かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

金沢八景YMCA保育園(2回目受審)

対象事業所名 金沢八景YMCA保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜YMCA福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0027
金沢区瀬戸23-21
tel:045-353-5130
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
運営主体は、「社会福祉法人 横浜YMCA福祉会」です。開設は2010年4月です。定員は60名で2017年10月現在72名が在籍しています。特別保育は、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育などを実施しています。施設は3階建てで、保育園は1、2階、3階は公益財団法人横浜YMCAの金沢八景YMCAが使用しています。京浜急行の金沢八景駅から徒歩で6分ほどのところにあります。
 近隣は住宅地で公園も多数あり、近くに大型のスーパーもあります。子どもたちはこういった環境のなかで伸び伸びと過ごしています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○「発達別グループ保育」「選択別グループ保育」を導入して保育を実践しています
 0〜2歳児の保育の特徴として、「発達別グループ保育」を実践しています。これは育ちの幅の違う子どもたちを考慮して、クラス型の一斉保育は行わず、発達に合わせたグループで保育を行うものです。具体的には、「ごろごろ」「はいはい」「よちよち」「とことこ」「すたすた」「ダッシュ」という6つのグループに分かれて、体の動きの準備、心の準備(〜したいという意欲)がともに整ったときに、個々に発達別グループの段階に進めていきます。ほかの子どもの成長にとらわれず、今の発達に合わせたグループに属しますので、健全な成長・発達が培われていきます。この考えや実践については保護者に文書を配付し、ていねいに説明をして理解を得られるよう取り組んでいます。
 3〜5歳児の保育も、「選択別グループ保育」を実践し、いくつかの活動を通して自分たちが選んだ活動に積極的に異年齢で取り組んでいます。

 

○プール、体育、英語など専門インストラクターのもとに3〜5歳児が取り組んでいます
 横須賀にある横浜YMCAのプールに、園バスを使って4歳児が週1回、5歳児が週2回水泳指導をインストラクターより受けています。また、3〜5歳児が月2回体育指導を横浜YMCAのインストラクターにより受けています。体操指導では、運動を起こす能力(瞬発力、筋力)、継続する能力(持久力)、調整する能力(敏捷性、巧緻性、平衡性、柔軟性)の3分野で遊びを組み立てて、育てたい力を伸ばします。具体的には、園内にあるマットや鉄棒、跳び箱、ボールなどの道具を使い、年齢に合わせたプログラムで楽しく行っています。英語遊びも月2回3〜5歳児が楽しく取り組んでいます。これも横浜YMCAのインストラクターによる指導です。英語遊びでは各年齢のプログラムが作成されています。具体的には文字や数字などを歌や絵本を通じて、段階的に言葉の数や各分野の言葉など英語の言葉を広げていくようにしています。

 

○2泊3日のキャンプをはじめ野外活動が豊富にあります
 横浜YMCA所有の富士グローバルビレッジに毎年7月と2月の年2回、5歳児が2泊3日のキャンプを行っています。夏は富士山の6合目強まで登り、噴火口の近くまで探検します。冬は雪遊びを楽しみます。このキャンプに参加し親から離れて生活することで、子どもたちは大きく成長していきます。4歳児は園内でお泊まり保育をしています。園バスを利用して出かけたり、園内でクッキングをしたりして楽しみます。さらに、4、5歳児は、園バスを利用して水族館に出かけたり、山歩きをしたりして野外体験をしています。このように、キャンプをはじめ、野外炊事、テント泊、潮干狩り、雪遊びなど近隣の森や海に行き、自然に触れる機会をできるだけ設けるようにしています。

 

《事業者が課題としている点》
 現在導入している野外活動以外にも自然体験活動(学習)をより多く取り入れ、子どもの潜在能力が湧き出るような保育を目ざし、また絵画制作活動にとらわれない、表現力を育む創作活動・そうぞう(創造・想像)遊びの充実を図りたいと考えています。そのためにも職員にはYMCA保育園の理念・方針に沿った保育を実践しつつ、今まで以上に体験学習及びアクティブラーニングが実践できるようなスキルを持たせるなどの人材育成を図っていきたいと考えています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  職員は子どもに穏やかに話しかけ、一人一人を見守りながら保育をしています。園では子どもが主体的に遊びを選び、広げていけるような保育を目ざしており、保育マニュアルの「人権を配慮した保育」では、問い詰めたり、否定したりするような言葉を使わず、問いかけたり、信じる、許す、待つなどを大切にするとしています。また子どもの人権を守るため、受け入れ(登園時)、食事、排泄、着脱、遊びなどの際の配慮を記載し、全職員が理解できるように園長や主任は話をしています。
 一人で遊びたい子どもには、可動式の棚を間仕切りにして落ち着ける場所を作り、ゆっくり遊べるように担任は配慮しています。子どもと1対1で話をする場合は、必ずほかの職員の見える場所で行い、密室にならないように注意しています。また一人で落ち着きたい子どもには予備室を使っています。
 遊びや活動、順番、グループ分け、整列などは性別で区別せず子どもに任せ、帽子はクラスカラーで分けて性別で分けることはしていません。マニュアルには「男女共同参画社会に向けて」として、色分け、表現、言葉かけなどの注意すべき点を挙げ、職員に周知し職員会議などで話し合っています。また日常的に職員は、無意識の性差による固定観念で保育をしないように確認するようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程を基に、各年齢の年間目標を決め年間指導計画を作成しています。計画は、職員や友だち、異年齢とのかかわりの中でさまざまな経験をしながら、自分たちで問題を解決したり活動を発展したりしていくように作成されています。園では0〜2歳児を発達段階で分けて月間指導計画を作成していますが、毎日の活動では固定せず、子どもが入りたいグループで過ごせるようにしています。また3〜5歳児合同の活動は計画を柔軟に変更し、その日の内容は子どもたちの意見からいくつか案を挙げたうえで、どの活動に参加するかを子ども一人一人が選んでいます。子どもの意見を尊重することを基本にして、5歳児のキャンプでは年度により寝る場所を布団やベッドやテントなど子どもの意見によって決めています。
 入園前に入園説明会と面接を行い、なるべく子どもも同伴してもらって、子どもたちの様子や家庭の状況を把握しています。入園までの生育暦や家庭での状況は児童票、食事調査票、健康調査票に記入してもらい、面接時に担当職員や主任、看護師が、子どもや保護者の状況、生活の様子や食事など保育をするうえで必要な情報を確認し、「面接記入用紙」に記録しています。そこで把握した子どもの様子や健康状態、留意すべき点などは面接終了時に全職員で確認して入園に備えています。入園1か月後にも面接を行い、園での様子や対応を保護者に伝えるとともに要望を聞いて、家庭との連携を図っています。
 0〜2歳児は発達別に少人数で過ごすようにして、ごろごろ、はいはい、よちよち、とことこ、すたすた、ダッシュの6つの発達グループを作っています。子どもたちは月齢・年齢ではなく、一人一人の体の動きや意欲が整うと次のグループに進むとともに、子どもの興味によってはその日の活動を好きなグループで行えるようにしています。保育室は仕切りを多くしてコーナーを作り、少人数で過ごしています。園では1階を0〜2歳児、2階を3〜5歳児が使用していますが、2階で過ごし始める時期も年度で分けず、子どもが行きたいと思う時期に移るようにしています。3〜5歳児は年齢で区別せず、子どもが参加したい活動に分かれて参加する形で保育を実施し、活動や給食は異年齢が混じって行っています。1、2階ともランチルーム、プレイルーム、午睡室に分け、遊びから昼食、昼食から午睡のタイミングを時間で区切るのではなく、子ども一人一人が自分のペースで過ごせるようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  短縮保育(慣らし保育)については園のしおりに記載し、入園前の面談で保護者の都合も聞き取ったうえで日程を決めています。0〜2歳児には個別の主担当の職員を決めていますが、子どもの方から好きな職員を選べるように、全ての職員がどの子どもにも対応できるようにしています。また、子どもの気持ちが安定するように家庭で使っているタオルや保護者の服などを持ち込めるようにしています。なお、特に入園時期には保護者との連携をていねいに取り、口頭や連絡帳で園での様子を細かく伝えるとともに家庭での様子を伝えてもらっています。在園児に対しては、落ち着いて過ごせるようにしばらく在園児だけで過ごすなど、細かい配慮をしています。
 園舎は2階建てですがエレベーターを設置し、段差のないバリアフリーの構造にして障がいがあっても無理なく移動することができます。健康調査表に主治医を記入してもらい、必要な場合は連携を取って、個別指導計画を職員間で話し合って作成し、障がいの特性も踏まえて、必要な環境構成、配慮など一人一人に合わせた保育を行っています。YMCAでは活動を通して「自分のいのちとみんなのいのちを大切にすること」を学ぶとしており、子どもたちにもそのように話をしながら障がいのある子どもとそうでない子どもたちがともに過ごせるようにしています。
 虐待に関するマニュアルを職員に配付し、児童虐待の種類、早期発見のためのポイント、職員の配慮などを周知しています。園では毎日の視診(健康観察)、子どもの様子や登園時の観察から、虐待の早期発見に努めています。そして虐待の疑いがある場合は、園長が南部児童相談所や金沢区福祉保健センターへ通告・相談を行い、きょうだいが在籍している学校とも連携を取って、迅速に対応をしています。また気になる様子が見られるときは保護者と面談を行って、家庭状況の把握や保護者の心理状況への理解を深めながら、信頼関係を築くとともに支援を行って、虐待の予防に努めています。
4 地域との交流・連携

 YMCA金沢八景の事務所と園が同じ施設内にあり、そこで「親子くらぶ」という名称で毎月地域の子育て支援活動を実施しています。さらに、在園児やその家族との交流保育、育児講座などは主任を中心に「グレープ倶楽部」という名称で実施しています。このような活動を通して、おむつはずしのことや離乳食などの相談も受けています。
 YMCA金沢八景の活動や保育園の各種情報(グレープ倶楽部の活動や保育園の行事、育児相談の呼びかけなど)は、園やYMCA金沢八景の掲示板などでお知らせをしています。また、金沢区の子育て支援課にも子育て支援の各種チラシを届けています。育児相談については随時受け入れている案内を掲示しています。そして、相談内容によっては面談者(保育士、看護師、栄養士など)を決めて、よりていねいに対応できる体制を整えています。なお、すでにYMCA金沢八景や保育園の活動に参加された方には、園の情報を郵送でお知らせをしています。さらに、横浜YMCAや保育園についてはホームページがありますので、そこでもわかるようになっています。
 園の地域支援の担当者は主任です。その主任を通して職員会議の中でどのような地域支援活動をしていったらよいかなど毎月話し合っています。具体的には、毎月1回の子育て支援プログラムと週1回の施設開放を行い、地域の親子に来てもらっています。さらに毎月1回、主任によるベビーマッサージの指導も実施しています。また、金沢区主催の「とことこ」(子育て支援拠点)を横浜YMCAが受託していますので、園も協働して「プレママ、プレパパ」講座を開催し、沐浴の仕方やパパの妊婦体験、抱っこの仕方など子どもが生まれたときの具体的なお世話の仕方などを年6回ほど、主任が中心となって行っています。そのほか、弁護士による法律相談やスクールカウンセラーの講演なども実施しています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性  園長は、5年先を見通した「目的と意図とゴール」「活動内容」「区、社協、自治会の協力」という柱で、それぞれ3分野9項目のもとに18の小項目を立て、活動計画と目標の数値化を設定して取り組んでいます。また、法人内で次期園長の育成も計画的に進めています。なお、社会福祉協議会をはじめ、会計士や学識経験者、他園の園長などからさまざまな視点で運営面でのアドバイスも得ています。
 園長は、重要事項のみならず些細なことでも職員や保護者の意見を聞き、必要に応じて個別に面談を行い各々の意見や要望を聞き、対応するように努めています。 なお、食に関することは栄養士や調理師と、安全教育はYMCAの職員と、健康教育は看護師と、個別支援は横浜市南部地域療育センターの職員とそれぞれ話し合い進めています。
 毎月実施している「月案会議」や「職員会議」で、保育の振り返りや評価を行い、改善に取り組むとともに、保護者には園便りを通じて、子どもの成長とそれに伴う保育の見直し(改善点や変更点)を報告し、今後に期待する姿(課題)を伝えています。半期ごとの振り返りについては、保護者懇談会の折に前半の振り返りや後期の保育計画の見直しについて説明をしています。また、職員一人一人実施している自己評価は個々の質の向上につなげ、園としての集約された自己評価になっています。
6 職員の資質向上の促進  人材の採用について、横浜YMCAの法人13園のそれぞれが必要な人材について本部に具申し、法人が一括採用をする仕組みです。採用後の職員は各園で自己申告書と自己点検表を10月ごろに園長に提出し、個々に面接をしています。自己申告書は、担当業務と課題、その改善策、YMCAにおいて経験したい仕事、また、将来どんな分野で仕事をしたいかなどを記載するようになっています。自己点検表は、私たちの使命、VISION2020、基本姿勢、共通理解、接遇など11の柱で合計60項目についてそれぞれ4段階評定をします。これらを通して個々の職員に園長や主任は適切なアドバイスを行い、人材育成に努めています。
 研修担当は主任で、研修計画は職員一人一人の希望と経験年数を勘案しながら決めています。研修はYMCA全体の研修(新人研修、職級別研修、人材交流研修、園長・主任研修など)、金沢区主催の研修、横浜市の研修、園内研修などがあります。園外の研修は研修報告書を提出するとともに、テーマによっては報告会を開催しています。園内研修は2グループに分け、一つはYMCAのミッションについて(主として地域の支援活動)、もう一つは、自分が語れること(メンタルケア的な内容)をテーマに毎月実施しています。この園内研修は常勤職員は必修、非常勤職員は希望者を対象とし、ともに参加できるようにしています。職員は年間3、4回以上研修に参加しています。このほか、近隣の保育園や幼稚園の職員を招いて公開保育も行っています。
 園長面接により、各職員に期待することを経験年数を考慮しながら個々の職員に伝えています。また、種々の係や活動の役割についても非常勤職員を含め職員の経験年数や得意分野に合わせて行っています。権限委譲についてもできるだけ個々人に判断させるように話しています。各クラスの担任はクラス内のことはできるだけ自分たちで解決するように要請しています。判断に迷ったら、チーフ、主任、園長などがサポートできる体制は整っています。職員からの意見や要望は職員会議で検討して取り入れるようにしています。

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