福祉タイムズ
Vol.885(2025年8月号)
このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.885(2025年8月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。
テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.885 2025年8月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
P1
福祉タイムズふくしTIMES
2025.8 vol.885
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
Contents
特集 P2 生活困窮者支援の現場における“ペット”の問題 命ある“家族の一員”だからこそ生まれる支援の難しさ
NEWS&TOPICS P4 福祉的ニーズを持つ子どもへの食支援の可能性を探って 認定NPO法人フリースペースたまりば
P5 2025年は国際協同組合年 神奈川県生活協同組合連合会
新連載 子ども・若者の居場所 P8 「寄り添わない支援」のカタチ 認定NPO法人第3の家族
県社協のひろば P10 乳児院が担う「予防」という新たな機能 -第59回関東ブロック乳児院研究協議会
今月の表紙
特別養護老人ホームさくらの里山科で暮らす佐々木幸さんと、犬の文福(ぶんぷく)くん。
さくらの里山科では、利用者が自身のペットや施設で暮らす犬や猫と一緒に入居ができる取り組みを続けている。詳しくは12面へ→(撮影:菊地史)
P2
特集
生活困窮者支援の現場における“ペット”の問題
命ある“家族の一員”だからこそ生まれる支援の難しさ
2021年3月、環境省から「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて~」が発行されましたが、このガイドラインを認識している福祉関係者はどのくらいいるでしょうか。
「多頭飼育」だけではなく、支援の現場ではたとえ一匹であっても大きな課題となることもあります。相談者の生活課題の解決には、ペットとの関係性を踏まえた寄り添った相談支援を求められることが少なくありません。
今回は、経済的困窮や社会的孤立等の背景とペットが関連した相談支援の事例から、既存の社会資源では解決が難しい課題について考えます。
本会で何らかの困りごとを抱える方々からの相談を受け始めて、10年が経過しています。生活困窮者自立相談支援事業として県からの委託を受け、県内14町村を対象にさまざまな相談に対応してきました。時には相談者の命にかかわるようなものもありましたが、今回はペットが関係している事案を振り返ってみたいと思います。
ペット飼育に関する困りごとを考えると、多頭飼育による住環境悪化が思い浮かぶかもしれませんが、多頭飼育によらず、ペットのことを主訴とした相談が多いという訳ではありません。しかし、相談者の困りごとのひとつとして、時にペットに関する課題が大きくなることがあります。「ペットのエサ代、病院治療費が嵩み、借り入れをしてしまい返済が出来なくなり、生活費も枯渇してしまった」「引っ越しを考えているがペット飼育可能物件は条件のハードルが高く借りられない」「病気で入院するように言われたが、お金もかかるし、ペットを預けるところがない」「ペットの療養食が買えない」など、その内容はさまざまです。
ペットを飼い始めたきっかけは人それぞれですが、どの相談者もペットを大切な「家族の一員」として考えています。
ペットは、民法上は有体物「動産」として扱われますが、机や椅子と同一の「モノ」として捉えられているわけではありません。動物愛護法では「命あるものである」と記されています。「命あるもの」を飼育している相談者に対して安易に「解決するためにペットと別れて暮らしましょう」とは提案できません。だからこそ、私たち相談員はペットとの暮らしをどのようにしていきたいのか、相談者とともに考える姿勢を大切にしています。
やっぱり猫と暮らしたい
ある相談者Aさんの事例をご紹介します。Aさんは実家で母と兄との3人暮らしでした。兄との関係が悪く、時に警察沙汰に発展してしまうことがあり、家を出ることを望んでおり、家探しの相談に乗ってもらえないかということでした。
初回面談の時のAさんは控えめでありながらも、父親が亡くなった直後に、父親が大切にしていた花壇の傍らに毎日のように現れた猫に特別な思いを抱いており、大切な自分の家族として一緒に暮らしていくことを希望しました。Aさんは障害年金での生活と、状況により生活保護申請も考えていました。一方、一人暮らしでペット飼育が可能な物件は予算的に限られており、短期間では、本人の希望に合う物件はなかなか見つけられませんでした。結果的にAさんは転居を優先し、猫は自身が転居先から実家に通って世話をするとして、一人暮らしを始めました。
しかし、母親が施設に入ることになり、兄だけになった実家には猫をそのまま置いてはおけないと、転居先のアパートに連れてきてしまったのでした。Aさんは動物を飼えないアパートのルールを守っていない後ろめたさから、なかなか相談員に話すことが出来なかったようですが、ある日、猫のことを打ち明けてくれました。
相談員はAさんと不動産会社に事情を説明し、次の物件が見つかるまでと約束し、ペット飼育可能なところへの至急の転居を支援しました。今は無事に大切な家族である猫と暮らすことが出来ています。
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亡き妻が大切にした犬と亀
次に、Bさんの事例をご紹介します。Bさんは、年金暮らしをしていますが、少しでも預貯金を減らさないようにと仕事の再開も考え、支出を抑えるために今より家賃が安価な住居への転居も視野に入れて生活をしています。
Bさんの妻は他界していますが、生前、闘病生活中に「生きる支え」と考えて飼育を始めた犬と亀がいるため、その行く末が悩みの一つとなっています。Bさんはペットを飼育した経験もなく、手探り状態で世話をしていますが、犬には時々嚙まれるなどのアクシデントがあり、なかなか懐かず、散歩に連れ出すことも出来ずにいます。飼育環境も悩ましい状況の中、狂犬病の予防接種も出来ておらず、動物病院に連れて行く費用の問題があり、重い腰が上がらずにいます。
また、亀は特定外来種で、40年近く生きることもあり、この先、自分に万が一何かあった時のことを考え、引き取り手を探すなどの対応を考えています。
一時的に犬を預けられないか
続けて、Cさんの事例をご紹介します。他県で派遣就労をしていたCさんは、離職に伴い会社の借り上げ住宅を退去しました。その後Cさんは、一緒に暮らしていた小型犬と車で移動し、夜は公共の駐車場等で車中泊していましたが、所持金も少なくなり、この生活をどうにかしたいと思い本会に相談がありました。話を聞いた相談員は、現状からCさんの生活再建のためには生活保護を受給することが適切と考え、生活保護申請の相談につなぎました。しかし、すぐに住まいを確保することは難しく、さらに車中泊を続けるのも限界があることから、しばらくは大切な犬と別れて暮らす必要があり、相談員はその対応に頭を悩ませることになりました。
まずは保健所に一時預かりについて相談しましたが、対応していないと言われ、思い付く限りの関係先に問い合わせ、情報収集に努めました。その中で「神奈川県動物愛護推進員」を知り、一縷の望みをかけて連絡を入れてみました。その結果「すぐには無理だが数日後であれば一時預かりが可能」との返事をもらうことができたのです。
〈写真〉
県動物愛護推進員チラシ
詳細は県HPで
〈写真終わり〉
預け先が見つかり安心したものの、数日の間をどうするかは引き続きの課題となりました。さまざまな方法を検討しましたが、結果として相談員自らが、自宅の飼い犬と一緒にCさんの大切な家族である犬を預かることで急場をしのぐことにしました。
今回の一時預かり対応は、本会相談機関として、非常に難しく慎重な決断が要されました。「命あるもの」を預かることは、動物愛護や善意だけでは成り立つものではないということも痛感しました。今後も同様な支援が出来るか考えた際には、現状として難しいことが想定されます。
ペットに関連する困りごととして「動物に関する相談に乗ってくれるNPOなどにつなぐ」と整理しがちではありますが、見方を変えれば「現在の福祉サービス・制度の中では解決できない、制度の狭間にある社会福祉の課題」として考える必要も出てきていると思えた事例です。
「ペットは家族」
ひと昔前は、家に入ってくる不審者に吠える「番犬」やネズミをとってきてくれる猫というように、何らかの役割があった犬や猫ですが「ペットは家族」という考えが社会に広まり始めています。
ペットを飼育することで、孤独感が軽減され幸福感が高まる、人と人の間をつなぐ、人との関係を円滑にする、散歩に行くことで健康につながる等の効果があると言われています。特に孤独・孤立の軽減につながるといった効果から、高齢の親にペットを贈るなどの話も聞かれることがあります。
犬・猫の寿命は10年から15年とされており、生涯にかかる飼育費用は約百万円とも言われます。「命あるもの」と暮らす以上、突然の事故や災害、何か起こった時の預け先や災害への備えなどを考えて準備をする責任があることを忘れてはならないものですが、相談者と話していると、そこまでのことを考えてペットと暮らしている方はあまり多くはないように感じます。
県では、令和7年度から「不適正な犬猫の多頭飼育を未然に防止するための動物愛護管理部局と福祉部局の効果的な連携体制に係る検討会」を設置し、犬猫の飼育に関する対応の現状や課題についての議論を進めます。福祉関係者が動物に関する困りごとや分からないことを気軽に相談できる「ペットリエゾン(仮称)」の運用なども検討される見込みです。
相談支援で相談者宅のペットを目の前にした時に、一緒に考えてくれる社会的なしくみが早急に構築されることを期待しつつ、相談者の大切な家族の一員であるペットに関する課題について引き続き考え、相談支援に取り組んでまいります。(地域課)
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NEWS&TOPICS
福祉的ニーズを持つ子どもへの食支援の可能性を探って-県社協との協働モデル助成事業の中間報告
● 地域の食支援から生まれた課題意識
当団体は、34年前から、学校や地域に居場所を見出せない子どもたち、若者たち、その家族と共に居場所づくりに取り組んできました。その拠点の一つ、川崎市子ども夢パークは、コロナ禍でも閉所することなく、その門を開け続けました。未曾有の状況の中、訪れる人から聞こえてきたSOSの一つが、「食」にも困るほどの経済的困難でした。
こうした声を受け、新たに「食」でつながる地域の居場所「コミュニティスペースえんくる」を開所しました。開所すると口コミで利用者が増え、食料を取りにいらっしゃる方々を中心に日々顔を合わせるうちに、深刻な生活状況をお聞きすることが多くなってきました。専門機関や行政の窓口につなぐような、あるいはどこかとつながってはいるものの解決しない多様な課題を抱える複雑な状況にある方々への支援をせざるを得ない状況が生まれてきました。しかし、じきに行政でも支援の難しい包括的・重層的支援が必要な世帯を、民間の自主事業で寄付や助成金を基に支えていくのは、不可能だと感じるようになりました。
そんな折、神奈川県社会福祉協議会(以下、県社協)の地域福祉活動支援事業(協働モデル助成)に、「福祉的ニーズを抱える子どもたちへの食支援」というテーマで募集がありました。テーマも、そして地域全体で子どもを支えることを考えるのに社協がパートナーであることも、私たちの課題意識にピッタリのように思われ、応募することにしました。
●「裏メニュー」の初調査
その後、無事に3年間の協働モデル事業に採択されました。私たちの提案は、地域の食支援の現場の立場から、実践を土台に調査を行い、食支援の可能性を探っていくことでした。初年度の令和5年度は、当団体の食支援利用者の分析と、県内の概況をつかむウェブ調査を行うことにしました。
本事業では、3人の専門家の方に調査検討委員をお願いしました。社会福祉が専門の長谷川俊雄さん(白梅学園大学名誉教授)、新保美香さん(明治学院大学教授)、そして長く行政・民間両方の立場から市民活動に関わってこられた椎野修平さん(日本NPOセンター特別研究員)です。初めての検討委員会では、県社協の担当者にも参加いただき、私たちの課題意識、実際にいらしている食支援利用者の分析結果などを報告し、議論をしました。その中で、こども食堂等食支援が表に掲げている看板やメニューに対して、SOSをキャッチして支援につなげることを「裏メニュー」と呼び、今回の調査はこの裏メニューのありようの概況をつかむことを目的としました。
調査を実施して分かったのは、子どものSOSをキャッチしているか否かは、SOSに応える専門職等の配置や相談体制があるかどうかではなく、開所の頻度に関係がありました。支援については、多くの団体が行政や社協などの困った時の連携先があると回答した一方、自由記述欄には、子どもたちや親たちの深刻な状況と合わせ、さまざまな連携上の課題が記されていました。元々、多くの食支援団体は、民間の自主的な地域活動です。地域の支え合い以上の深刻な問題を、地域で官民、社協が連携しながらどう支えていけるのか、翌年への課題となりました。
● 福祉的ニーズを軸とした食支援の見取り図
令和6年度の事業では「裏メニュー」のあり方を明らかにするためにインタビュー調査を行い、食支援自体がどんな可能性を持つか、また「裏メニュー」である専門機関や行政等との連携、地域の体制全体がどうあるべきか、示唆を得ていくことを目指しました。調査検討委員会での議論を通じ、最終的に全国29団体延べ55名の方に話をお聞きすることができました。図1は、本調査の主要な成果の一つです。
調査協力団体の中には、重篤な状況のヤングケアラーをはじめ、多様な福祉的ニーズを抱える子どもと出会い、自前で「裏メニュー」を持っている団体も、貧困世帯等特定の層を対象として想定していない活動で福祉的ニーズを含む課題とは出会っていない「ユニバーサル型」の団体もいました。こうした両極の団体がいることは、これまでも語られてきましたが、調査を進めるうちに見えてきたのは、困難層に配慮する工夫や行政・社協との連携のうえで、困難層にもリーチできている両者の「中間型」の存在でした。
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中間型を広げていくことで、福祉的ニーズを抱える子どもたちへの「裏メニュー」を持った団体が地域に増えるのではないかと期待が持てました。今後は、団体側の配慮の工夫をわかりやすく伝えていくこと、そして「裏メニュー」が機能する地域のあり方を行政・社協・中間支援団体等に提言していくことの両輪が必要です。本事業の最終年度となる今年度は、そこに取り組んでいければと思っています。(フリースペースたまりば)
〈図〉
(図1)福祉的ニーズを持つ子どもへの食支援見取り図
〈図終わり〉
〈QR2点〉
本調査レポートHPにて公開中
協働モデル助成事業詳細
〈QR2点終わり〉
〈囲み〉
認定NPO法人 フリースペース
たまりば Since1991
〒211-0044 川崎市中原区新城2-4-1 セシーズイシイ2 401号室
〈囲み終わり〉
2025年は国際協同組合年〜助け合いの精神でより良い社会へ〜
国連は2012年に続き2025年を2回目の「国際協同組合年」に制定しました。同一の国際年が2回も制定されることは極めて異例なことです。理由として2030年までに持続可能な開発目標(SDGs)を進める上で、協同組合が果たす役割の大きさを国連が認めていることが挙げられます。
協同組合は、持続可能な生産と消費、食料安全保障、気候変動対策、地域の人々への医療・福祉の提供、働き甲斐のある人間らしい仕事の創出、すべての人が参加できる社会づくりなど、さまざまな分野でSDGsに貢献しています。
県内では、農業協同組合・生活協同組合・森林組合・漁業協同組合が各地域で事業活動を行っています。その中で、86の協同組合、関係団体が加盟している「神奈川県協同組合連絡協議会」、通称「かながわCo-ネット」という組織があります。
昨年より「かながわCo-ネット」が中心となって、国際協同組合年神奈川県実行委員会を立ち上げ取り組みを検討してきました。主な取り組みは三つです。
一つ目は、国際協同組合年と県内の協同組合の認知向上です。国際協同組合年のロゴや広報資材を使い広く周知を図っていきます。
二つ目は、協同組合の意義や地域で果たす役割の理解促進と交流を目的とした「相互学習会」の開催です。
三つ目は、「イベントの開催」です。毎年開催している「かながわ協同組合のつどい」を「国際協同組合年イベント」と位置づけて、10月6日に横浜市開港記念会館で開催します。一般の方々が「参加してみようかな」と思っていただける企画をご用意してお待ちしております。これを機会に県内の協同組合を知っていただければと思います。(神奈川県生活協同組合連合会)
〈QR2点〉
2025国際協同組合年実行委員会HP
県生協連HP
〈QR2点終わり〉
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福祉のうごき 2025.6.26〜7.25
県 保育士等の業務補助を行う「キッズサポーター派遣事業」開始
県は6月27日、保育士の確保や負担軽減等を図ることを目的に、高校生以上を対象に、保育士等の業務を補助する「キッズサポーター」として募集し、保育の現場を体験・実習する機会を提供する事業を開始した。体験後に、サポーターと受入施設双方の「働きたい・働いてほしい」ニーズが合致した場合は、継続的な雇用につながるよう働きかける。
最高裁 生活保護費の引き下げに、違法の判決
最高裁は6月27日、2013年から3回に分けて実施された生活扶助基準の引下げに係る保護費減額処分の取り消し等を求めた訴訟の上告審において、国の違法性を認め、保護費の減額処分を取り消す判決を出した。生活保護費の基準額改定を巡り、最高裁が国の判断を違法とするのは初めて。
厚労省 地域共生社会の実現に向けた研修教材を公表
厚労省は6月30日、地域共生社会の実現に向けた研修(ともいき研修)を開発し、厚労省HPに研修教材、講師手引書、研修中に視聴するオリジナル動画等を公表した。研修会は誰でも開催することができ、地域住民や社員、学生等を対象に幅広く活用できる内容となっている。
厚労省 災害対応の強化に向けて、医療福祉関係団体との連絡会議を開催
厚労省は7月2日、令和6年能登半島地震における災害対応の教訓を踏まえ、保健・医療・福祉等の各分野において、体制・連携面を強化するために「災害対応に係る保健福祉関係団体連絡会議」を開催した。平時から保健医療福祉活動チーム間で合同訓練・研修を通じて、災害対応の共通認識の醸成を図り、対応の迅速化や標準化などの体制強化を目指す。
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私のおすすめCHECK!
◎ このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者等の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。
親子でセンサリーボトルや花氷づくりを楽しもう!
暑い日が続いています。熱中症を予防するためにも、家の中で涼を感じられるものづくりを楽しんでみませんか。100円ショップで購入できる洗濯のりやビーズ、ラメなどを入れたセンサリーボトルはキラキラとキレイで、子どもたちは目を輝かせます。花と水を凍らせた花氷は見ても触ってもひんやりと清々しく、心まで癒されます。
今月は→NPO法人ままとんきっずがお伝えします!
今年で子育て支援活動32年目。お母さんたちが主体となって、親子が集うサロン、グループ保育、一時保育、各種講座、産後サポート、子育て支援センター、小学校での寺子屋事業、中学校での赤ちゃんふれあい体験事業などを運営。情報誌・単行本の発行物は45冊を超え、一部は海外でも翻訳出版。乳幼児から小中学生まで幅広い子育て支援により、地域の活性化を目指し、活動の場を広げている。
〈連絡先〉 〒214-0011 川崎市多摩区布田24-26
TEL044-945-8662 FAX 044-944-3009 HP: https://mamaton.jpn.org
◇ いつまでも眺めていたくなるセンサリーボトル
ボトルの中のビーズやラメの動きを見るのが楽しい、スノードームのようなおもちゃです。スパンコールやカラーセロハンなどもまた動きが異なるので、いろいろと組み合わせて入れてみましょう。
【材料】
・ペットボトルなどの空き容器
・ビーズ、ラメ、消臭ビーズなど
・洗濯のり・水・ビニールテープ
【作り方】
1. ペットボトルなどの空き容器にビーズやラメなどを入れる
2.洗濯のりと水を入れ、ふたを閉める
3. ふたが開かないようにビニールテープで固定する
【遊び方】
センサリーボトルを逆さまにしたり、転がしたり。光にかざすとさらにステキです。
【ポイント】
・ペットボトルなどの空き容器は表面に凹凸がないもののほうが中がキレイに見える
・ビーズやラメは青や紫などの寒色系の色のものを選ぶとより涼しげ
・洗濯のりは量を多くすると動きがゆっくり、少なくすると速くなるので、好みの量に
・赤ちゃんが遊ぶ場合はふたを接着剤で固定し、ビニールテープで補強する
◇ アートのような見た目にうっとり花氷
暑さで元気がなくなりかけた花も氷の中に閉じこめると、みずみずしく色鮮やかに見えます。小さいおもちゃを入れて凍らせたものにも、子どもたちは大喜びです。
【材料】
・牛乳パックやプラスチックカップ
・花・水
【作り方】
1. 牛乳パックやプラカップに花と水を入れて凍らせる
2. 凍ったら牛乳パックやプラカップから取り出す
【遊び方】
花氷を眺めたり触れたり。氷が溶けていく様子を観察するのもおもしろいです。
【ポイント】
・牛乳パックやプラカップは氷を取り出しやすいのでおすすめ
・水は一度沸騰させて冷ましたものを使ったほうが透明に近い氷に仕上がる
イラスト/たつみくみこ
小さい子と楽しむときは、ビーズや花氷を間違えて口に入れないように気をつけて、目を離さないでくださいね。
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新連載
子ども・若者の居場所
「寄り添わない支援」のカタチ-公的支援のはざまでしんどさを抱えるユースたち
認定NPO法人第3の家族では、公的な支援を受ける程度でないものの、家庭や学校でしんどさを抱える少年少女たちに向けたオンラインの支援やリアルイベントを行っています。代表の奥村春香さんが大学3年生の時に始めた活動は、グッドデザイン・ニューホープ賞最優秀賞、横浜市男女共同参画貢献表彰を受賞するとともに、メディアに多数取り上げられています。今回はその奥村さんにご寄稿いただきました。
活動のきっかけは弟の自死から
私が大学生のとき、中学生の弟が自死をしました。私の家庭は虐待ほどではないものの、教育に厳しく、家庭内不和が続いていました。自死の理由の明言はできませんが、亡くなる前、夢を語る弟と親が言い争っていた光景を今でも覚えています。
私たちの家庭の大半の時間は、公的支援を受ける程度ではないグレーゾーンだったように感じます。しかし、事件が起こるのはほんの一瞬で、亡くなった後に行政や福祉につながっても「今来ても遅いよ」と学生ながらに思っていました。
「寄り添わない支援」を広げたい
支援には「寄り添い」が大切だということは重々承知の上ですが、寄り添いから取りこぼされる少年少女たちがいるのではないでしょうか。
寄り添いにはコストがかかり、問題の程度がグレーゾーンの少年少女には、必然的に支援の優先順位が下がります。また、制度のはざまの少年少女たちも「自分は支援を受けるほどではない」と支援を受けることを遠慮したり、「家族だから」「大人は信用できない」と家庭の問題故の葛藤を抱える少年少女も少なくありません。
そこで、「寄り添わない支援」をつくりたいと思い、大学3年生の時に活動を始めました。その後、新卒入社したLINE株式会社を辞め、NPO法人として独立しました。
裏の居場所gedokun
第3の家族の主要サービスが「少年少女の裏の居場所gedokun」です。ここでは、匿名・無料・ユーザー登録なしで、少年少女たちが自由に自分の悩みを投稿することができます。投稿には「わかる」「エール」の共感のボタンがあり、見た人が励まし合うことができます。返信機能はないため、危ない出会いや誹謗中傷のリスクを防いでいます。
〈写真とQR2点〉
少年少女の裏の居場所gedokun
つらい状況から逃げ出すための情報サイトnigeruno
〈写真とQR2点終わり〉
そして、もう一つのサービスが「つらい状況から逃げ出すための情報サイトnigeruno」です。ここでは、公的支援からセルフケアまで幅広く社会資源の情報をまとめて紹介しています。
AIで支援をおすすめ
gedokunの投稿はAIが自動で全て読み取り、nigerunoからおすすめの支援ページを紹介します。情報サイトは、少年少女からすると見ることが億劫で、なかなか読んでもらえないのですが、投稿をきっかけに支援情報を読んでもらうことを狙っています。
〈写真〉
gedokunに表示される支援情報例
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インターネットからアウトリーチ
第3の家族のサービスは、親や先生から紹介されるわけではないので、少年少女が自分で見つけてやってきてくれています。
少年少女たちに見つけてもらえるように、「ネット検索」対策に力を入れています。例えば、「親 離婚しそう」「受験 辞めたい」などと検索すると、gedokunのサイトが表示されやすいようにしています。「相談窓口」という検索をしなくても、悩みの吐露から見つけてもらえるよう、サイト側で設定をしています。
寄り添うと「うざい」。過去の反省
「寄り添わない」とは言いながらも、ついつい寄り添ってしまうことがあります。しかし、寄り添うと第3の家族を使う少年少女からは「うざい」と言われることがあります。
以前は、虐待リスクが高い投稿に関して「虐待かもしれないので189に電話してほしい」と長文でメッセージを表示していました。すると、「うざい」「それができないからここにきてるのに」「お金儲けでしょ」とブーイングの投稿が殺到しました。少年少女たちに大人の世界を一方的に押し付けてしまったことに反省し、今は投稿の下に小さく「近いかも?―手札 児童相談所」というように表記しています。しかし、それにはブーイングなどもなく、情報を見てくれる子も出てきました。
寄り添いも重要ですが、それが嫌で1人になってしまうくらいなら、支援の力は弱いかもしれないけど、寄り添わない姿勢で少年少女たちに向き合いたい。そんな試行錯誤から寄り添わない支援は生まれました。
かつてのユーザーとの共創
かつて第3の家族のサービスを使ってくれていた少年少女が、活動を手伝ってくれています。高校生〜20代前半までの8人のメンバーで、新しい企画を考え、イベントを運営しています。私も25歳で若者のつもりですが、「奥村さん、その表現は古いです」など若者メンバーから指摘を受けながら、今悩んでいる少年少女たちの目線に合わせたサービスをみんなでつくっています。
2025年8月1日からは、多様な大人が少年少女の悩みに応えるYouTubeチャンネル「GY4Y」を開設します。今後も、支援ではないかもしれないけど、少年少女たちが探しているものを、一緒につくっていきたいです。(第3の家族)
〈写真〉
代表の奥村さん(右)と若者メンバーの皆さん
〈写真終わり〉
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第3の家族HP
GY4Y詳細
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県社協のひろば
乳児院が担う「予防」という新たな機能-第59回関東ブロック乳児院研究協議会
令和7年6月10日から11日にかけて、第59回関東ブロック乳児院研究協議会をアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉にて開催しました。関東地方・甲信越地方・静岡県の一都十県に所在する乳児院の施設長・職員をはじめ、行政機関や児童福祉施設の関係者など、約170名が横浜に集いました。
今回の研究協議会では、乳児院の「予防的機能」が主なテーマとなりました。従来の児童相談所の措置機関という役割にとどまらず、地域と直接つながりながら、虐待の防止・予防に取り組む施設としてのあり方が議論されました。
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シンポジウムの登壇者の方々。子ども虐待や母子保健、福祉マネジメントといった各専門分野の視点からお話しいただきました
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●いま期待される、乳児院の「力」
一日目、最初のプログラムとして行われた関東ブロック乳児院協議会会長の柴崎順三さんによる講話では、全国乳児福祉協議会がまとめた、こども家庭庁への「令和8年度要望」から、乳児院の一時保護機能などに関する提言内容の説明がありました。
続いて行われたシンポジウムでは、さまざまな分野を専門とするシンポジストが登壇し、乳児院の予防的機能について見解を述べました。
子どもの虹情報研修センターセンター長の増沢高さんは、子どもの全体像をアセスメントによって把握し、問題が深刻化する前に早期支援を行うことが大切だと強調。乳児院には生活の中で子どもを丁寧に見立てる力が備わっているとし、「現場の声を積極的に発信してほしい」と期待を寄せました。
武蔵野大学教授の中板育美さんは、妊娠期からの切れ目のない支援体制づくりにおいて、乳児院が予防的支援の重要な資源になりうると述べられました。さらに、乳児院にいる大人から情緒的な関わりを受ける経験が、虐待の世代間連鎖を断ち切るカギになると話しました。
日本福祉大学教授の河尻恵さんは、乳児院において、被虐待経験や疾病などを抱えるケアニーズの高い子どもの入所が増加している現状を指摘。そのうえで、こうした子どもたちへの支援を充実させるためには、関係機関の連携を基盤とした「地域養護ソーシャルワーク」の構築が必要であると語りました。
ファシリテーターを務めた都留和光さん(関東ブロック乳児院協議会前会長)は、乳児院の強みや専門性を再認識し、予防的機能を発揮していくための示唆に富んだシンポジウムであったと総括しました。
●乳児院の未来を語り合う
二日目には、茨城県福祉部子ども政策局および神奈川県福祉子どもみらい局より、令和7年度から始まる「社会的養育推進計画(後期計画)」の概要について説明がありました。具体的に示された各項目の内容について、参加者が熱心に耳を傾けている様子が見られました。
その後、参加者はグループに分かれ、前日のシンポジウムでの学びも踏まえながら討議を行いました。「入所児童だけでなく、地域の要保護児童に対してどのような貢献ができるか」や、「親子分離を防ぎ、家庭での養育を支えるにはどんな支援が必要か」といったテーマを中心に、各施設・地域の実践と課題を共有しながら、乳児院の予防的機能の可能性について活発な議論が交わされました。
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グループ討議の様子
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各グループからの発表では、「ショートステイを活用した親子支援の充実が、地域に対する支援を広げるきっかけになるのではないか」といった意見などが共有されました。
●子どもを守る、その先へ
二日間にわたり、関東周辺の乳児院職員らが対話を重ね、予防的機能のあり方を深く掘り下げた本研究協議会。現場の想いと多角的な知見が交差し、乳児院の今後の発展に向けた確かな一歩が刻まれました。(福祉サービス推進課)
P11
information
本会職員人事異動
(令和7年7月1日付)
かながわ福祉サービス運営適正化委員会事務局長 直井宏
本会主催の催し
保育のしごと就職相談会
◇日時=令和7年9月6日(土) 13時30分~15時30分(受付開始13時15分)
◇会場=ユニコムプラザさがみはら bono相模大野サウスモール3階(相模原市南区相模大野3-3-2)
◇対象=保育所等への就職を希望または検討している方
◇参加費=無料
◇申込方法=事前申込み不要
詳細はHPを確認
HP: https://www.kanagawahoiku.jp/event/detail.asp?id=501
◇問合せ=かながわ保育士・保育所支援センターTEL 045-320-0505
令和7年度第2回福祉サービス第三者評価に関する事業者説明会
第三者評価の受審の流れの説明や受審事業所の体験報告、評価機関の紹介を行います
◇日時=令和7年10月2日(木)13時30分~15時30分
◇開催方法=オンライン
◇対象=県内の保育・高齢・障害各分野の福祉サービス事業所および市町村所管課職員
◇参加費=無料
◇申込方法=URLから申込み
URL:https://forms.gle/cvKw3PAU9KTca83dA
詳細はHPで確認
HP: https://knsyk.jp/service/hyoka
◇問合せ=福祉サービス推進課かながわ福祉サービス第三者評価推進機構TEL 045-290-7432 Mail:daisansya@knsyk.jp
関係機関・団体主催の催し
第18回ぬじゅみセミナー「新しい人生~生きる喜び、生きる幸せ~」
女性のギャンブル等依存症の回復を支援するNPO法人ヌジュミによるセミナー。利用者の体験談やモデルミーティング、合唱・オカリナ演奏等
◇日時=令和7年9月13日(土)10時30分~16時(開場10時)
◇会場=瀬谷区民文化センターあじさいプラザ音楽多目的室
◇対象=関心のある方
◇定員=100名
◇参加費=無料
◇申込方法=事前申し込み不要。直接来場のこと
◇問合せ=デイケアセンターぬじゅみ TEL 045-744-6516 HP: http://nujyumi.la.coocan.jp/
横浜いのちの電話 45周年記念コンサート「東儀秀樹コンサート 1000年続く音色のイリュージョン~雅楽」
◇日時=令和7年10月23日(木)開演15時(開場14時15分)
◇会場=横浜関内ホール(大ホール)(横浜市中区住吉町4-42-1)
◇チケット=前売券4,000円、当日券4,500円(U25 2,500円 関内ホール・イープラスのみ取り扱い)
◇申込先=横浜いのちの電話事務局
TEL 045-333-6163 FAX 045-332-5683(FAX での申込みは10月7日(火)まで)
関内ホールチケットカウンター
TEL 045-662-8411
またはイープラスより申込
詳細はHPで確認
HP: https://www.yind.jp/concert.html
◇問合せ=横浜いのちの電話事務局
TEL 045-333-6163(月曜~金曜)
寄附金品ありがとうございました
【交通遺児等援護基金】(株)エスホケン、関口弘之、森美代
【子ども福祉基金】(株)エスホケン、脇隆志、(株)いなげや
【ともしび基金】かまぶろ温泉、古口玲斗
以上、合計8件(匿名含む)214,474円
【寄附物品】(公財)オリックス宮内財団、神奈川昭和会、(一社)日本塗装工業会神奈川県支部、湘南弦楽合奏団
【ライフサポート事業】〈寄付物品〉
(N)セカンドハーベスト・ジャパン
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(福)幼年保護会 横浜家庭学園における塗装ボランティアに対し、令和7年7月9日、(一社)日本塗装工業会神奈川県支部 大石猪一郎副支部長(左)、神奈川昭和会 髙野一哉会長(右)に感謝状を贈呈
〈写真終わり〉
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かながわほっと情報
「最後まで愛するペットと一緒」をあきらめないで
元気グループ 特別養護老人ホームさくらの里山科(横須賀市)
横須賀市にある特別養護老人ホーム「さくらの里山科」では、2012年の開所以来、犬や猫と一緒に入居ができる取り組みを続けています。今回は、施設長の若山三千彦さんにお話を伺いました。
「あきらめない福祉」ができること
ペットとの同伴入居を始めたきっかけは、若山さんが10年以上関わっていたある利用者との出来事でした。身寄りのない方でしたが、愛犬のミニチュアダックスフンドと家族同然に暮らし、一心同体と言えるほど深い絆で結ばれていました。在宅生活が難しくなり特養に入居する際、愛犬の引き取り手が見つからず、泣く泣く保健所に預けることになりました。その方は「俺は自分の家族を自分の手で殺してしまった」と号泣しながら自分を責め続け、半年もしないうちに生きる気力を無くしたように亡くなってしまったそうです。
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施設長の若山さん
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「この出来事に、当施設のスタッフが『こんな悲惨な最期に高齢者を追い込んでしまうのが福祉なんでしょうか』と言葉を漏らしました。当法人は『あきらめない福祉』を理念としており、介護が必要になっても利用者が旅行や美味しい食事などをあきらめずに楽しめるようサポートしています。スタッフの言葉を聞いて、ペットと暮らすことも、その人の人生を最後まで楽しいものにするために欠かせないことだと気づき、その当時建設を計画していた『さくらの里山科』を、ペットと一緒に暮らせる特養にしようと思いました」と若山さんは当時を振り返ります。
追い風の中で扉がひらく
特養でのペット同伴入居となると行政の許可が気になるところですが「実際は、特に大きな問題はありませんでした」と若山さんは話します。
「横須賀市は犬猫の殺処分ゼロを目指すなど、元々動物行政に積極的な自治体でした。当施設が完成する前から『犬と暮らしている認知症の方を入居させてほしい』と市から相談があったくらいです。また、施設内の衛生面についても、特養では日ごろから衛生には非常に気を付けているので、普段通りのことをきちんとやっていれば、ペットがいても特に問題はありませんでした」と語ります。
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仲良く昼寝をする入居者の女性と愛猫のプリンちゃん
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もう一度、となりにいる幸せを
ここには、同伴入居のペットのほかに、施設が保護した犬や猫も暮らしています。そのため、年齢や生活のことを考えて、大好きな犬や猫を飼うのをあきらめていた人からの入居希望も多いそう。「認知症が進んで表現が乏しくなっていた方が、ここで動物たちを見て笑ったり撫でたり、自分から話しかけたりする様子に、ご家族が驚かれることもよくあります。私たちのような特養もあるので、どうか大好きな犬や猫との生活をあきらめないでほしい」と若山さん。老人ホームに入居しても愛するペットと暮らす、「あきらめない福祉」の挑戦は続きます。
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さくらの里山科
〒238-0311 横須賀市太田和5-86-1
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