かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パレット保育園 センター南(3回目)

対象事業所名 パレット保育園 センター南(3回目)
経営主体(法人等) 株式会社 理究
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0032
都筑区茅ヶ崎中央5-1 港北東急SC店内6F
tel:045-949-9211
設立年月日 2004(平成16)年11月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
パレット保育園・センター南は横浜市営地下鉄ブルーライン「センター南」駅から徒歩5分の商業施設の6階にあります。平成16年(2004年)11月に株式会社理究によって開設されました。
園は、四季を感じられる駅前の広場を通り抜けた先の商業施設にあり、屋上には見晴らしの良い園庭があり、子どもたちは自由に走り回って遊んでいます。また、夏季にはプール遊びができます。
定員は40名(生後6ヶ月過ぎから就学前まで)です。延長保育を実施していて、開園時間は7時00分〜20時00分、土曜日は7時00分〜18時00分です。

 

1.高く評価できる点  
●園全体を「大きな家族」ととらえ、理念を共有し保育を実践しています 
施設長は職員が保育を振り返ることができるよう、ことある毎に、また、年度末など機会を作って理念の読み合わせを行い、保育理念、保育方針に基づいた保育が実施できるよう心掛けています。園の自己評価は、毎日の昼礼で項目を決めて取り上げ、全職員で話し合い、子どもたちの育ちや意欲、取り組む様子や楽しめているかなどを重視して計画を作成し、評価をおこなっています。施設長は、理念を基に作成された計画が日々の保育で実施されているか、クラスを回って確認し、実例をあげて具体的に助言するなどしています。また、法人の研修は職種、経験年数に応じた研修のほか、全園研修や系列他園の視察研修など計画的に職員を育成する体制が作られており、施設長のリーダーシップのもと目指す方向性を共有して保育を実施しています。園の理念に基づき、職員は子どもたちが「大きな家族」の一員として過ごせるよう、担当クラス以外の子どもたちについても情報を共有し、子どもたち一人一人を大切に保育にあたるよう努めています。日常的に異年齢で散歩に行ったり、合同保育などで一緒に遊ぶほか、行事などでも兄弟や姉妹のように交流し、5歳児はお泊り保育で「勇気のブレスレット」を制作して、次年度にお泊り保育をする4歳児にプレゼントしています。子どもたちは、様々な体験をする中で、大きな子どもが小さな子どもを大切に思う気持ちや小さな子どもが大きな子どもに憧れを持つ気持ちを育んでいます。卒園児は、卒園後も小学校、中学校、高校の入学、卒業などの機会に保護者と一緒に来園し、成長を報告してくれています。このように園全体を「大きな家族」ととらえ、職員は理念や子どもたちへの思いを共有し保育を実践しています。
●保護者に寄り添う姿勢を大切にしています 
施設長は、入園前の面接の際、時間をかけ聞き取りを行い、保護者の不安を無くすよう配慮しています。短縮保育(慣れ保育)では、家庭の延長と考えて、子どもの様子をみながら保護者の意向を聞き、個々に対応しています。離乳食を進めるにあたっては、次のステップに行く前など離乳食が完了するまでの間に保護者と数回の面談を実施し、相談しながら進めています。また、全てのクラスで連絡ノートを用い、保護者との連絡を密にし、年2回実施される個人面談では子どもの成長に応じて目標を話し合うなど家庭と園が連携し一緒に子どもを見守るよう取り組んでいます。保護者に丁寧に対応し、働く家庭を応援する園の姿勢は、利用者家族アンケートの「職員の対応について」などの項目で高い満足度に繋がっています。
●商業施設のコミュニティの一員として積極的に関わっています 
子どもたちは、七夕など商業施設のイベントに参加して歌や大勢の人の前でダンスなどを披露し、緊張感と達成感を経験したり、散歩時には店舗従業員や警備員と日常的に挨拶や会話を交わし、施設内の広場の清掃に年長児が参加するなど商業施設に保育園があるからこそできる様々な体験をしています。また、商業施設の職員がサンタクロースや節分の鬼になって来園し交流を行うほか、ホームページのブログで園の様子などを配信し、情報を提供しています。園の職員には、入職時に配布される法人の系列園共通のウエルカムシートに商業施設のルールを加えた園独自の「南ウエルカムシート」を示して周知しており、施設長は、店長会議に出席して意見交換するなどしています。施設内の防災訓練などにも積極的に協力して参加し、災害時には他店舗が進んで協力をしてくれる体制が作られています。これらの活動により平成28年度に最優秀店舗表彰状が授与されています。

 

2.独自に取り組んでいる点 
●先進を目指した様々な取組をおこなっています 
子どもたちの元気な声で始まる「パレット学習タイム」は、法人系列園全園で本部の講師により実施されています。園はモニター園として、自園の保育士が研修を受けて講師となり、絵本・お話を題材に読み聞かせなどを本部の講師と連携し全クラスで「パレット学習タイム」を実施しています。講師となった保育士は継続的に講師のスーパーバイザーの指導、助言が受けられるシステムとなっています。園の保育士が学習タイムを担当することで子どもたちは落ち着いて取り組むことができています。また、生活の中で楽しく体を動かしながら、年齢や発達に応じて行う「運動プログラム」や4、5歳児を対象にオリジナルテキストなどを用いて行う「小学校準備プログラム」も実施しています。
法人では、月間指導計画、個別指導計画、個別支援計画、日誌などをタブレットに入力して作成するシステムを構築し、平成29年度より実施を開始しました。クラスごとにタブレットを所持し、パスワードを使用して管理しており、施設長は専用のタブレットで全クラスの情報を瞬時に確認し、助言や指導に役立てています。職員からは保育に向ける時間が増えたなどの意見もあり、前向きに捉え取り組んでいます。また、保護者の入退室記録をデータで管理するシステムを導入したり、園だより、給食だよりや給食のレシピのアプリ配信を実施するなど、先進を目指した様々な取組をおこなっています。


3.さらなる工夫・改善が望まれる点 
ヒヤリハットを活用した事故防止の取組が期待されます 
事故やケガの発生時における対応マニュアルが整備され、緊急連絡体制が確立されており、法人本部がまとめた系列園の事故報告やヒヤリハット等の情報を職員間で共有するなどして事故防止に取り組んでいます。事故が起きたときは昼礼等で速やかに報告し、事故報告書を作成して再発防止策の検討が行われていますが、今後は当園のヒヤリハットを報告、記録する仕組みを作り、場所別、時間別に事故が起きる要因を分析するなど事故を未然に防ぐさらなる取組が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は『“ひとりひとりに生きる力を!”1.ひとりひとりを「大きな家族」の一員として認め、役割を認識させ、愛情を持って育てます。2.ひとりひとりの子どもを見極め、発達段階に応じて、「感性・知性・体力を培う」三位一体のバランス保育・教育を信条として育てます。3.ひとりひとりが意欲的な生命力を発揮できるよう「自立と自尊と自律」の精神を大切に育てます。』と定め、保育の方針を『「保育所保育指針」に準じ、保育・養護の視点と発達・教育の視点で、「健康」・「人間関係」・「環境」・「言葉」・「表現」の五領域を縦断的にとらえ、子どもの成長に合わせ、子どもの力を最大限に引き出すよう努めます。』としており、子ども本人を尊重したものとなっています。
・子どもの目線でやさしく、穏やかに対応している職員の姿を確認できました。気になる言葉使いなどは、昼休みに事務室でお互いに注意したり、指導したりしています。職員は、子どもの気持ちをできるだけ聞くように努めています。一人一人の人格を尊重することの大切さを職員同士注意し合ったり、施設長やチーフが気になったときにはすぐに指導したりする体制になっています。
・遊び、持ち物、服装などは、性別で区別することはありません。グループ分けや整列なども性別に関係なくおこなっている姿がみられました。職員が父親や母親の役割を固定的に捉えた話し方をしないように意識し、子ども同士のやり取りに、役割の固定についての言葉が出たときには、性差による役割の固定観念を肯定しないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は、子どもの発達過程に沿って養護、教育などの項目のほか、年齢ごとに作成されていて、子どもの最善の利益を第一義にしています。
・保育課程に基づき、年齢ごとの指導計画を作成しています。保育士は、活動前に目的や内容などを子どもが理解できるようにわかりやすく説明し、表情やしぐさ、言葉などから子どもの意志や関心、興味をくみ取り、一人一人が考えを表現できるよう、言葉掛けしたり、励ましたりしています。
・0、1、2歳児は個別指導計画を作成しています。幼児についても特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。毎月の乳児会議、幼児会議、週1回のチーフ会議で個別のケースについて話し合い、個別指導計画の作成、評価、見直しをしています。
・保育室の棚には、お人形、ブロック、おままごと、鉄道模型や絵本などが分類して置いてあり、いつでも子どもが取り出せるようになっています。また、子どもたちの発達状況を見ながら、おもちゃの入れ替えをおこなっています。
・異年齢の子どもたちが一緒に散歩に行ったり、保育室で一緒に遊ぶ機会を多く設け、ルール遊びを通して教えたり、教えてもらったりする経験を通して、兄弟のような関係が持てるようにしています。子ども同士の喧嘩は保育士が双方の想いを充分に聞き、子どもたちがお互いの気持ちを声に出して言い、理解し合えるよう援助をしており、保育士は常にやさしく話しかけ、子どもたちを見守り、「大きな家族」の一員として過ごせるようにしています。
・天気の良い日は、積極的に散歩に出かけたり、屋上の園庭で遊んでいます。雨の日はショッピングセンターの中を散歩しています。
・給食の食材は旬の野菜を使うようにしており、沖縄料理や山梨のほうとううどんなどの郷土料理を月に2回、献立に取り入れ各地の名産を楽しんでいます。また、月に1回「物語メニュー」の日を設け、「ぐりとぐら」のカステラや「大きなかぶ」など絵本に出てくる食材やメニューを取り入れるなどの工夫をしています。
・午睡は、眠くなった子どもから順に眠れる環境を準備しています。抱っこしないと眠れない子どもは職員が抱っこして対応しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)防止の対策として、仰向けに寝かせ、0歳児は5分毎に、1歳以上は10分ごとに呼吸チェックをしています。
・排泄は、一人一人のリズムに合わせて行うようにしています。観察でも子どもたちのペースに合わせてトイレに行く姿がみられました。トイレットトレーニングは園での様子を保護者に伝え、家での様子を保護者から聞き、個々の発達の状況に合わせて連携しながらおこなっています。
・日々の子どもの様子は降園時に職員から保護者に口頭で伝えるほか、「引き継ぎ連絡表」を活用して日々の様子を伝えています。個別面談は年に2回定期的に行うほか、希望に応じて随時受け付けています。保護者懇談会は年度末に進級説明会を実施したあと、クラスごとにおこなっています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・新入園児の短縮保育(慣れ保育)は、2週間を予定していますが、一人一人の子どもの様子を見て、保育時間を保護者と相談して決めています。
・子どもや家庭の個別の状況や要望は、入園時に保護者に「園児カルテ」に記入してもらい、進級時に追記してもらいます。入園後の子どもの成長発達の様子は、毎月「成長発達記録」に記録しています。
・障害児保育については、保護者の同意を得て、横浜市北部地域療育センターや都筑区福祉保健センターの保健師から助言や情報を得ています。
・児童虐待対応マニュアルがあり、園内研修を行い職員に周知しています。虐待が明白となった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には都筑区福祉保健センターや横浜市北部児童相談所と連携する体制を整えています。
・アレルギー疾患のある子どもについては、かかりつけ医の指示を受け、適切な対応をしています。食物アレルギーのある子どもについては、医師の「保育所におけるアレルギー疾患生活管理表」を提出してもらい、事前に保護者と給食職員、施設長で献立表のアレルギー食材を確認しています。
・外国籍など文化の異なる子どもに対しては、食習慣の違い等、日本の文化や生活習慣を無理強いすることなく、考えの違いを認め尊重しています。日本語でのコミュニケーションが難しい保護者との意思疎通のために外国語の本を参考にして保育士同士で学び合い理解できる言葉を増やしていくなど努力しています。
・苦情受付対応マニュアルとして『「苦情申出窓口」の設置について』を整備し、第三者委員を交えて対応する体制を整えており、園独自で解決困難な場合は都筑区こども家庭支援課や法人本部お客様相談センターと連携して対応しています。
・健康管理マニュアルに沿って、健康管理をおこなっています。入園前に園長が保護者と個別面接を行い、既往症や気を付けるべき点について聞き、児童健康台帳に記録するとともに、職員会議で職員に周知しています。
・衛生管理に関するマニュアルがあります。毎年感染症の流行る時期の前に会議等でマニュアルの見直しをしており、嘔吐処理などの研修は毎年おこなっています。また、チェック表を用いて、掃除や玩具の消毒漏れがないようにしています。
・安全管理マニュアルがあり、会議等で内容の周知をおこなっています。地震時に備えて家具等に転倒防止ストッパー、天井の照明器具には落下防止の金網を取り付けています。入園時に配布するしおりには非常事態発生時の緊急連絡体制として一斉メール配信や携帯アドレスを使った緊急掲示板などについて記載し、説明しています。
・事故やけがが発生した際の保護者や医療機関への連絡方法を記載したフローチャートが事務室に掲示されており、速やかな対応ができる体制になっています。また、子どものけがは軽傷であっても、保護者に伝えています。事故やけがの情報は事故報告書に記録して、昼礼などで報告し、職員全員で原因、処置など再発防止について話し合い、改善策を検討、共有しています。今後はさらに、ヒヤリハット事例の報告、記録を習慣化し、より一層、事故を未然に防ぐ体制を作ることが期待されます。
4 地域との交流・連携 ・地域の子育てニーズを把握するための取組としては、子育ての悩みなどを話せる場所として「おしゃべりサロン」を企画しています。地域住民が参加しやすくするための工夫について保護者から意見や提案を聞き、開催に向けて取り組んでいます。
・園の夏まつり開催のお知らせを、商業施設のチラシ、園のブログに載せて地域住民も参加できることを知らせています。商業施設の店舗からの要望で天体望遠のイベントの際に園庭を貸し出していて、イベントのチケットは保護者にプレゼントしています。
・法人のホームページで、絵本を題材にした学習カリキュラムをおこなっていることや「大きな家族」の一員として働いている家族を応援していることなどを知らせています。空き情報や入園申し込み、入園までの流れも確認でき、「よくある質問」のページには入園準備や延長保育のことなどを載せて保護者の不安解消につなげています。
・電話などでの問い合わせには主に施設長が対応しています。問い合わせの際に、見学会の案内もしています。見学会では園内を案内し、園の保育方針の説明と入園時に必要なもの、料金等を「パレット保育園しおり・ご案内」に基づいて説明しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園の自己評価はホームページで公表しています。職員の自己評価の結果から地域交流を課題としており、改善に向けて具体的な取組等を昼礼で話し合っています。
・倫理、規定は保育ハンドブックに明文化されており、入職時に配布するウェルカムシートにも倫理、規定等、基本的ルールを記載して職員に周知しています。
・理念、保育方針は玄関に掲示しています。職員に配布している保育ハンドブックにも理念、保育方針が明記してあります。年度末の会議において、保育のハンドブックの読み合わせをして周知、理解を促しています。施設長との面談のときにも、理念、保育方針を確認し、職員自己評価においても理解度を確認する項目を設けています。
・保護者代表の運営委員、有識者、施設長で構成される運営委員会を開催しています。保育時間の延長について等、運営委員会で議題として取り上げ、意見交換をおこなっています。また、行事についても運営委員会で話し合う機会を持っています。保護者には、園だよりで目的や変更理由を説明しています。
・事業運営に影響のある情報等については、インターネットから収集するほか、法人からも情報提供があります。法人の施設長会議、エリアのウェブ会議でJアラートなど重要な情報について、話し合いをしています。施設長会議、ウェブ会議の内容は昼礼で職員に報告しています。
・法人保育事業部で中期事業計画が作成されています。パレット学習タイムの講師を園の保育士が兼務する仕組みについては、モニター園となり取り組んでいます。日々の保育の様子はブログで情報提供をしており、園だより、給食だより、連絡帳などもブログを活用して発信するなど、情報提供の方法を見直し、次代の施設運営に備えています。また、学校関係者から幼児期の教育と小学校教育の接続について、アドバイスを受けています。
6 職員の資質向上の促進

・理念、保育方針については新卒、中途入社の全ての職員を対象にした研修を実施しています。入職時に法人全園共通のウェルカムシートを配布して、法人、園の基本的事項を説明しています。また、職員は毎年3つの個人目標を立て、施設長面談で目標達成に向けての取組等についてアドバイスを受けており、年度途中と年度末に目標達成度を評価しています。

・法人の研修は職種、経験年数に応じた研修計画表があります。法人研修、園内研修ともに非常勤職員も参加することができます。外部の研修にも積極的に参加しています。また、系列の他保育園に見学に行く視察研修も実施しており、子どもの様子や環境設定、保育者の様子等、保育士の気づきにつなげています。研修報告書には、園で実施できているか等のチェック項目があり、報告書は回覧し、共有しています。
・施設長、副施設長、チーフなどの役割が期待水準として明文化されています。個別面談で職員の満足度、要望等を聞き、なるべく希望に添えるように配慮しています。行事の反省では意見や要望を出し合い、改善に向けて取り組んでいます。また、保育においても、自己評価に意見・提案を記入する欄を設けており、職員から意見・提案を言いやすい環境作りに努めています。職員ヒアリングでは「楽しみながら研修に参加できる」「働きやすい」という意見が聞かれています。

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