神奈川県社協について
事業計画・予算
令和8年度 神奈川県社会福祉協議会事業推進方針
令和8年度は、現役世代が急減し85歳以上の人口がピークを迎える2040年を見据えた社会福祉法の改正が行われます。
改正の柱の一つとされる「頼れる身寄りがいない高齢者等の対応」では、入院・入所手続きや死後事務といったこれまで家族が担ってきた役割を社会全体で支えるものとして、法律への位置づけが予定されています。
また、能登半島地震等の教訓を踏まえ、災害関連死を防ぐため、発災直後か避難所や在宅の要援護者を支援するための福祉サービスが提供されるよう、災害福祉派遣チーム(DWAT)の法制化も進められます。
このように、地域共生社会の深化に向けた法改正が行われる中、神奈川県では、津久井やまゆり園事件から10年を受けた「ともいき」社会実現に向けた取り組みや、災害に強い神奈川を目指した災害対策の推進等が予定されています。
本会は、これらの国や県の動きを捉えながら、制度の狭間にある課題に対し、関係者の皆様との連携・協働のもと県民一人ひとりに寄り添う「包括的な支援体制の構築」を目指して、本会活動推進計画(令和6年度~令和10年度)に沿った次の取り組みを進めてまいります。
推進の柱
推進の柱Ⅰ 地域での支え合いの推進
1 多様な主体と進める地域福祉活動の推進
- 「包括的支援体制及び重層的支援体制構築支援事業」や「ケアラー支援事業」などの事業により、地域福祉の要となる民生委員児童委員を始めとした多様な主体とともに、市町村域における包括的な支援体制づくりを進めます。
- 社協に特化した「採用情報・魅力発信ポータルサイト」を運営し、社協の仕事の魅力の発信や、就職を考えている学生等へのダイレクトメールによる採用情報の配信等を通して、県全体で学生等を受けとめる体制を構築し、社協人材の計画的、安定的な採用を促進します。
- 令和9年(2027年)に民生委員制度が110周年を迎えます。地域での支えあい活動の担い手を増やすことが必要となる中、民生員活動のやりがいや魅力、仕事、子育てや介護をしながら活動していくための工夫等を発信します。
- 「ともに生きる社会づくり」の理念のもと、障害のある人の社会参加を進める「ともしびショップ」への支援、ボランティア団体等との協働による地域福祉の課題に対応します。また、世代を超え、支えあいの心が育まれるよう、市町村社協と連携して福祉教育を推進します。
- 企業の社会貢献活動と協働した事業実施や、寄附を通じて把握した社会貢献活動事例の発信・普及を図ることで、地域福祉の推進主体を広げます。
2 自立した生活を地域で支える取り組みの推進
- 親族に頼れないなど、身寄りのない人が最期まで尊厳をもって地域で暮らすことができるよう、市町村社協と連携して身元保証・終活支援の取組を進めます。特に、身寄りのない高齢者等を支援対象に加える「日常生活自立支援事業の拡充・発展」(国の制度改正)への対応を進めるとともに、先行的な取組として、身寄りのない高齢者等の課題に対応した日常生活自立支援事業の試行的事業や、相談支援体制整備(市町村社協職員への研修等)に取り組みます。
- 成年後見制度の利用促進に係る事業を通じて、地域での権利擁護の体制づくりに取り組むとともに、利用者の意思決定支援に向けて関係者への研修を実施します。
- 権利擁護の担い手となる市民後見人の養成等に市町村社協と連携して取り組むとともに、今後に向けた市民後見人等担い手育成について検討を行います。
- 生活福祉資金貸付制度によるコロナ特例貸付の借受世帯に対し、マイページやSMS等の多様なアプローチ手法を活用しながら、市町村社協と協働してフォローアップ支援を進めるなど、生活再建に向けた活動を行います。
- 何らかの困りごとを抱える住民が身近な地域で、自分らしく生活するための支援体制の構築を図るため、生活困窮者自立支援事業のこれまでの相談事例を振り返り、個別支援から地域づくりの展開の可能性について整理します。
- 「かながわライフサポート事業」のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)が活動しやすい環境づくりに向けて、CSW同士の情報交換の場を作ります。また、事業参加法人の地域での公益的取組が促進されるよう、生活が困難な方への総合相談に続く新たな実施メニューの検討を行います。
3 災害福祉支援活動の推進
- 市町村社協(災害ボランティアセンター)、神奈川DWAT等が連携した支援体制に向けて常設型災害福祉の推進機関「かながわ災害福祉支援センター(仮称)」の設置に向けた準備を行います。
- 災害時のボランティア活動の環境整備に向けて、市町村社協部会において市町村社協災害ボランティアセンター等の災害支援業務に係る必要備品の一部を整備します。
推進の柱Ⅱ 福祉サービスの充実
1 社会福祉法人・施設の活動促進
- 経営支援事業や各種会議・研修会等を通して、社会福祉法人等の経営基盤の強化を図ります。
- 「地域ネットワーク強化事業」の活用促進に向けて、これまで助成を受けた各地域の事例等を収集、HP等により発信し、県下への普及を図ります。
- 「第23回かながわ高齢者福祉研究大会」(令和9年度開催)について、令和7年度に引き続き検討・準備を行います。また、高齢者福祉施設PR委員会の活動として、県老人福祉施設協議会のHPの内容を拡充させ、会員施設及び大学生等の取材により県内の高齢者福祉施設に関する情報等を発信します。
- 障害者グループホームの質向上に向けた第三者評価の受審促進を図るため、障害者グループホームを対象に説明会を実施します。
2 利用者の権利擁護
- 成年後見制度の利用促進に係る事業を通じて、地域での権利擁護の体制づくりに取り組むとともに、利用者の意思決定支援に向けて関係者への研修を実施します。(再掲)
- 福祉サービスの質向上に向けて、福祉サービス事業者の苦情解決体制整備の状況について調査を実施し、調査結果を、事業所が利用者の苦情に適切に対応できるよう、助言、支援に活用します。
推進の柱Ⅲ 福祉人材の確保・育成・定着の推進
1 福祉人材の確保
- 経営者部会・施設部会と福祉人材センターの連携により、人材確保に関する好事例などの情報発信を行い、福祉人材の確保を図ります。
- 就職相談会などの求職者と求人事業者が直接出会う多様な機会を作り、適切なマッチングにつなげます。また、横浜だけでなく他の市町村での地域展開を進めます。
- 潜在介護福祉士など有資格者へのアプローチを強化し、個々人に合わせた再就職支援を進めます。
- 介護職の負担軽減など介護職の働く環境整備と併せて、介護助手の普及に関する活動を行います。
- 人材確保・定着支援に関する需要調査を通じて、法人、施設・事業所の課題を把握し、人材確保の方針の反映などにつなげます。
- ハローワーク、職能団体や介護人材養成施設など関係団体と課題を共有し、人材確保に関する情報の収集・提供を行います。
- セカンドキャリアなど、より多くの人が福祉の仕事に就くことを考えることができるよう、福祉の仕事の理解促進に取り組みます。
- 保育士・保育所支援センターが令和7年10月施行の改正児童福祉法により法定化されました。本会が5県市の共同委託により設置している「かながわ保育士・保育所支援センター」では、保育士の仕事の魅力を社会に発信し、様々な事業で保育現場から離れている潜在保育士等への就職支援をはじめ、求職者が保育に興味を持ったきっかけや就職に向かう動機に寄り添った就労支援に取り組みます。
- 各種貸付事業を通じて、福祉・介護・保育に関する資格取得支援並びに有資格者の福祉施設等への就労支援を行います。
2 福祉事業従事者の育成
- 福祉人材の専門性の向上にむけて、法人・事業所との連携を図り、研修実施機関としての研修体系を整備します。また、職場において、職員育成・支援の仕組みが強化されるための研修に取り組みます。
推進の柱Ⅳ 県社協活動基盤の充実
1 課題共有の促進と提言
- 各部会・協議会・連絡会の活動や政策提言活動を通じて把握した社会的孤立などの地域福祉の課題に対して、関係機関と協働しながら、広域機関としての役割を発揮し、課題解決に向けた活動を進めます。
- 活動推進計画の進行管理において、社会福祉との関連領域の機関・団体等と意見交換を行い、地域福祉を推進する広域的な役割を確認しながら、計画的に事業を実施します。
2 組織・活動基盤の整備
- 法令等に基づいた各種認証制度を取得(女性活躍推進法・えるぼし認定、次世代育成支援対策推進法・くるみん認定、かながわ治療と仕事の両立推進企業認定)し、職員が働きやすい職場環境の整備を図ります。
- 地域福祉を推進する県域機関の社会的責務として、社会福祉士実習受入の環境整備、具体的な実習受入を通じて、「地域共生社会の実現に必要な体制構築を担う」ソーシャルワーカーの確保・育成を図ります。