「みまもる」ということ
綾瀬市寺尾地区民生委員児童委員協議会 会長 二ノ宮要子さん
- 分野 地域 /
- エリア綾瀬市 /
- 推進主体 民生委員・児童委員 /
私たちの住む地域には、同じ住民としての目線を大切に、高齢者や障がいのある方の見守り、子どもたちへの声かけのほか、子育ての不安や生活上の心配ごとなどを聞き、必要に応じて専門機関等への「つなぎ役」を担う民生委員・児童委員(以下、民生委員)がいます。
今回は、綾瀬市寺尾地区で民生委員活動11期目(33年目)を迎え、会長を務める二ノ宮要子さんに、活動のやりがいや魅力についてお話を伺いました。
主任児童委員制度創設時に就任
民生委員は名前のとおり児童委員も兼ねていますが、少子高齢化や児童虐待などを背景に、平成6年に児童福祉に関する支援を専門に担当する「主任児童委員制度」が創設されました。
制度創設時に委嘱を受けた二ノ宮さんは、民生委員としての経験もありませんでした。「主任児童委員としての活動は前例や土台がなく、何をしたらよいか分からなかった」と当時を振り返ります。
手探りの中でも、同期委員と密に連携しながら、地域の乳幼児健診を手伝うなど、できることから少しずつ取り組んでいきました。当時、共に歩みを進めた同期委員とは、今でも定期的に顔を合わせるなど、試行錯誤の日々を乗り越えてきた深い絆で結ばれています。
自分らしさを生かした民生委員活動
高校卒業後はバスガイドや結婚式の司会者などの仕事に就き、そこで培ったさまざまな経験は住民との会話の引き出しとなり、訪問活動にも生かされています。
また、大きな声であいさつをすることや笑顔を意識し、民生委員活動を通して出会う人、さらにはそこからのつながりを大事にしています。
それは、例えば、住民への年賀状に手書きで一言コメントを必ず添えるなど、手間を惜しまず、一人ひとりに心を寄せたこうした取り組みが、住民とのつながりを育んでいます。
続けながら見つける「みまもりかた」
二ノ宮さんが地区民児協の会長となってから、変わらず続けている取り組みの一つに〝手縫い雑巾の配布〟があります。民生委員が役割分担し、ひとつの雑巾を丁寧に縫っていきます。「雑巾は買うこともできるけど、手縫い雑巾をお渡しすることで、住民の方が手にした時の気持ちが違うと思っています」と約18年続けてきた想いを語ります。
民生委員活動は、訪問活動における「見守り」が基本となりますが、「みまもりかた」は人それぞれであり、少しずつ自分のやり方を見つけていくことができることも、魅力の一つとのこと。
決して真っすぐとは言い難い手縫い雑巾の糸の列から、言葉だけでは伝えることのできない人の優しさやあたたかさが伝わり、暮らしにそっと寄り添う、そんな「みまもり」の形を大事にしています。
「私は委員会活動そのものに楽しさを求めるものではないと考えています。しかしながら、続けていくことによって、楽しさややりがいが生まれ、自分にとっての財産になっています」―民生委員として背筋を伸ばすことを常に意識していると話す二ノ宮さんの立ち姿からは、一歩ずつ積み上げてきた民生委員活動への誇りと自信が感じられました。

①凛とした姿勢からは、33年という年月をかけて積み上げられた自信や、周囲に安心感を与える人柄を感じた

②会長として大事にしていることは「皆が明るくなる雰囲気づくり」と笑顔で話す二ノ宮さん


③④委員で手分けして雑巾を縫う作業は、委員同士のつながりづくりにもなっている。完成後は想いを込めてリボンを結び、住民へ届けている

⑤「長い時間をかけることで、住民の方と関係性をつくることができる。活動の中で辛い経験をするかもしれないが、諦めないでほしい」と期の浅い委員へのメッセージを熱く伝える
5月12日は民生委員・児童委員の日
民生委員制度は、第一次世界大戦末期、大正6(1917)年5月12日に防貧対策として岡山県で創設された済世顧問制度が源になっています。
全国民生委員児童委員連合会では、この制度が公布された5月12日を「民生委員・児童委員の日」と定めました。
