関りを示したものを明文化したものはありません。
保育理念や保育課程を園内に掲示すると共に、職員に配布して周知を図ることが必要です。さらに、継続的に取り組む中長期的な事柄に関して、方向性を明記した計画策定が必要です。中長期計画により、職員や地域が園の方向性などを共有して、共に実施することが望まれます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視をしないなど、子どもの人格尊重についての研修に参加しています。研修に参加した職員は、研修内容を職員会議で報告しています。子ども一人一人に応じて言葉かけや関わり方を工夫したり、年齢に応じた分かりやすい言葉かけをしています。点呼の順番や整列などは、月齢順にしています。職員自身が性差への先入観を持たないよう心がけ、子どもの個性を尊重した関わりを心がけています。


個人情報取扱規定や個人情報保護の基本方針があり、全職員に周知しています。個人情報の取り扱いについては、保護者に説明しています。ホームページなどに使用する写真の使用に関する承諾書をほとんどの保護者から得ています。使用不可の子どもが入った写真を使用する場合は、子どもの顔に加工を施し、個人が特定できないように配慮をしています。個人情報に関する書類は事務所で施錠管理しています。


保育理念は、「自然との触れ合いを大切にした実体験型の環境保育」「家庭との連携を密にした子育て支援」「居心地がよく、情緒の安定が図れる環境作り」「食育への取組み」「異年齢の活動を通して、いたわりや思いやりの気持ちを育む」とし、子どもを尊重したものになっています。保育課程は、保育理念に基づき、子どもの発達過程に沿って、子どもの最善の利益を考慮して、家庭環境や園周辺の環境を踏まえて作成しています。サービスの実施内容は、週末、月末に反省・評価されており、保育理念に沿ったものになっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程に基づいて、子どもの発達状況に沿った年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。年間指導計画、月間指導計画には自己評価の欄を設け、次期の指導計画に反映させています。子どもたち一人一人の発達に合わせて、個別に月間指導計画を作成しています。


おもちゃはブロックやパズル、人形など種類別に箱の中に入っており、子どもの手が届く所にあり、自分で選んで取り出したり片づけています。天候が良い日は、帽子をかぶって散歩に出かけます。1歳児と2歳児が手をつなぎ一緒に散歩に出かける時は、2歳児は1歳児を気にかけながら出かけています。子どもたちは日常的に地域の人々と挨拶や会話をしています。散歩の途中の家々の花や果樹の色づきの変化なども楽しみ、季節の移り変わりを感じています。


食事の時は、保育室の半分の床に大きな青いビニールシートを敷いて、その上にテーブルやいすを置いています。残りの半分は午睡用として区別しています。テーブルやイスを準備することで、これから食事が始まるという気持ちの切り替えが、子どもたちに自然に出来ます。食事は旬の食材を取り入れて季節感が味わえるようにしています。また、七夕や七草粥などの行事や歳時記に合わせた伝統的な料理もあります。


保育の基本方針を記したパンフレットは、見学会や入園時に渡し、説明をしています。保育方針に基づいた日々の保育内容を、園だよりや連絡帳、送迎時に口頭で保護者に伝えています。また、園だよりや献立表を毎月発行し、行事予定や子どもの様子を保護者へ知らせています。ホームページでも行事や日頃の保育の様子を写真付きで伝えています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

見学時や入園前の説明会で、ならし保育の重要性を保護者に説明しています。0、1歳児の新入園児には、子どもと保育士のかかわりを見ながら主担当、副担当を決めています。0歳児の後半から、クラス行事以外は、0〜2歳児の合同保育を行い、複数の職員と関わることで、進級時に在園児の不安を少なくしています。連絡ノートで園での生活の様子を記載し、保護者との連携を密にしています。保育課程に基づいて、子どもの発達状況に沿った年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。年間指導計画、月間指導計画には自己評価の欄を設け、次期の指導計画に反映させています。


子どもや家庭の状況、保護者からの要望については「お子様の状況について」などの入園時の提出書類で確認し、入園時個人面談ファイルに記入して記録し、個別ファイルにしています。入園後の子どもの成長発達記録は、毎月個人記録に記録しています。毎月の身体測定結果、健康診断結果も個人記録に記録しています。


要望・苦情の受付担当は主任で、苦情解決責任者は園長として玄関に掲示しています。苦情解決規定があり、苦情が寄せられた場合は第三者委員を交えて対応する仕組みがあり、玄関に第三者委員の氏名と連絡先を掲示しています。
子ども一人一人の健康に関する基礎情報を記した「健康記録」があり、それに基づいて一人一人の健康状態を把握しています。保育室で体調が良くなかった子どもには、電話で保護者に園での子どもの健康状態を伝え、降園後の対応について話し合っています。写真付きの分かりやすい「感染症対策」があり、登園禁止基準や保育中に感染症の疑いが生じた場合の対応などは保護者に周知しています。


緊急時対応マニュアル(火災、地震、不審者)があり、全職員に周知しています。地震対策として、ロッカーなどは壁に固定しています。年間計画に基づき、月1回避難訓練を実施し、避難経路や持ち物、火災時の職員の役割を確認しています。出入り口は施錠し、インターホンを使用して顔を確認した上で対応をしています。年に2回、室内と室外の2種類の防犯訓練を行っています。園外で不審者に遭遇した場合に備えて、散歩時には契約している警備会社の携帯型緊急通報端末を持参しています。毎日の掃除は、おやつや食事の後、午睡後などには掃除機をかけ、また、次亜塩素酸を用いて拭き掃除をして清潔を保っています。布団やカーテンなどは除菌スプレーをしています。

4 地域との交流・連携

地域での子育て支援として、登録制の一時保育、休日保育を実施しています。登録者は180人以上おり、月に2〜3名が利用しています。地域住民の子育てに関する相談や問い合わせに、対応する仕組みがあります。近くの病児保育園や情報誌の資料など、地域の子育て支援サービスの情報を玄関に掲示しています。


ハロウィン行事の一環として、子どもたちが仮装して近隣の商店街を歩き、お店の方から声掛けされ、挨拶をしています。散歩時に、近隣の保育園の園庭や幼稚園の園庭を借用して遊んだり、すれ違う人達と挨拶し、近隣との友好関係を築いています。保育室の行事のクリスマス会に保護者は参加していますが、地域住民は招待していません。


系列の保育園の5歳児が2歳児の卒園式に来園し、合唱してくれています。設置法人が運営する福祉施設の利用者が作った星や鶴の折り紙を、保育室に飾り、子どもたちの喜ぶ様子を福祉施設の人にお礼の手紙で伝えています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

保育理念は、「自然との触れ合いを大切にした実体験型の環境保育」「家庭との連携を密にした子育て支援」「居心地がよく、情緒の安定が図れる環境作り」「食育への取組み」「異年齢の活動を通して、いたわりや思いやりの気持ちを育む」とし、子どもを尊重としたものになっています。保育理念を明文化したパンフレットや保育マニュアルは、常勤職員のみに配付され、掲示はありません。保育理念、保育目標について、保育課程に明記していますが、職員全員へは周知できていません。


設置法人の就業規則、保育マニュアルに法令遵守が明記され、職員が不正、不適切な行為を行わないように入社時研修で周知しています。港北区の園長会で報告のあった他施設での不適切事案について、職員会議で報告し、自園では行わないよう指導しています。園の経営、運営状況等の情報は、公開されていません。


園長は、港北区園長会で得た情報を職員会議で話し合い、改善課題として参考にしています。運営委員会を年三回開催し、地域の青少年指導員・商店会役員や保護者を交えて、園の運営に関する取り組みを話し合っています。

6 職員の資質向上の促進

保育所運営に必要な人材構成であることを常にチェックし、必要な人材の補充を設置法人が行っています。職員の資質向上に向けて、主任が職員個々の能力に応じた研修に参加出来るよう勤務時間などを工夫しています。外部研修で「子どもへの声かけ」について学び、職員会議で報告・話し合い、日々の保育に活かしています。保育マニュアルはありますが、人材育成計画は策定されていません。個人面談等で目標設定とその達成度評価は、行われていません。


年間・月間指導計画、週案、クラス日誌は一定の書式を用いて園の目標と関連付けて作成されています。年間、月間指導計画は「ねらい」と関連付けて自己評価を行っています。結果だけではなく、過程を大切に、子どもの育ちや意欲を重視した評価を行っています。職員は年度末に年間指導計画の自己評価を通して、日々の子どもの姿や保育の実践について職員間で話し合い、次期の計画に反映しています。


園長は、個々の職員が責任を持って自主的に判断出来るよう権限を委譲し、最終責任は園長が持つとしています。園長は、普段の保育を通じて、職員の保育の進め方や要望を確認し、話し合い、保育能力の向上につながるよう指導しています。職員提案から、子どものやりたいという思いや気持ちを汲み取った保育が行えるよう努力しています。

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