かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

すぎのこ保育園(2回目受審)

対象事業所名 すぎのこ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 すぎのこ福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0027
麻生区岡上71-3
tel:044-988-3415
設立年月日 1978(昭和53)年09月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
・すぎのこ保育園は、社会福祉法人すぎのこ福祉会の経営です。すぎのこ福祉会はこの園を母体としてスタートし、現在5つの保育園を運営しています。社会福祉法人すぎのこ福祉会の保育理念「すべてのこどもたちとその未来のために」、保育方針「こどもたち一人ひとりの発達にふさわしい環境づくりと個性を発揮できる保育を創る」を掲げ、園の保育方針「すべてのこどもを知り、一人ひとりを大切に保育していく」とし、子どもを中心に保護者、保育者、地域が支え合い、育ち合う保育を展開しています。
・この辺りは元々丘陵地であり、小田急線鶴川駅から徒歩7分程度の住宅地の中に位置し、駅からは徒歩圏内であり、中規模のマンションと1戸建てが混在し、待機児童も多い地域です。すぎのこ保育園は昭和53年の認可ですが、認可以前にも歴史を持ち、来年は設立50周年、認可後では40周年を迎える歴史ある保育園です。園舎は2階建てで、玄関入ってすぐにガラス張りの事務室が設けられ、園内は随所に童話に出てくるような雰囲気を醸しています。2階は2歳〜5歳児の保育室があり、1階には0歳、1歳児の保育室、一時保育室(もみじ)、ランチルームと広い多目的ホールがあり、多目的ホールではリズム等の活動や、異年齢で食事を摂る等、多岐に亘る活動に有効に活用されています。

【特に良いと思う点】
1. ランチタイムの構成・職員の取り組む姿勢
すぎのこ保育園にはランチルームを設けており、2歳〜5歳児でランチルーム及び多目的ホールで一緒に食事を摂っています。小グループで一つのテーブルを囲み、主菜・副菜は大皿から取り分けて食し、慣れてくると年長児が年下の児に取り分けて食べてさせてあげる等、家庭の食事に近いイメージがあります。調理室からも食事風景が見える環境であり、幼児ではグループごとに職員が入って楽しく食事を行い、共に味わい、共感し、食べ方を伝える等、保育の一環として取り組んでいます。食事ではお櫃を使用し、日本の食文化の良さを味わっています。

2. 安心・安全な給食の提供
すぎのこ保育園は給食の提供について大切に捉え、和食中心の献立を実施し、調理仕立ての温かい食事
を子ども達に食べて欲しい思いから完全給食を実施しています。日本の安心・安全な食文化を大切にし、
素材の味を活かす薄味を心掛けています。魚を多く取り入れ、丸ごと食べられる魚や、骨があっても食
べることができる魚等を工夫して提供しています。行事食でも日本の食文化を伝え、パンは天然酵母の
手作りパンを取り入れ、おやつもご飯ものや野菜のおやつ、乾物等、日本の文化食を使ったおやつを積
極的に取り入れ安心・安全を提供しています。

3. 一時保育等を活用した地域子育て支援
子育て支援事業として一時保育を実施し、保育室(もみじ)を設け、1日6人程度を受け入れています。
毎週、園庭開放を実施して子育ての支援ができるように取り組んでいます。また、地域の保健福祉セン
ター、こども文化センターと園の3者で“ひとりぼっちの子育て”を無くそう、という思いを持ち、地
域の子育て支援として「子育て安心広場」を開始して10年目を迎え、年間計画を作成の上、月1回実
施して地域に貢献しています。地域の乳児(1歳半まで)を対象に、童歌や、情報交換、保健師による
勉強会、散歩等を取り入れ、地域の子育て支援に寄与しています。

【さらなる期待がされる点】
1. 施設のさらなる有効活用を
園舎の特徴の1つとして、ユニークで複雑な形状の多目的ホールがあります。ランチルームを加えた複雑な形状のスペースは、リズム活動等、ランチタイム、フリータイムに多くの有効活用がされています。但し、部屋が不定形で、階段の昇降口もあり、まだまだ活用の余地がありそうです。活用方法によっては様々に使用できるこのスペースの活用を是非、工夫・検討して欲しいと思います。例えば、地域の方を招いた音楽会や、観劇会など、地域の交流と共に活用の広がりが大きく期待されます。

2. 職員の資質のさらなる向上
現在の職員一人ひとりの資質は1日半の調査では分かるはずも無いですが、評価調査での職員インタビューでは、保育士、栄養士は明るく、保育に対して意欲的であった点は評価が高く、面接を実施しなかった保育士もにこやかで元気に保育に当たっていることを観察により確認できました。但し、限られた保育士の人数による保育環境は、保育士一人ひとりが力を付けると共に、チームのコミュニケーション・連携の強化が望まれ、さらに、体制確保のために職員一人ひとりのスキルアップが必要です。さらなる向上に推進していかれることを期待しています。

3. 現在取り組んでいる保育の継承
すぎのこ保育園は来年、設立して50周年、認可後では40周年になります。つまり、50年の長年のノウハウがこの園には蓄積されています。先人が尽力を重ね築き上げたすぎのこ保育園の保育の継承は、同じことだけをしていれば時代に取り残されます。園の課題を保育の継承に置くならば、新たなことに取り組むことで、潜在的な隠れている保育園のノウハウが浮き出してくるはずです。守る継承ではなく、攻める継承を期待しています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●川崎市子どもの権利に関する条例を尊重し、保育方針に子どもの人権を尊重することを掲げ、職員は固定観念を持たず、先入観のない考え方を基本とし、仕事分担では各自の得意分野を役割分野として業務に当っています。子どもに対しては、出席簿は生年月日順にとし、保育を通して男女の区別が表れることがあっても個としての関わりを心がけています。また、他国の文化、芸能に触れ、地球儀を用意して視野を広げる機会を設けています。
●法人の理念を「すべてはこどもたちとその未来のために」とし、法人の保育方針を「こどもにとっていちばん幸せで、その子らしく生きる力につながる保育をめざします」に置き、子どもが主体性を持てる環境作りを心がけ、子ども一人ひとりの発達に応じた保育を実践しています。虐待の早期発見については、虐待対応マニュアルを完備し、朝の視診、着替え時の観察、普段の様子を大切にして、子ども、保護者の変化に気付くよう留意しています。職員は虐待に関する対応、知識を学び、共通認識を図り、意識を高めています。
●個人情報に関して、重要事項説明書に明示し、入園説明会時に説明を行い、保護者から同意を得ています。必要に応じて書面、電話で保護者に承諾の上、外部等に情報提供することを前提にしています。
利用者のプライバシーの配慮では、個々の個性、能力を尊重し、各年齢の発達の理解に努め、子どもの羞恥心への配慮を心がけています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足把握に向けて、玄関に意見箱を設置して意見を述べられる環境作りを行い、行事後の保護者アンケート、年度末には園全体に関するアンケートを実施して意見等を聞く機会を設け、アンケート結果は開示しています。また、懇談会や保護者会を実施し、要望や意見等は保育に反映させ、アンケート結果を保護者会でも報告しています。子どもの意見や意向については、日々の保育や、朝の会を通して吸い上げるようにしています。今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。
●苦情解決の仕組みについては、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を掲示し、重要事項説明書にも記載し、懇談会でも説明しています。個人の相談等を受けられるように環境を整え、相談室等を活用してプライバシーにも配慮しています。また、保護者会にて保護者から意見を述べられる機会を設け、送迎時には話ができる雰囲気作りを心がけています。保護者からの意見等は真摯に受け止め、改善が必要な点は園の見解を示し、速やかな対応に努めています。
●職員は、子どもに対して穏やかな言葉掛けを心がけ、言葉ははっきりと伝えるように共通認識を図っています。また、子どもの質問や話したい気持ちを受容し、子どもに向き合い、子どもの声に耳を傾けるよう心がけています。配慮の必要な子どもについては、個別指導計画を作成し、保護者と連携しながら一人ひとりに合った対応を心がけ、関係機関から助言や学びを得、保育に生かしています。
●登降園時に保護者に挨拶や声掛けを行い、連絡ノートに目を通して子どもの様子を確認し、日常の様子や、健康状態等を伝えるようにし、情報は連絡ファイルに記入しています。休息の長さや時間帯については、子どもの状況、その日の体調、年齢に応じて休憩や午前睡を取り入れ、一人ひとりの状況に合わせて配慮し、子どもの生活リズムを大切にしています。年長児は就学に向けて、午睡の調整を行い、小学校生活に備えるようにしています。
●延長保育は、子どもが安心して過ごせるよう、同じ職員(パート職員含む)で固定化し、その日の人数、子どもの状況に合わせて部屋を設定する等、保育の工夫をしています。また、落ち着いた環境で、日中は使用しない遊具を提供し、少人数で遊べる玩具を設定してじっくりと好きな遊びを楽しみ、安定して過ごせるように、一人ひとりを大切にした保育に努めています。
●園では、食事について、子どもと一緒に食事を摂る姿も「保育」と考え、幼児の各グループに職員が1名入り、家庭の食事に近い小グループでテーブルを囲み、主菜・副菜は大皿から取り分ける等、楽しい食事時間を共有しています。調理は、子どもの食欲が促進するような給食を心掛け、栄養士、調理職員はより良い食事の提供に研鑚しています。アレルギー除去食については、保護者から年2回、除去食申請書の申請を受け、事前に献立を配布して除去内容を伝え、誤配膳、誤食が無いよう実施しています。また、配慮食にも対応しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、パンフレット、園掲示板により情報を提供し、園見学者にもパンフレットを配布し、説明を行っています。また、すぎのこ保育園では保護者会があり、年2回開催し、情報を提供する機会を設けています。サービス利用開始後は、慣れ保育を実施し、新しい環境に慣れるよう配慮し、家庭での生活(食事、睡眠)が継続できるよう心がけています。
●年間指導計画はクラス別に作成し、月案に展開し、川崎市書式を基にした園独自に作成したチェック表にて職員会議で確認し、共有を図っています。アセスメントは成長記録等を基に行い、日常の記録(日誌記録、成長記録(幼児は2ヶ月に1回))を個人別に記載し、共有及び把握をしています。子どもの日々の活動等は、0歳〜5歳児まで連絡ノートを活用して保護者に伝えています。
●提供するサービスの実施方法については、運営確認事項を文書化し、標準化を図っています。また、運営確認事項に沿って個別指導等を実施し、保育を実践しています。重要事項説明書は、保護者に対して保育説明会、クラス懇談会で説明して理解を促し、職員については、全職員に説明を行い、共通認識の基、保育にあたっています。


 

4 地域との交流・連携 ●地域に向けた情報は、掲示板を園の外に設置し、子育て支援や行事等の案内を掲示して地域に発信し、こども文化センターにも園のチラシを設置しています。毎週、園庭開放を実施し、夏季はプール開放を行う等、地域の子育て親子を支援しています。また、地域の子育て家庭の育児グループ「母親クラブ」と連携を図り、園の行事をお知らせして参加を促す等、積極的に地域との交流に努めています。
●地域に対して、一時保育室(もみじ)を通じて施設開放を行い、物品、遊具の使用を提供し、育児相談も受け付けています。また、地域の子育て支援センターと連携を図り、育児相談等を行い、地域の子育て支援に尽力しています。ボランティア受け入れについては、マニュアルを作成し、事前に職員に意義や方針を伝え、オリエンテーションでは注意事項を説明し、終了時に感想等を聞く時間を設けています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

●理念・基本方針は、パンフレットや保育園のしおりに掲載し、保護者の目につきやすいよう園舎内にも掲示し、理解を促しています。また、懇談会等でも伝えています。中・長期計画は理事長の決定を基に策定し、園運営を遂行しています。法人施設長会議を毎月開催し、運営の効率化、保育内容、質の向上等を検討し、改善課題を抽出してより良い運営を目指して取り組み、方針に沿って具現化に努めています。
●園長は、年度当初に方針と、園長の考え及び役割を表明し、運営や保育内容等について、全職員が一致することの大切さを伝え、最優先事項に取り組み、職員会議で決定する旨等、職員の理解と合意を得て推進しています。園長は、法人の施設長会議や目標管理制度(MBO)考課を通して自己評価を行い、法人理事長・常務理事と面談を実施し、園長自らの意識・運営力の向上に努めています。また、法人運営会議にて、経営の合理化、運営の効率化、保育環境整備について話し合い、方向性の一致を基に、改善に向けた運営に尽力しています。
●サービス内容の評価は、園独自の評価表にて園全体と個々で行う自己評価を実施し、課題を定めて改善に向けて取り組んでいます。個人の自己評価は、職員個々と面談を行い、一人ひとりの目標の達成度合いを共有し、評価結果に基づいて取り組むべき課題の明確化を図り、改善策について話し合っています。また、園長は、個人的な問題がある場合は必要に応じて随時、面談を行い、助言・指導を行っています。

 

 

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制については、法人で園の意向を踏まえて要員計画を策定し、必要数と確保数を決定して採用を行っています。パート職員については園で採用を行っています。育成計画では、次期リーダーの育成に力を入れ、経験値の高い職員のサポート体制で推進しています。遵守すべき法令・規範・倫理等は、就業規則、服務規程に明示し、入職時に配布し、職員は職員倫理規定を基に学び、常に意識して従事するよう指導を受けています。
●事業計画に、職員の教育及び研修計画を策定し、研修に関する基本姿勢を定め、それに沿って系列全園の教育を実施しています。関係機関からの研修については、内容を精査し、必要性に応じて職員に研修参加を勧めています。職員は積極的に自身の学びの課題を明確にし、自主的に研修に参加し、質の向上に努めています。園内の研修旅行では、園で大切にしている保育の基本姿勢を現場で実体験する研修を実施し、職員のレベルアップを図っています。
●園長は、職員の日々の様子を確認し、声掛けを行うなど配慮に努め、職員アンケートや面談で就業状況に関する意向を把握し、法人に相談窓口を設ける等、相談しやすい職場環境作りに努めています。主任は、月間シフトを作成し、希望や勤務状況について園長と共有し、有給休暇の消化バランスを確認してシフトに配慮しています。福祉厚生では、福利協会、健康保険組合に加入し、年1回、健康診断を受診し、職員の健康管理を行っています。

 

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