かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市わーくす川崎

対象事業所名 川崎市わーくす川崎
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 210 - 0026
川崎区堤根34-15
tel:044-200-4666
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】

@ 利用者が自己選択出来るよう意見を吸い上げたり、発言したりする場を設けています

当事業所は、利用者が自分達で決定する事が出来るように意欲的に取組んでいます。取組みの一つとして、今年度から利用者会を開催しています。利用者会では、屋外交流会等行事の計画について、提示された選択肢に対し自分達で意見を出し合い、投票により決めています。この利用者会での様子は、月刊「わーくす川崎通信」に写真付で載せているので確認することが出来ます。この他にも利用者が意見を出す機会として、「みんなの声BOX」を設置しています。また職員も日常の会話から意見や希望を吸い上げるように努めています。

A 特性にあわせてできる事や工夫すればできる事を目標においた支援計画を実施しています

 当事業所では、利用者の個々の特性をつかむために、家族から本人の健康状態や生活場面の現状や希望を聞き取っています。その内容を支援計画に落とし込み、支援に活かすために職員があらかじめ用意した絵や文字での作業手順カードや掲示物、配慮した言葉かけなどをしています。障がい特性に合わせた伝え方により利用者と意思疎通を図り、本人が楽しめる余暇活動への参加や働く意欲、作業能力を高めています。これらの工夫した支援内容については定期面談時に支援計画の目標や考え方、道具の使い方を家族にも説明し、連携を図っています。

B マニュアルや会議では共通認識に努め、討議や研修等により支援の水準を確保しています

 当事業所は、終礼や職員会議で利用者ケースを共有し職員間における業務の共通認識を図っています。また意見が出づらい場合は、一人ずつ支援の考え方や支援の工夫、経験を報告し合い共有を図る他、自己を振り返り見直す機会となっています。これに加えて、人間の尊厳について考える「よりそう会」研修および人権擁護シートの自己評価、ヒヤリハットや事故事例を題材としたミニ研修により支援の水準を図る機会を設けています。

 


【特に良いと思う点】

@ ルーティン業務のマニュアル化、会議での共通認識、各種研修の実施により支援水準を確保しています

 当事業所は年間予定表に基づいた行事やルーティン業務については職員体制と役割をマニュアル化して、利用者の作業支援や安全確保、衛生管理を実施しています。終礼や職員会議では情報共有に努め、事業所内での人間の尊厳について考える「よりそう会」研修を実施しています。また、人権擁護シートを活用した自己評価、ヒヤリハットや事故事例を題材としたミニ研修を実施し、支援の共通認識を図っています。法人の職員ハンドブックから抜粋した倫理行動マニュアルでは考え方や基準を明示して支援の水準を確保しています。

A 工夫すればできる事を目標においた支援計画により利用者の自信向上に取り組んでいます

 本人の健康状態や生活の状況など家族から得た情報に基づき、用意した絵や文字による作業カードや手順を分かりやすく掲示しています。職員は状態を見て言葉をかける等、適切なコミュニケーションをとって支援しています。できる事を拡大する為に工夫した道具は定期面談時に支援計画とともに本人や家族に説明しています。本人が働く意欲や作業能力を高めるために障がい特性に合わせた伝え方で、工夫すればできる事を目標においた支援を実行しています。行事計画への投票や目標達成時には褒めてもらう経験など利用者の自信向上を積極的に図っています。

B 各種アンケートを実施し利用者意向の把握に努めそれを集約分析活用することで更なる福祉サービスの質の向上を目指しています

 利用者および家族の意向を把握するために事業所単独で「利用者さんアンケート」と「ご家族アンケート」を実施し、神奈川県知的障害施設団体連合会主催の「利用者さんアンケート」を行っています。このアンケートを集約分析の結果では、作業工賃を増やしてほしい、行事を増やしてほしい、近隣との交流をしたいなどの意向や要望が確認できました。この結果を受け、地域の盆踊りに参加するなど、可能な部分で実行しています。利用者の意向を聞く機会を多くし、分析を行い、実行に向けて動くという一連の流れがあり、アンケート調査が活用されています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@事業所で扱っている個人情報の利用目的は、契約時に「利用契約書」「個人情報の提供について」を用いて詳しく説明して了解を得ています。「個人情報保護規程」を定め、契約時に利用者本人や家族に説明しています。利用者や家族から情報の開示請求があった場合には「利用契約書」に明記してありそれに従い対応することになっています。職員やボランティアからは個人情報保護に関する「誓約書」を提出してもらい情報の漏洩を防止しています。

A法人が定める倫理行動綱領に掲げるところの「利用者さんの社会生活全てに関わる自由とプライバシーの守られる環境を維持」に則った支援に努めています。本人が施錠するロッカー使用については、事務所に名前を書いた鍵収納ポケットを用意して必要に応じて声かけする等、ロッカーの施錠を支援しています。個別の相談や話し合いの時には、他の利用者に干渉されないよう個室を利用しています。サービス提供事業者や医療機関、行政機関などへ個人情報を提供する場合については契約時に説明して同意を得ています。

B苦情解決制度および苦情受付者や責任者、委員の写真を掲載したチラシを掲示し配布しています。人権擁護ファシリテーターを育成する「高山塾」を受講した事業所長が法人独自開発の人権ツールを権利擁護に関する振り返りに活用しています。最も気になる事例を使ったロールプレイ方式により、利用者や職員役を体験し自己覚知を図り、改善策を導き出しています。「子ども扱い」や「できない事にも頑張れと励ます」、「トラブルを利用者の責任とする」、「褒める事がない」など支援上で陥りがちな対応の排除に努めています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@契約前の家族面談では支援区分や障害特性による対応の仕方など本人の基本情報および、家族構成や医療状況、電車を利用し1人で外出可能か、小遣い管理、自宅での生活歴やADLおよび本人の不安要因についても把握しています。利用契約前には2週間程の実習を行い、職員は作業環境を設定して観察し、適宜声掛けなどの支援方法をふり返り、本人の不安やストレスの軽減を図っています。支援に対する反応や変化はアセスメント表に記録し、本人と家族の要望に沿った目標にむけて個別支援計画を作成しています。

A個別支援計画は、一人一人の目指す生活場面を項目として、それぞれに目標を定めて支援内容を定めています。本人のできない事を目標において改善を図るのではなく、本人ができる事を活かして作業や就業が前進するように個別支援計画を作成しています。また、作業工賃評価表により出勤状況や挨拶、約束、集中力、作業報告など16項目について5段階評価し客観的な合計点数で評価しています。前回より伸びている点を評価し、苦手な箇所を明らかにして適切な個別支援計画の見直しに努めています。

B個別支援計画の作成や見直しのために本人および家族との定期面談を実施しています。事業所は利用者の健康状態や自宅での生活状況の変化等を把握しています。家族には、利用者の作業状況や工賃規定に基づく評価等について説明し、目標に向けた支援の考え方や支援方法を説明して理解を深めています。日常的には連絡帳により情報共有に努め、利用者の社会生活と事業所の利用が相乗効果を生むべく、家族と協力関係をつくっています。また個別支援計画への同意の署名捺印については連絡パックでやり取りをしています。


 

3 サービスマネジメントシステムの確立

@利用者満足度調査を利用者アンケート、ご家族アンケートを平成27年12月に実施しています。また、このアンケート結果をそれぞれに集計分析をし、地域行事を増やしたり、7月の日帰り行事では二つの選択肢の中から利用者の多数決で決定し、お台場のテレビ局に行きました。アンケートは平成28年1月にも神奈川県知的障害施設団体連合会と連携して実施しています。その他、今年度は第三者評価機関による利用者調査も実施し利用者の意向把握に努めています。

A利用者および職員の安全を図るために「非常災害時の具体的計画」のマニュアルを定め、入居している福祉総合施設ふれあいプラザかわさきで消防計画を作成しています。防災訓練は事業所単独、県央福祉会全体、施設のふれあいプラザかわさきで2回の年4回を予定し実施しています。健康管理は毎月の内科検診と年1回の健康診断があります。昼食ではカロリー計算をした栄養バランスの良い食事を提供しています。利用者事故に対する予防に関しては、毎日の職員による終礼で当番の職員はその日のヒヤリハットを発表し、事故の防止に取り組んでいます。

B利用者台帳には基本情報はじめ各種手帳や保険証の写し、サービス利用計画や相談記録、作業工賃評価表やケース記録等、情報を集約して確認する事ができています。アセスメント表や個別支援計画表はパソコン内のファイルに保管し、業務日誌はケース記録と連動しています。毎日の終礼時には職員間で利用者情報はじめ運営上の出来事は引継ぎされています。職員はシステムサーバー内や利用者台帳ファイルに保管している利用者に関わる情報を必要に応じて確認して、職員間で情報を共有しています。

C業務分担表では役割および業務内容を明記しています。事業所の年間予定表に基づいた行事はメインおよびサブ担当を決めて、実行までの職員の実踏や手配、準備時期など詳細に記しています。各種会議や委員会、部会担当および会計や作業工賃などの事務担当を定め、職員勤務体制表、職員日直当番表、朝礼・夕礼当番表などにより、一連の作業をマニュアル化しています。利用者の休憩時の見守りや付添い、鍵・服薬・財布管理、CD操作や業務日誌記録など、利用者の活動支援や安全確保において、もれなく業務の標準化を図っています。

Dサービス管理責任者である所長および各作業統括者は、職員の業務に関する相談や連絡および報告を随時受けています。半期ごとの年度の事業計画の点検時にはルーティン業務についての見直しを行っています。業務日誌および日常的な職員や利用者からの相談、意見、問題提起などは内容によって職員会議の議題として討議し、年間スケジュールの点検や業務の見直しを適宜行っています。法人の他事業所や市内の事業所との連絡会や交流、研修時には相互に取り組み事例などの情報交換を行っており、参考にして見直しに役立てています。

4 地域との交流・連携

@ボランティアの受け入れについては「ボランティア受入規程」「ボランティア活動の確認書」「誓約書」などの規程や書式を設け明確な体制を敷いています。ボランティア担当者は職員分担表に明記されています。担当者は受付からオリエンテーションまで業務を行い、オリエンティ―ションでは、利用者のプライバシーについての問題や留意事項について伝えています。ボランティアの募集は地域のボランティア募集冊子に掲載して行っています。

A地域の「川崎区地域自立支援協議会」には毎月参加してお互いの情報交換をしています。また、不定期に開催される川崎区の「相談支援連絡会議」にも参加して情報を入手するなどの連携をしています。神奈川県知的障害施設団体連合会とは利用者家族アンケートなどで連携しています。その他、同建物内に福祉関連のセンターが複数あり、9月のイベント「敬老のつどい」等では連携しています。

B地域の福祉ニーズの収集には、川崎区地域自立支援協議会やかながわの成年後見「障害のある方が安心してくらしていくために(成年後見人)」川崎地区社会福祉協議会の「地域ケアシステムの構築における地域の役割」などの法人外職員研修から情報を入手しています。法人内では所長会議や本部からのメールなどで福祉の動向をキャッチし「SWOT分析」で強み弱みを把握する取り組みを行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@経営層は、自らの役割と責任を「就業規則」「職員業務分担表」「県央福祉会職務権限規程」等で明示しています。「職員業務分担表」には経営層としての統括業務の内容を記載しています。「職員業務分担表」は全職員に配布し、周知しています。また、自らの役割や責任は口頭でも会議等で伝え、浸透に努めています。

A事業計画を着実に実行するために組織表に基づき所長、主任、副主任、就労継続支援B型事業統括、就労移行支援事業統括、特定相談支援事業統括、事務庶務担当それぞれに職務権限規程に沿い実施しています。計画推進状況の確認は終礼やミーティングで行い、作業工賃や就職者人数の目標値に対する達成度の確認をしています。また、半期、年度に分けて事業報告書を作成しており、一定期間の実施状況の確認もしています。

B施設パンフレットは利用希望者が相談に訪れる障害者就労・生活相談支援センターや区役所およびケースワーカーなどへ配布し、情報を確実に対象者へ渡しています。県内の各区の高齢・障害課障害者支援窓口などで配布されている冊子「ふれあい〜障害福祉の案内〜」や市内の就労支援機関案内「かわジョブナビ」にも事業所の情報は紹介されて、いずれも市のホームページからも閲覧できています。

 

6 職員の資質向上の促進

@常勤職員は、本部で採用し、非常勤職員を事業所で採用しています。採用にあたっては、実習で適正を見極め、所長とエリアマネジャーの面接で採否を決めています。採用後は「業務分担表」にて適材適所になるよう人材配置をしています。採用後法人では「職員ハンドブック」を活用し、法人の目的、理念、方針を研修で伝えています。また、事業所では、所長が「障がい者支援基礎知識」を全職員に配布し、研修や職員会議で周知徹底を図っています。

A所長は、毎年8月に職員と「勤務意向及資格調査票」を用いて個人面談を行い職員の能力向上に対する希望を把握しています。事業所全体では、人材育成のため、多くの研修に参加しており、昨年度は法人外研修に7月から3月にかけて12名、法人内研修に59名が参加しています。研修後は職員会議での発表や所長による内容確認の機会等を設けています。

B法人が打ち出している「ホメール」制度を活用し、毎日の終礼では職員が順番でその日の当番になり、その日を振り返って利用者の良かったところを発表しています。また、その日にあった身近な危険を「プチヒヤリハット」として、こちらも発表するようにしています。この2つを発表する事により、毎日職員が「気づく力」を養い、気づくという習慣も忘れないようにするという意図で行われています。

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