かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

北寺尾むつみ保育園

対象事業所名 北寺尾むつみ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 毛里田睦会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0074
鶴見区北寺尾5-7-20
tel:045-716-6853
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 北寺尾むつみ保育園は、JR京浜東北線「鶴見」駅からバスで約10分、「北寺尾」停留所から徒歩約3分の位置にある平成25年4月に開所した私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く散歩コースに恵まれています。ヨコミネ式保育を取り入れ、「自立」を目的として、子どもたちの「心の力」「学ぶ力」「体の力」を育てる保育をしています。3〜5歳児は毎日、かけっこ、読み書き、計算、音楽、体操を自ら楽しんで行っています。異年齢保育も実施して社会性や他者をいたわる気持ちをはぐくんでいます。定員は60名(0〜5歳児)、開園時間は平日7時00分〜20時00分、土曜日7時30分〜18時30分です。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○ヨコミネ式保育を取り入れ、子どもたちの自立心を育てる保育を実施しています
園では子どもの持つ可能性を最大限引き出し、将来世のため人にためになってもらいたいという願いから、ヨコミネ式保育を取り入れています。子どもの「心の力」「学びの力」「体の力」を引き出し、「自立」を育てることを目的として、3〜5歳児クラスでは、毎日午前中にワークを使用した読み書き・計算、鍵盤ハーモニカを使用した音楽、柔軟体操・逆立ち・側転・跳び箱などの体操を行っています。0〜2歳児クラスでも毎日リズム遊びや体操を行い、ヨコミネ式保育に無理なく移行できる準備をしています。子どもたちは、日々の積み重ねで少しずつできていくことが楽しく、やる気を持って取り組んでいます。配慮の必要な子どもも毎日繰り返し行うことと自分のペースで行うことができるため、力を伸ばすことができています。このように子どもたちの可能性を最大限に引き出す保育に力を入れています。

 

○研修などを通して、職員のやる気向上と保育の質の向上に努めています
 職員は日ごろよりヨコミネ式保育の研修を通して、子どもたちへの接し方を学んでいます。昨年度はそれに加え、外部より講師を招き、「保育園で働くことの意義」「子どものやる気を引き出す自己改革」「自立力を高めるプレゼンテーション」など10回にわたり人間力を高めるための研修を実施し、「そわか」(掃除、笑う、感謝)の心を学び、保護者からも明るく親切との評判を得ています。それにより、職員のやる気が向上し、保育の質の向上につながりました。今年度は職員一人一人の役割分担を明確にし、よりいっそう職員のやる気向上につなげようと努力しています。

 

○壁のない保育室が子どもだけではなく職員の育成にも良い環境となっています
 2〜5歳児のクラスは、一つの部屋を子ども用のロッカーで仕切って活用しています。子どもたちは年上の年齢の子どもたちの生活を見ることで、次の活動を予測し、期待しています。また、職員は、他クラスの理解も深まり、一人一人の子どもの様子や成長が把握できるようになっています。他クラスの様子が見えることで職員同士の協力の仕方がわかり、困ったときにはお互いにすぐに助けを求められるようになっています。また、そのことで、自然にOJTの環境ができています。経験の浅い職員は先輩職員の子どもへの対応の方法を学んだり、あるいは他の職員の言葉のつかい方に注意を向けたりと、職員同士が自然にスキルを向上できる環境にあります。

 

《事業者が課題としている点》
 保育士としての知識・技術力・人間力の向上や、さらなる地域貢献を課題としています。保育士としての知識・技術力・人間力の向上については年間のスキルアップ研修計画を作成して園内及び園外研修を通して資質向上に取り組み、地域貢献についてはこれまで以上に園行事へ地域の方々の参加を呼び掛け、地域内の社会福祉施設への訪問の機会を増やすなどして、開かれた保育園を目ざしていきたいと考えています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の保育方針は「子供たち一人ひとりのために最善の利益を」「子供たち一人ひとりのために信頼と愛情を」「子供たち一人ひとりのために地域に貢献を」です。理念に関しては「天命を果たすための根っこづくり」と考えるヨコミネ式保育を考え方の礎として、0歳児から2歳児までの保育では養護を中心に、3歳児以降はヨコミネ式の独自ワークを使った「読み・書き・計算」、体操・音楽・人との出会い・生活習慣などのカリキュラムで学んでいます。職員は入職時には園長や主任より説明を受け、年度当初に行われる園内研修でも園の保育方針・教育の実施内容を理解し、カリキュラムに沿った保育を行っています。
 朝礼や職員会議では子どもの人格について話し合い、一人一人の人格を尊重して保育をすることを心がけています。言葉づかいや呼び掛け、声のトーンについても職員同士で話し合い、子どもの年齢や発達に合わせてわかりやすい言葉を使うことを心がけています。
 子ども自身が好きなことを好きなようにできる環境づくりをしています。保育士の倫理観について研修を受けた内容を基に職員同士で話し合い、子どもに声を掛ける際に無意識に性差を植えつけることのないように話し合っています。保護者と話す際には、男性と女性の役割を固定的に捉えられるような話し方をしないようにしています。「らしさをみとめる」「ナチュラルに」「自然な役割分担を」を心がけて保育を行うようにしています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育理念で子どもの最善の利益を明確に表すとともに、基本方針は家庭の状況、周囲の環境を考慮して作成しています。年度末に年間カリキュラムを全員で見直す際に、保育課程についても検討しています。保育課程について園では年度当初の保護者説明会で説明し、理解を得ています。
 保育課程に基づき、年齢ごとに年間、月間指導計画、週案が作成されています。年間指導計画は前年度の反省をもとに作成し、月間指導計画に展開しています。職員は子どもの意見や意思を尊重するために子どもの様子をよく観察し、保護者とは連絡帳のやり取りや日ごろのコミュニケーションを通して園と家庭が連携できるようにしています。3〜5歳児は一斉活動を多く取り入れていますが、行っている内容については子ども一人一人の発達に沿ったものとなっています。職員は子どもの活動の進捗に応じて、声かけをしています。
 新入園児説明会の後、保護者面接を行っています。0歳児については個別面接を行うほか、中途入園する場合は主任、クラス担任が保護者面接を行います。面接の際には、職員は保護者と一緒にいる子どもの様子を観察しながら、ミルク、離乳食の進み具合、体質などの健康面や家庭における生活リズムについてヒアリングします。職員は入園の際に提出してもらう園児個票(生活調査票)、児童票をもとに子どもの成育歴や家庭状況を把握し職員会議で話し合って情報共有を行っています。面接時に作成するメモをもとに、必要事項を園児個票に加筆し、指導計画を作る際に参考にしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  子どもの発育や家庭の状況に合わせた、短縮保育を行うことを保護者に説明しています。また希望があれば、個別に面談を行って対応しています。期間は概ね1週間をめどとしていますが、保護者の要望に応じて、柔軟な対応を心がけています。0〜2歳児については、毎日の様子を連絡帳に細かく書いて保護者に伝え、送迎時にもできるだけ保護者に声掛けするようにしています。進級の際には、現任と新任の職員が3月中に数日間、一緒に保育を行うことで引き継ぎを行い、在園児が落ち着いて生活できるように配慮しています。
 年齢別の年間指導計画、月間指導計画、週案があり、子どもの発達や状況を的確にとらえるために、職員はグループ別に会議を行って、これらの計画を作成しています。子どもたち一人一人の目標を決めて、計画の評価を行っています。指導計画を改訂する際は、複数の職員での話し合いを行ったうえで見直しています。園では午睡については、小学校にスムーズに移行できるようにとの考えから、3歳児は10月の運動会の後から午睡を徐々になくしていき個別に対応しています。4、5歳児は午睡の時間は持たず、自由遊びの時間としています。指導計画の見直しにあたっては、年に2回実施する保護者アンケートを通じて保護者の意向を把握して反映しています。
 保育所児童保育要録を小学校に送付しています。また、園独自の書式として「個別健康記録」があります。子どもや家庭の状況、保護者の要望などの記録を基礎資料として、園で実施した身体測定や各種健診の記録を加筆したうえで、成長発達記録としています。これらの記録はクラスごとに施錠できるキャビネットで保管され、必要に応じていつでも職員が見ることができるようになっています。進級時の申し送りについては、クラス会議で話し合った結果を職員会議でまとめ、子どもの状態を話し合った後に各自がメモを残し、子どもに関する必要な情報は職員全員が共有しています。
4 地域との交流・連携  園長は、2か月に一度、地域の民生委員と打ち合わせの時間を持ち、地域の情報などを収集しています。毎月行われる職員会議では、園長が地域の民生委員と打ち合わせをした内容など、町内の情報の共有を行っています。園では一時保育を行っており、週3日の利用や月に4、5回の利用など、それぞれの家庭の事情に対応しています。利用状態によって対応を変えることはなく、久しぶりに登園する園児にも、よく様子を見ながら対応しています。予約せずに園を訪れた親子にも園庭を開放し、園児と同じ園庭で遊び、園生活を見てもらったこともあります。園長は、鶴見区主催の子育て支援イベントに参加し、園の教育方針について説明や相談を行っています。
 運動会や学習発表会を行う前には行事の案内を近隣の方の家に配布しています。案内は園長が作成し、園児の手書きのメッセージを添えています。育児相談について随時受け入れができるように園長が対応しています。園の玄関を入ってすぐのところに「子育て支援室」があり、園を利用している保護者との個別面談に利用したり、地域の子育て家庭の育児相談に応じたりするのに利用しています。園長は自身の経験を生かし、子育て全般にわたって相談に応じています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のホームページは月に一度更新をしています。ホームページでは園の紹介、教育方針、年間行事予定、園の1日の流れと行事記録として写真で活動の様子を紹介しています。園のパンフレットは地域の子育てイベントの会場や横浜市鶴見区の保育所の入所窓口に設置し、園に興味のある方に自由に持ち帰ってもらうようにしています。
 園の利用希望者から問い合わせがあれば常時対応できるようになっており、見学できることを案内しています。見学の対応は主任が行い、園のパンフレットに基づいて説明を行っています。パンフレットには理念、方針、保育目標が記載されています。また、年間行事予定も記載されており、入園後の行事を保護者が把握できるようにしています。見学の時間は見学希望者の希望に沿うようにしています。特に指定のない場合は、園児のさまざまな活動の様子を見てもらうために午前10時ごろから昼食前までの園児が活動している時間帯の見学を勧めています。園では見学者名簿を作成し、質疑応答等にも対応しています。
 非常勤も含めた全職員に「業務マニュアル」を配付しています。新人職員を対象に園の就業規則だけではなく、保育士としての心構え、接遇など、職員が守るべき法や規範、倫理の研修を行っています。職員は年2回の面談前に「職員評価表」に基づいて自己評価を行っており、その中にも「保育士である以前に、社会人としてきちんとした接客(マナー・接遇)に努めている」という項目があります。他施設での不適切な事例や行政からの通知、新聞の記事などは月1回の職員会議で周知を図り、職員の意識向上に努めています。
6 職員の資質向上の促進

 「実習生・保育ボランティア受け入れマニュアル」があります。実習生にはマニュアルに基づいてオリエンテーションを行い、園の保育方針や心得、利用者への配慮等を説明しています。また、実習生が現場で困ったときにどうしたらよいかを事前にアドバイスしています。実習は副主任が担当し、実習生には園に入る時間を変えて、さまざまな時間帯の子どもたちの活動の様子を見ることができるよう配慮しています。また、振り返りの時間を設け、最終日には園長から総評の時間を設け、園での実習が今後に生かされるようにしています。
 職員には年間を通した研修計画があります。また、年度当初は事故防止、保健衛生、危機管理などのマニュアルに沿った研修を行っています。園の保育目標でもある「学ぶ力」「体の力」「心の力」を育てるために取り入れている教育方法については随時研修を行い、どの職員も同じように指導できるように取り組んでいます。
 職員は年に2回自己評価を行っています。主任が評価を行い、園長が最終的な評価を行っています。園内研修では、より良い保育を目ざすために昨年度は外部の研修機関に依頼し、「保育人間力研修」として保育の質の向上の基礎となる「人間力」を高めることを目的とした研修を1回2時間、計10回にわたり行いました。この研修の大きなテーマは「自立」「自分軸」「人間力」の3つにあり、職員一人一人の自立心をはぐくみ、園の理念を再確認して職員の共通理解として認識することにつながりました。


 

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