お菓子を通して誰もが幸せになる会社
(株)ジャルダン・シュクレ (株)ガトー・ド・ボワイヤージュ
- 分野 社会貢献 /
- エリア横浜市金沢区 /
- 推進主体 民間企業 /

本会には県全域の福祉分野の関係者が会員として参加・参画していますが、本会の活動の趣旨に賛同する民間企業も「賛助会員」として参加しています。今号では、賛助会員の(株)ジャルダン・シュクレ会長、(株)ガトー・ド・ボワイヤージュ会長の吉田三喜雄さんに防災スイーツを開発したお話を伺いました。
防災スイーツの開発経緯について教えてください
東日本大震災時、コンビニからおにぎり・カップ麵が売り切れ、残っていたのはお菓子だったので、スイーツは有事の際には敬遠されると思っていました。ですが避難所に弊社の焼き菓子を寄付したところ避難所の空気がパッと明るくなったとの話を聞き、〝お菓子のチカラ〞を痛感しました。
そこから、日持ちのするお菓子「防災スイーツ」の開発に着手し、平成29年に3年間保存可能な防災スイーツが完成しました。現在は5年6カ月保存可能な商品に改良しています。
令和元年の房総半島台風の際には千葉県鋸南町の避難所に防災スイーツを寄贈しましたが、アレルギーを持つ子どもたちは食べられなかったことを後で知りました。避難所には医者も薬もないため、安心・安全なものを届けなければなりません。誰もが安心して食べられるアレルゲンフリーの防災スイーツの開発に着手し、翌年12月に完成させました。

防災スイーツは全4種。パッケージは密閉可能のため、水の一時保管にも利用できる
お菓子を通して社会貢献活動に取り組む思いをお聞かせください
弊社には「社会に必要とされる企業になろう」という企業方針があります。祖父から「社会に必要なものを作っていたら、世の中がお菓子を通して良くなってくるよ」と聞かされていました。同業者からは、利益にならないだろうと言われることもありますが、アレルゲンフリーの防災スイーツを開発した時に、祖父の言葉の意味を実感しました。お菓子屋さんとしてできることは何かを考え、社会が必要とするものを作る。そこに答えがあるんじゃないかと思うんですよね。
ほかに企業として取り組んでいる活動はありますか
現在、弊社では、障害のある人や65歳以上の人など多様な人材が働いています。できる限り、一般の社員と同じ仕事をしてもらい、給料も他の社員との差はありません。企業側として、区別や差別をしないことを大切にしています。
また、弊社には定年制度がないので、いつまで働くかは自分で決めてもらっています。社員が生き生きと仕事をしていけるよう働きやすい環境を整えることは企業の役割です。
今後の取り組みについてお聞かせください
冷凍ケーキの開発に力を入れています。これからはドローンで物を運べる時代になるので、その技術でどこにでもお菓子を届けられるようにしたいと思っています。冷凍だと長持ちするのでフードロス削減にも貢献できます。
また、防災スイーツの梱包資材を水に浮く段ボールに変えて、暗闇の中でも目立つような塗料を使って段ボールの表面に「防災スイーツ」と印刷できるようにしたいと思っています。
自分が災害や危機的状況に陥った時のことを想像するとアイデアが湧いてきます。今後も社会に必要とされるものを創っていきます。(総務課)

「動物性素材を使わないヴィーガン食品は環境にやさしく、食の制限がある方も楽しめるので、弊社の商品を日本のスイーツとして海外へ発信したい」と吉田会長。柔らかく丁寧なお話ぶりの中に、お菓子を通じたよりよい社会創りへの情熱と信念を感じました