かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

りんどう保育園

対象事業所名 りんどう保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 祥泉福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 227 - 0047
青葉区みたけ台32-19
tel:045-971-3844
設立年月日 1975(昭和50)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
りんどう保育園は、東急田園都市線青葉台駅または藤ヶ丘駅から東急バスに乗り、祥泉院バス停から歩いて1分ほどの閑静な住宅街の中にあります。
りんどう保育園は、昭和50年(1975年)4月1日に社会福祉法人祥泉福祉会によって開設された歴史ある保育園です。同じ敷地内に同じ運営法人が経営する軽費老人ホームと、系列の祥泉院があります。
2 階建ての園舎は、日当たりがよくどの部屋も明るいです。1ヘクタール以上ある広い園庭には、砂場やアスレチック、鉄棒等の遊具やプールの設備が設置されています。片隅では子どもたちが野菜や花を育てています。定員は90人(0 歳児〜5 歳児)、開園時間は、平日(土曜日〜金曜日)は、7:30〜20:00土曜日は7:00〜18:30です。
保育理念は「仏教保育を主に季節毎に色々な行事を取入れ、楽しく充実した保育を行う」「園庭で園児達ものびのびと活動し、職員もきめ細かい保育を務める」保育方針は、「乳幼児に必要な生活の場を豊かに作りあげる保育と共に、仏教保育を取入れ、様々な体験を通して豊かな心、意欲、主体性が育つよう援助する」、保育目標は、「太陽と緑いっぱいの広い園庭での活動や四季折々のカリキュラムに仏教保育を取入れ、まごころの保育を心がけています」です。


1.高く評価できる点  
●広い園庭で子どもたちは身体や五感を育み、のびのびと園生活を楽しんでいます
広い園庭には、桜やビワ、金木犀、イチョウなどの大きな樹木が植えられていて、子どもたちは桜の木の下で食事をしてお花見をしたり、ビワを収穫したりし、自然の恵みを楽しんでいます。セミやクワガタ、トンボや蝶などの昆虫も身近に観察することができ、子どもたちは図鑑で名前を調べたり、粘土で成虫だけでなく幼虫やさなぎも作ったりするなど、自然と触れ合い、様々な学びを得ています。また、砂場で友達と一緒に大きな作品作りをしたり、自分達でルールを決めて鬼ごっこをしたりすることで協力して遊ぶ楽しさを味わい、サッカーやバスケットボール、縄跳び、リレーなどで身体を思いっきり動かして遊びながら身体を鍛えています。園庭の塀越しに近隣住民と挨拶を交わしたり、隣接する祥泉院に遊びに行き、お参りの人々と交流したりすることもあります。保育士は子どもの遊ぶ様子を見守り、遊びが広がるようにおもちゃを提供したり、遊び方を教えたり、遊びに入れない子どもには一緒に遊びながら友達への声かけを促したり、と支援しています。子どもたちは恵まれた環境の中、元気いっぱいに園庭中を走り回り、友達と話し合いながら遊びを発展させています。
園は、仏教保育を取り入れていて、朝の会、帰りの会を始めとして食事や午睡前など生活の節目ごとに、子どもたちは合掌をして感謝の気持ちを表しています。幼児は正座をして礼拝をすることもあります。0歳児からの毎日の積み重ねによって子どもたちは自然に挨拶や礼儀を身に付けていて、子ども同士で自然に「ありがとう」などの挨拶を交わし合っています。また、4、5歳児は剣道、5歳児は茶道を取り入れ、子どもが経験から礼儀作法を学べるようにしています。観察時にも、友達の用意が整うまで皆で待ったり、人の前を横切ることなく自然に後ろを回るなど、思いやりや礼儀が当たり前のこととして身に付いていることが伺えました。


●保育士は、方向性を共有し、連携して保育にあたっています
保育理念、保育方針、保育目標を玄関や保育室に掲示するとともに、全職員に配付しいつでも確認できるようにしています。年度初めの職員会議で園長が周知するとともに、日常の保育の中で気になる事例があった時には、その都度議題に取り上げて話し合いをしています。
クラスの運営は保育士に任されていて、それぞれの個性や得意なことを活かした独自性のあるクラス運営を実践しています。園長、主任はクラスの様子を見て回り、園の目指す方向性と合致しているかを確認し、必要なアドバイスをし、保育士がそれぞれのカラーを活かしモチベーションをもってクラス運営ができるように後押ししています。
園内研修では、クラス交換研修を実施し、お互いの気づきを話し合い、方向性を確認しています。この取組は、自身の保育を見直す機会となるとともに、他のクラスの良い事例を学ぶ機会となっています。また、クラスの雰囲気や個々の子どもの育ちに触れることで、連携しやすい体制が出来ています。


●安全・安心な保育を実践しています
園では、健康管理、感染症対応、衛生管理、安全管理、事故対応などの各種マニュアルを整備し、毎月 2 回衛生管理に関するマニュアル内容の読み合わせをするなど、周知する仕組みを整えています。また、保育士間で連携し、日々の安全チェックをこまめに行い、事故防止に向けた意識を高めています。建物は築 40 年以上ですが、保育室の小さなでっぱりや床の切れ目などには丁寧にカバーやシールが施されていて、清潔かつ安全に管理されています。担任から主任、園長への連絡体制を整え、事故やケガについて朝の会や職員会議などで話し合い、改善に取り組んでいます。
このような取組の結果、開園から今までに大きな事故の事例はなく、安全・安心な保育が実践されています。


2.独自に取り組んでいる点
●人材育成計画や中長期計画など文書化に向けて取り組まれることが期待されます
園では保育理念や方針に沿った保育を実践するための人材育成を行っていますが、人材育成の考え方や具体的な方法、経験や能力に応じた期待水準などを文書化することはしていません。また、全職員に対する毎月の園長面談で目標設定と評価を行っているものの、文書化して目標や自己評価を保育士と共有することはしていません。バランスの良い人材構成を維持し、保育士自身が将来へのビジョンを持って自己研鑽に励んでいくためにも、文書化への取組を進めることが期待されます。また、中長期計画なども文書化されていませんので、今後の取組が期待されます。


3.工夫・改善が望まれる点 
●園の専門性を地域に還元していくことが期待されます
特別養護老人ホームと協力して地域に向けた行事等を開催していますが、園として地域の育児支援ニーズを把握し、育児支援事業を行うことはしていません。保育所保育指針にも保育園の役割として地域の子育て支援を行うことが求められています。地域住民や近隣の保育園との交流の中で最新の地域情報や子育て支援ニーズを積極的に把握し、特別養護老人ホームが行っている子育て支援活動に保育士を派遣する、週 1 回の老人ホームとの体操に地域の親子の参加を誘う、園庭解放を実施するなど、無理なく出来ることから始めていき、園の専門性を地域に還元し、地域に開いていくことが期待されます。


●保護者とのコミュニケーションを深めるためのさらなる工夫が期待されます
園は、懇談会や子育て交流会(保護者会)総会などで、保護者に園の方針を伝え保護者の意見を聞いています。年 1 回の懇談会は土曜日に開催し、保護者のほとんどが出席しています。直接口頭で伝えることを大切にし、保育士は、送迎時には保護者とコミュニケーションを取るように努め、子どもの様子はエピソードを交えて伝えています。行事後には保護者と会話をし、保護者の意見や感想を聞き取っています。
ただし、今回の保護者アンケートでは、「もっと子どもの様子を知りたい」など園との情報交換を求める声が多数寄せられています。また、園の取り組みが保護者に正しく伝わっていないのではと思われる記述も見られます。
意見を積極的に発信することのできない保護者の声を吸い上げるために年に1回はアンケート等を取る、園便りや掲示の仕方を見直し保護者のニーズに合わせた物に工夫する、個人面談期間を設けて保護者が積極的に参加しやすいようにするなど、保護者とのコミュニケーションを深めるためのさらなる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「仏教保育を主に季節毎に色々な行事を取入れ、楽しく充実した保育を行う」「園庭で園児達ものびのびと活動し、職員もきめ細かい保育を務める」保育方針は、「乳幼児に必要な生活の場を豊かに作りあげる保育と共に、仏教保育を取入れ、様々な体験を通して豊かな心、意欲、主体性が育つよう援助する」、保育目標は、「太陽と緑いっぱいの広い園庭での活動や四季折々のカリキュラムに仏教保育を取入れ、まごころの保育を心がけています」で、利用者本人を尊重したものとなっています。保育理念、保育方針、保育目標を記載したものを全職員に配布し、携帯できるようにしています。毎月、仏教保育に沿った月のねらいを定め、実践しています。
・遊びや行事の役割、持ち物、服装などで性別による区別はしていません。クラス内での順番やグループ分けなどは、男女の区別なく活動が行われています。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方はしていません。無意識に性差による固定観念で保育をしていないか、園長や主任がクラスを回った際に気付いたことを職員間で話し合い、認識するようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は基本方針や地域の実態、周囲の環境等を考慮して作成していて、子どもの最善の利益を第一にしています。年度初めの職員会議で保育課程について話し合い、必要に応じて見直しています。保護者に対しては重要事項説明書に保育計画を載せて説明してますが、保育課程そのものについての説明はしていないので、保育課程を配布し、説明することが期待されます。
・入園までの生育歴や家庭での状況は、保護者に児童生活調査書に記載してもらっています。入園説明会後に園長と保育士で親子面接を実施しています。親子面接は主に園長が行い、保育士が質問表に沿って食事や睡眠、行動など細かなことを確認し、子どもの様子を観察しています。面接の記録は回覧するとともに、職員会議でも報告し、共有しています。
・子どもたちはトマト、ナス、ピーマンの栽培で成長、収穫を体験しています。また、図鑑で調べるなど保育活動にフィードバックしています。子どもたちはじゃがいも掘りやさつまいも掘りに出かけ、地域の人と挨拶を交わしたり、園庭では道行く人と会話を交わしたりしています。園外活動に児童野外活動センターこどもの杜などに出かける他、広い園庭には桜やビワ、金木犀、イチョウなどの大きな樹木があり、セミや蝶などの昆虫が身近にいて、日常的に自然に触れる機会があります。
・子どもたちは、隣接する特別養護老人ホームの高齢者と花まつりや盆踊り、みたま祭り、おもちゃ供養、彼岸会、節分会などを一緒に行い交流しています。お寺や老人ホームに散歩に行き、一緒に体操をすることもあります。また、5 歳児クラスは、七夕飾りを一緒に作ったり、夏の食事会に招待されたりしています。
・保護者には、保育の基本方針が理解できるよう入園説明会や懇談会で説明する機会を設けています。懇談会や子育て交流会(保護者会)など保護者から直接意見を聞く機会を通して保育方針が理解されているか把握しています。毎月配布される「園だより」や「りんどうだより」に月のねらいや保育の内容などを記載し、入園時に配布する入園のしおりやホームページなどに保育の基本方針を明記しています。
・毎月「園だより」「りんどうだより」を発行して園での様子、クラスの様子、行事予定などを伝え、クラスごとの保護者懇談会でクラスの様子、保育内容、目的などをわかりやすく説明しています。見やすい場所にホワイトボードを掲示して、その日の保育の様子を保護者に伝え、園庭での様子や誕生会、クッキングなど日常の保育の様子を写真にとり、掲示するなどして子どもの園生活に関する情報を提供しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保護者の同意を得て、横浜市地域療育センターあおばと連携しています。職員は横浜市地域療育センターあおばや横浜市が主催する障害に関する研修に出席し、助言や情報を職員会議で発表し共有しています。保護者との個別面談で対応方法について話し合い、障害の特性を考慮した個別指導計画、個人記録を作成しています。複数担任制をとり、必要に応じて障害のある子どもと他の子どもとの仲立ちをしたり、個別に対応したりしています。
・アレルギー疾患のある子どもに対しては、子どものかかりつけ医が記載した「アレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、適切な対応をしています。全職員に向けてアレルギーに関する園内研修を実施しています。食物アレルギーのある子どもに対しては、毎月保護者に献立表のアレルギー食材のチェックをしてもらい、除去食を提供しています。アレルギー対応児の一覧表を事務室に掲示し、職員会議でも共有しています。除去食を提供する場合には、別盆、名札、別食器を用い、座席も配慮し誤食事故を防止しています。
第三者委員を定め、氏名と連絡先を園内の掲示と重要事項説明書で保護者に周知し、直接申し立てることができるようにしています。意見箱を幼児の出入り口に設置するとともに、保護者会全体会や懇談会でも保護者の意見を聞いています。朝夕の送迎時には、保護者とコミュニケーションをとり、保護者の意見や要望を把握しています。
・安全管理に関するマニュアルは保育中の安全対策、SIDSの予防、不審者対策、危機管理などに適切に対応しており、全職員に周知されています。地震を想定して、棚やロッカーなどは転倒防止の安全策が取られています。緊急連絡体制は事務室に備えています。毎月、火災や地震、不審者対策などについて避難訓練を実施しています。園は AED を設置し、消防署員が来園し、職員は救急救命法(AED、心肺蘇生法)の研修を受けています。
・登降園時は職員が出入り口にたち見守り、日中は施錠するなど不審者の侵入防止策を講じています。不審者に対する緊急通報体制は確立され、不審者対策の訓練を実施しています。不審者に関する情報は青葉区役所や近隣から得られるネットワークができています。
4 地域との交流・連携 ・子どもたちは児童野外活動センターこどもの杜を利用しています。子どもたちは近隣の人々と言葉を交わし、地域の畑でじゃがいも掘りやさつま芋掘りを体験し、郵便局に出かけたりします。特別養護老人ホームと花まつりや盆踊り、彼岸会、節分会などの行事を一緒に行い、5 歳児は七夕飾りを一緒に作ったり「夏の食事会」に招待されるなど交流を図っています。園は地域の行事や活動に参加できるように、こどもの杜のパンフレットや青葉区地域子育て支援拠点ラフールの活動を紹介したりしています。
・利用希望者の問い合わせに対して、主に園長が対応しており、見学については電話で案内しています。見学日時は見学希望者の都合と園の保育活動の都合と合わせて日程を調節しています。
・ボランティア・実習生の受け入れのためのマニュアルがあります。ボランティア・実習生に対して保育園の方針、利用者への配慮等をオリエンテーションで十分説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員一人一人の自己評価を基に、園の自己評価を実施しています。園の自己評価は、子どもの最善の利益の考慮、環境構成、生活と発達の連続性、養護と教育の一体的展開、家庭との連携、資質向上、社会的責任などの項目について、保育の理念や方針、保育課程に沿って行われています。また、行事後には担任が保護者から意見や感想を聞き取り、職員会議で報告し、振り返りをしています。これらの自己評価の結果から、園としての課題を明らかにし、改善に向けて取り組んでいます。園の自己評価は、クラス懇談会で掲示し保護者に公表しています。
・経営、運営状況を運営法人の新聞に掲載し、保護者に配付しています。
・園長は、横浜市私立保育園園長会、横浜市社会福祉協議会保育福祉部会、青葉区私立公立合同保育施設長会議、神奈川県社会福祉婦人懇話会、青葉区子育てネットワーク会議などの各種会議に出席し、事業運営に影響のある情報を収集、分析しています。重要な情報は主任と話し合って重点課題とし、職員会議で報告し園全体で取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の研修ニーズや希望を配慮し、園長が個別の研修計画を作成しています。園内研修としては、非常勤職員を含む全職員を対象とした嘔吐処理や食物アレルギーなどの研修のほか、担任以外のクラスに入るクラス交換研修を実施しています。職員は神奈川県や横浜市、青葉区などが主催する外部研修に参加しています。外部研修に参加した職員は研修報告書を記載するとともに、職員会議でも発表しています。園長は研修報告書に目を通し、研修成果を評価し次回の研修計画に反映しています。
・クラス交換研修を実施し、職員会議でお互いの気づきを話し合っています。保育士は他のクラスの事例を自分のクラスに取り入れたり、改善につなげたりしています。外部研修で得た良い事例を職員会議で報告し積極的に取り入れています。また、横浜市地域療育センターあおばを始めとして、剣道や英語の講師、「おはなし会」のボランティアなどから指導やアドバイスを受け、保育に活かしています。
・指導計画や日誌には自己評価の欄があり、定型化されています。計画で意図した保育のねらいと関連付けて行われています。子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの育ちや意欲、取り組む過程等についても記載されています。結果はその後の計画作成に反映されています。

詳細評価(PDF2,084KB)へリンク