福祉タイムズ

Vol.888(2025年11月号)

このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.888(2025年11月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。

テキストデータ作成に当たって
 このデータは、『福祉タイムズ』 vol.888 2025年11月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
 二重山カッコは作成者注記です。

P1
福祉タイムズふくしTIMES
2025.11 vol.888
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会

Contents
特集 P2 3人に1人が高齢者の時代、2040年に向けた介護人材確保-福祉人材センターにおける無料職業紹介事業
NEWS&TOPICS P4 年末たすけあい運動にご協力お願いします! 神奈川県共同募金会
県社協のひろば P6 自らの強みに気づき、利用者に選ばれる事業所へ-第三者評価の結果から、さらなるサービスの質の向上のヒントをつかむ
創刊888号記念号
P2 インタビュー 私たちのタイムカプセル―8年前の高校生たちが歩む、“福祉の今”―
P4 888号記念!クイズに挑戦してプレゼントゲット!
特別企画は裏表紙からお楽しみください! GO!

今月の表紙
和泉短期大学と相模女子大学の学生有志による「地域福祉ボランティア横地ゼミ」の学生と顧問の横地厚さん(前列・左から2番目)。
学生たちは福祉のボランティアに主体的に取り組み、仲間とともにさまざまな経験を重ねている。出会いの数だけ、笑顔の未来が広がっていく。詳しくは7面へ→(撮影:後藤京子)

P2
特集
3人に1人が高齢者の時代、2040年に向けた介護人材確保
-福祉人材センターにおける無料職業紹介事業
 介護人材は、2025年度には全国で約37.7万人が不足すると言われてきましたが、来る2040年度には全国で約272万人必要となり、現状のままだと約57万人が不足すると予測(本県では46千人)され、さらに深刻な状況になっています。
 ここ10年の我が国の介護人材確保対策を振り返ると、無資格・未経験者等の参入を推奨するなどすそ野を拡大する施策が展開されてきましたが、本稿では、2040年に向けた介護人材確保の動向から、本会かながわ福祉人材センター(以下、福祉人材センター)の無料職業紹介事業についてお伝えします。

2040年に向けた人材確保施策の動向
 福祉人材センターは1992年に法制化され、職業紹介事業を開始しました(本県では1991年開所)。一方、経済の活性化や市場競争の促進を目的とした規制緩和政策が広く進められていく中で、1999年の職業安定法改正で職業紹介事業は原則自由化となり、福祉・介護・保育分野も例外なく民間職業紹介事業者が参入するようになりました。また、地方自治体等による就職相談会などの取り組みが各地で行われてきましたが、こうした動き以上に人口減少と少子高齢化は進行し、介護人材の確保は厳しさを増しています。
 福祉人材センターでは、社協の機能を活かし、行政をはじめ、地域の法人・事業所、ハローワーク、社協などの関係機関との連携を強化し、求職者や求人事業者から手数料をとらない、無料での職業紹介事業を続けています。国では総合的な人材確保施策の中で福祉人材センターの取り組みを確実に進めていくため、昨年4月に「都道府県福祉人材センターにおける地域の実情を踏まえた効果的な事業の実施等の促進に向けた対応について」(社援基発0404第1号、厚労省社会・援護局福祉基盤課長通知)を発出し、「福祉人材センターの事業と都道府県の人材確保対策との連携・調整」などの方針を示しました。
 また、国が本年7月にまとめた「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ」では、大きく4つの論点が示され、その一つに介護人材確保等における現状と課題、今後の方向性が挙げられています。現在、社会保障審議会福祉部会では、専門的観点から検討を進めるため、本年5月に「専門委員会」を設置し、人材確保に関するヒアリングと議論を進めています。

無料職業紹介事業・「すそ野拡大」の取り組みから
 ここ5年の間、福祉人材センター利用者(新規求職者)の年齢は上がってきています(グラフ参照)。その理由の一つは高年齢者雇用安定法改正による定年引上げや廃止の影響を受けたものと考えられます。また、求職者が希望する働き方も多様化が進み、福祉人材センターで相談に応じるキャリア支援専門員が求職者と求人事業者との間で個別に調整を行う機会も、それに係る時間も増えてきました。ここでの求職者はすぐに就職する必要がある方もいますが、人生100年時代と考え、定年までの時間や、失業手当の受給期間など、時間をかけて再就職先を探す方も少なくありません。次に、中高年齢者の再就職の特徴がみられる事例をご紹介します。

〈折れ線グラフ〉
かながわ福祉人材センターの新規求職者(年代別)の変遷
〈折れ線グラフ終わり〉

P3

事例1 無資格・未経験からのキャリアチェンジ
 50代後半の方。今の仕事を定年まで続けるか、全く違う仕事にキャリアチェンジするか迷っていたが、ハローワークで福祉人材センターのキャリア支援専門員に相談した(※地域巡回型の「福祉のしごと相談」)。そこで「福祉の仕事を知る懇談会」への参加を勧められ、その後しばらく「就労支援」を受ける。そして高齢者のデイサービスを数カ所見学した後に、地元のデイサービスに応募し採用が決定した。
事例2 「介護の入門的研修」をきっかけに再スタート
 60代前半の方。介護職員初任者研修を修了していたが、これまで介護の仕事はしてこなかった。これからの仕事として考えた時、自分に務まるか不安だったが、学び直しとして「介護の入門的研修」(23時間)を受講した。そこで福祉人材センターのキャリア支援専門員による「就労支援ガイダンス」を受け、センターの「求職登録」の手続きを行い、その後、地元の法人が行う「見学会」を紹介される。そこで見学した特別養護老人ホームに応募し、採用が決定した。

 以上のように最初に中高年齢者の求職者は迷いや不安を抱えていますが、福祉人材センターでは求職者が介護職に興味を持ったきっかけや、就職に向かう動機を尊重し、求職者が希望する法人・事業者と出会うことを目標とした就労支援を行っています。

大きく変わってきた福祉施設への入職状況
 本年10月に県立高校での「出張介護授業」を福祉人材センターと協働して実施した社会福祉法人上溝緑寿会(相模原市中央区)、理事長の佐藤和夫さんに、介護人材確保の現状等について伺いました。
―法人理念、創設時からの地域への想い
 「人生は、いつでもあなたが主役です」は、上溝緑寿会の法人理念です。開業以来、「高齢者福祉施設は、本来どうあるべきなのか」を模索し、追求してきました。また、地域福祉を支える一つのファクターになっていこうという気持ちがずっとあって、上溝を中心とした地域に貢献していきたいという想いを法人の中心に置こうと職員に話し続けてきました。職員一人ひとりにこの想いは浸透していると感じています。

〈写真〉
寸劇を取り入れた高校での出張介護授業
〈写真終わり〉

―人材確保の現状
 ここ数年の人材不足は、2019年末から始まったコロナ禍以降、本当に厳しい状況が続いています。相模原市という立地では、業種や施設種別、地域を超えて人材確保競争の激しさを感じます。八王子市、町田市に隣接していることも大きく影響しています。コロナ禍では、福祉施設や病院などで働く人たちを、社会に不可欠な仕事に従事する人・エッセンシャルワーカーであると言われましたが、一方でマスコミ等を通じて、大変さが強調されていたようにも感じています。無資格・未経験の方には特に魅力ややりがいをお伝えしたいと考えています。
 今年から初めてミャンマー出身の職員を採用しています。何事にも前向きで、勤勉です。介護福祉士の資格取得を目指しているので、法人としての期待は大きく、全面的に育成・支援していきます。
―福祉人材センターへの要望
 かつては、養成校で学んできた介護福祉士が多く入職していましたが、今は、無資格・未経験の方など入職者の背景は多様となっています。このため法人では入職後に介護職としての教育を丁寧にやらなければならない状況です。例えば、社会福祉の基礎であったり、ケアの基本、コミュニケーション技術などです。特に「受け止める」「話をしっかり聞く」などの介護職の「社会人としての基礎教育」はサポートしていただきたい分野です。

残された課題、福祉人材センター事業の「見える化」の推進
 ここまで2040年に向けた介護人材確保の制度動向、福祉人材センターにおける無料職業紹介事業の現状、人材確保における法人の声を取り上げました。この他にも、潜在介護福祉士等の発掘と再就職支援、人材育成・資質向上(専門性の向上)、定着促進(離職防止)など、2040年に向けた課題は山積しています。
 昨年度、福祉人材センターでは、〇福祉人材センターの役割・機能、現事業等の整理、〇福祉人材センター事業の「見える化」を試みました。無料職業紹介事業の地域展開を通じ、法人・事業者や養成校、職能団体などの関係機関・団体との関係を拡充し、福祉人材センター事業の「見える化」を推進するとともに、今後さらに社協ネットワークの可能性を意識しながら介護人材確保という大テーマに臨んでいきたいと考えています。

〈QR3点〉
福祉のお仕事 「都道府県福祉人材センター・バンクの重点的な取り組みを紹介します!」に本会も掲載しています
2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ
社会保障審議会(福祉部会福祉人材確保専門委員会)
〈QR3点終わり〉

(かながわ福祉人材センター)

P4
NEWS&TOPICS
年末たすけあい運動にご協力お願いします!
 共同募金運動は、10月から翌年3月までの6カ月間実施する「赤い羽根募金(一般募金)」と、12月に1カ月間実施する「年末たすけあい募金」があります。
 「赤い羽根募金」は、主に県内の民間社会福祉施設や団体が地域福祉を推進するための事業に、「年末たすけあい募金」は、市区町村社協が地域単位で実施する生活支援事業などに活用されています。
 「年末たすけあい募金」は生活困窮者の越年支援を目的として、昭和28年に神奈川県が提唱し神奈川県社協が実施主体となって始まりました。その歴史は古く、明治時代後期から救貧を目的とした民間活動として広がり、昭和初期から戦後にかけて全国各地域で民生委員(戦前は方面委員)が中心となって、住民同士が米や餅、衣類などを持ち寄り、お互いの生活を助け合う「一品持ち寄り運動」が起源と言われています。
 近年は一人暮らし高齢者の見守り活動をはじめ、障がい者や子育て家庭を支援する小規模団体の活動などを支援してきましたが、令和2年度以降のコロナ禍において、生活困窮者への食糧および生活物資の支援や社会的に孤立している方々への支援など、喫緊の課題への取り組みなどにも支援の輪を広げてきました。
 コロナ禍における行動制限は大幅に緩和された一方で、住民同士の交流が希薄化し、社会的孤立がより顕著となり、地域のなかでのつながりの再構築や居場所づくりが必要となっています。また、コロナ禍での離職等により経済的に困窮されている方々、さらに昨今の物価高騰により日常生活に困難をきたしている方々など、さまざまな社会的課題が顕在化しており、喫緊の対応が求められています。
 今回は、鎌倉市社協が令和6年度に実施した年末たすけあいの助成事業の一例をご紹介します。

鎌倉市社会福祉協議会
▽認知症の方と家族を支えるクリスマス交流会
 認知症の方を支える家族の会「かまくらりんどうの会」では、介護の経験を共有し、介護者同士のつながりを育みながら活動を続けています。
 令和6年12月19日、鎌倉市福祉センターでクリスマス会を開催しました。認知症当事者やその家族、地域包括支援センターの保健師、市社協職員など約30名が参加し、クリスマスソングやマジックショー、ジャンケン大会で盛り上り、会場は笑顔に包まれました。
 会の後にはケーキやコーヒーを囲んで交流し、近況を語り合いながら、同じ立場だからこそ分かち合える思いや悩みを共有しました。参加者からは「仲間とお話ができるのは嬉しい」との声も寄せられ、こうした当事者同士の交流を支える活動に、年末たすけあい募金が活用されています。

〈写真〉
かまくらりんどうの会
紹介動画はこちら!(鎌倉市社協Instagram)

深沢地区社会福祉協議会
紹介動画はこちら!(鎌倉市社協Instagram)
〈写真終わり〉

P5

▽子どもと地域がつながるお正月遊び
 深沢地区社会福祉協議会では、年末たすけあい募金を活用し、子ども達が地域の方々とふれあう場を大切に育んでいます。
 その一環として、令和7年1月7日、市立深沢小学校体育館でお正月遊びを〝アフタースクール〟と〝学童保育〟を一体的に運営する「放課後かまくらっ子ふかさわ・ふじづか」と共催で実施しました。
 当日は、当該地区社協のほか、民生委員児童委員協議会、地域包括支援センター、市社協職員など計35名が指導員として参加し、小学生80名余りが「鎌倉かるた」「けん玉」「あやとり」「お手玉」など10種類の昔遊びを体験しました。
 ベテランの指導員から教わるうちに上達した子ども達からは「みんなで遊べて楽しかった!」「もっとやりたい!」といった声が聞かれました。
 当該地区社協では、世代間交流を活動の柱としています。子ども達が伝統的な遊びを楽しみ、地域のつながりを実感するこの貴重な機会は、年末たすけあい募金に支えられ、健やかな成長へとつながっています。
 鎌倉市社協では、年末たすけあい運動の趣旨を大切にしながら、地域のさまざまなニーズに応じた活動を柔軟に支えられるよう、令和6年度より助成のしくみやプログラムなどの見直しを進めています。
 今後も年末たすけあい運動を通じて、市民の皆さまからの善意を地域のつながりへと生かせるよう、安心して暮らせる町づくりを目指していきます。

 今年の「年末たすけあい募金」の目標額は県全体で3億7732万円です。
 住み慣れた街で安心して暮らしていくために、さまざまな地域福祉事業が計画されています。
 皆さまの温かいご支援をお待ちしています。(県共同募金会)

〈囲み〉
年末たすけあい募金
●実施期間 令和7年12月1日(月)~31日(水)
●寄付金受付窓口 共同募金会市区町村支会
●寄付金・配分金の取り扱い 寄付金は、当該地域のために全額活用されます
●問い合わせ先 (福)神奈川県共同募金会 ☎045-312-6339

年末たすけあい募金の詳細やそれぞれの受付窓口はHPをご覧ください
https://www.akaihane-kanagawa.or.jp/
〈囲み終わり〉

information
寄附金品ありがとうございました
【県社協への寄附】木原洋司、木原裕司、古積英太郎
【ともしび基金】神奈川県立鎌倉支援学校、(福)恩賜財団済生会支部神奈川県済生会横浜若草病院、横浜ビッグフットミーティング、栗田航伎、ACAかながわグループ
【交通遺児等援護基金】(株)エスホケン
【子ども福祉基金】脇隆志、(株)エスホケン
以上、合計12件(匿名含む)146,165円
【寄附物品】神奈川トヨタ自動車(株)、神奈川県労働者福祉協議会、シニアクラブていけん
【ライフサポート事業】〈寄附物品〉
(N)セカンドハーベスト・ジャパン、(公社)フードバンクかながわ

〈写真2点〉
神奈川トヨタ自動車(株)より県内特別支援学校へ寄贈予定のベルマークを受領し、令和7年10月9日、受領式を実施
神奈川県労働者福祉協議会より母子生活支援施設へタオルを寄贈いただき、令和7年10月10日、林克己会長(右)に感謝状を贈呈
〈写真2点終わり〉

〈囲み〉
福祉タイムズ・
リニューアルに向けた読者アンケート実施中!(2025年12月26日まで)
抽選で30名様にAmazonギフトカード(500円分)プレゼント
〈囲み終わり〉

P6
県社協のひろば
自らの強みに気づき、利用者に選ばれる事業所へ
―第三者評価の結果から、さらなるサービスの質の向上のヒントをつかむ
 福祉サービス第三者評価(以下、第三者評価)は、事業所の提供するサービスを公正・中立な評価機関が専門的かつ客観的な立場から評価し、その結果を公表します。
 第三者評価は、受審そのものがゴールではなく、受審のプロセスを通して、事業所が自らのサービスの強みや課題を把握し、さらなる質の向上に向けた取り組みを進めていくことを目的にしています。
 今回は、横浜市泉区にある特別養護老人ホーム恒春ノ郷における受審後の取り組みから、第三者評価の活かし方について考えます。

恒春ノ郷の取り組みから
 外部から事業所のサービスの良いところ、強みを評価してもらえる機会は多くありません。恒春ノ郷では、第三者評価の過程における自己評価や利用者アンケート調査から、職員が日頃のサービスを振り返り、課題だけでなく強みを知る貴重な機会となりました。加えて、第三者の立場から、改めて事業所のサービスの強みを伝えられたことで、職員の自信となり、福祉サービスの質をより高めていく原動力になっています。同様に、受審事業所のほとんどから「自己評価の作業は大変だったが、評価調査者から課題だけでなく、良いところもたくさん挙げてもらい、励みになった」「日頃、当たり前に行っているサービスが強みと知り、新たな気づきとなった」といった声が寄せられています。

評価結果を深める
 評価という言葉から、できていないことに着目しがちですが、評価結果から何に気付き、具体的にどう改善していくか。組織内で話し合いを重ね、職員全員で共有していくことで、職員のより良いサービス提供への意欲が高まっていくとともに、事業所のそうした前向きな姿勢は、利用者や地域からの信頼を得ることにもつながっていきます。
 さらなる福祉サービスの質の向上に向けて、第三者評価を積極的に活かして取り組んでみませんか。( 福祉サービス推進部・かながわ福祉サービス第三者評価推進機構)

〈コラム〉
第三者評価を受審した事業所に聞きました
【令和7年1月受審】(福)親善福祉協会 特別養護老人ホーム恒春ノ郷 施設長
平野貴之さん
Q. 受審の動機を教えてください。
 最初の受審から4年が経過し、コロナ禍で止まっていた運営の見直しや、人材不足が続く中でサービスの質を落とさないための生産性の向上など、第三者の視点で見てもらってはどうかと考えたのがきっかけでした。
Q. 受審したことによる効果、第三者評価で重要なことを教えてください。
 事業所の強みや課題に気付くきっかけとなりました。評価結果の良し悪しで終わらせるのではなく、評価をどう活かしていくのかが重要と考えます。また、一部の幹部職員だけでなく職員全体で第三者評価の目的と結果を共有することで、自分たちの事業所では何ができていて、何が不十分なのかといった事実を知ることが大切だと感じます。そして、把握した課題にどのように取り組んでいくかをトップが職員に示していくことも重要です。
Q. 受審後、どのような取り組みにつながりましたか?
 毎月、事業所内で開催している業務改善委員会の中で、評価結果がb評価(さらなる取り組みの余地がある状態)となった項目を中心に、改善に向けて話し合うことにしました。当初、評価結果を見た職員から大きな反応はありませんでしたが、評価を改善につなげ、福祉サービスの質の向上を図ることで“利用者に選ばれる事業所”になっていこうと伝えました。具体的な取り組みとしては、文字が多い事業計画を利用者家族にも分かりやすくするためのダイジェスト版の作成、職員によって異なっていた記録の仕方の勉強会等の企画などを進めています。難しい課題からではなく、手をつけやすいところから改善していくことがポイントの一つだと考えて取り組んでいます。

〈写真〉
業務改善委員会では、所属を越えて積極的に意見を交わしている
〈写真終わり〉
〈コラム終わり〉

福祉サービス第三者評価事業は、「福祉サービスの質の向上」と「利用者のサービス選択に資する情報提供」を目的に実施しています。第三者評価の詳細、各事業所の評価結果報告書などは推進機構のホームページ(https://knsyk.jp/service/hyoka)をご覧ください。

〈イラスト〉
マスコットキャラクター
ふくしみるちゃん
〈イラスト終わり〉

P7
かながわほっと情報
活動を通してたくさんの人と出会えたこと。
私たちが人と人とを“つなぐ”存在になれたのが嬉しい
和泉短期大学、相模女子大学 学生有志「地域福祉ボランティア横地ゼミ」(相模原市)
 「地域福祉ボランティア横地ゼミ」は、和泉短期大学と相模女子大学の学生有志が集まり、大学での学びとは別に、福祉のボランティア活動に取り組む自主ゼミです。令和7年度は25名程の学生が参加し、自分たちで活動を企画し、東日本大震災の復興支援、共同募金活動、子ども食堂や畜福連携プロジェクトなどの活動に取り組んでいます。
 仲間と一緒にさまざまな場所に出向き、たくさんの出会いと経験を瑞々しい感性で受け止め、自分たちができることに積極的に取り組む学生たち。令和7年度のゼミ役員を務める和泉短期大学児童福祉学科2年生の6名に、いまの気持ちを言葉に紡いでもらいました。
-ボランティア活動の楽しさは?
 東北の復興支援活動で現地の方々が温かく迎えてくれて、自分からもっともっとこの人たちと話したいって思いました。横地ゼミには先輩から誘われて参加しました。“楽しければいいじゃん”みたいなノリも大事だなって思います。(川﨑輝さん)

〈写真〉
写真向かって左から、北嶋桜乃さん、橋本侑奈さん、谷合美咲さん、矢田妃依さん、顧問の横地厚さん(相模女子大学社会マネジメント学科准教授、和泉短期大学児童福祉学科非常勤講師)、小泉奈那さん、川﨑輝さん
〈写真終わり〉

 子ども食堂で保護者の方に「こうやってボランティアをしてくれるお姉さんたちがいてくれて本当に助かる。嬉しいの。ありがとう」って言ってもらえて、人の役に立てたという実感がして、本当にこの活動をやって良かったなって思いました。(谷合美咲さん)
 活動自体も楽しいし、ゼミの企画会議で一つのことにみんなで頑張ろうって向かっていく時間もすごく楽しい。みんなで作り上げていく過程にやりがいを感じるし、みんなと一緒にやっていくのっていいなって思います。(小泉奈那さん)
-横地ゼミのこれから
 私が横地ゼミに入るきっかけになった子ども食堂を12月に私たちの手で一から作ることができることにすごくワクワクしています。精一杯やりたいです。就職してからも、私の得意なことを活かしながら子どもたちをサポートしていきたいです。(橋本侑奈さん)
 ずっと続けている和太鼓と子どもを繋げられないかなって考えています。自分の得意なことや好きなことを持っている人たちがもっともっと集まって、いろんな人とまた繋げ合わせれば今までにないことがもっとできる。就職してからも関わり続けたいなと思います。(矢田妃依さん)
 私たちが受け継いだものを一年生に引き継いで、横地ゼミの活動が広がっていけばいいなと思うし、この活動が残ってくれたら自分たちの軌跡も残るなって思います。それを通して、もっといろんな人がボランティアをしてみたいなと思えるきっかけだったり、ここでなら始められるという第一歩の場所になれたらいいなって思っています。(北嶋桜乃さん)

〈写真〉
「かながわ畜産の日フードフェス」(11月2日)でのボランティア活動に向けては障害者福祉施設のパンづくりと養豚農家を見学して利用者や関係者の想いに触れ、それらをより多くの人にも伝えようとメニュー表やポップ、展示パネルを手作りしてPRを行いました
〈写真終わり〉

後半P1
創刊888号記念号
表紙メンバー、8年ぶりの再集結!
インタビュー
P2 私たちのタイムカプセル-8年前の高校生たちが歩む、“福祉の今”-
本紙791号(2017年)の表紙を飾ってくれた県立津久井高校福祉科の皆さん(当時高校2年生)。今回、8年ぶりに卒業生に集まってもらい、“今”と“未来”への想いを聞きました。
P4 888号記念!クイズに挑戦してプレゼントゲット!

バックナンバーはHPから
【発行日】2025(令和7)年11月15日(毎月1回15日発行)
【編集・発行】 社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
〒221-0825 横浜市神奈川区反町3-17-2
☎045-534-3866 Mail:kikaku@knsyk.jp
【印刷】株式会社神奈川機関紙印刷所
赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています

〈写真〉
福祉タイムズ791号(2017年10月)
〈写真終わり〉

後半P2
インタビュー
私たちのタイムカプセル-8年前の高校生たちが歩む、 “福祉の今”-
 今から8年前の2017年、本紙791号の表紙を飾ってくれた県立津久井高校福祉科の生徒たち(当時高校2年生)は、今は介護福祉の道で、それぞれの一歩を歩んでいます。
 今回、集まってくれた6名に再び取材し、介護福祉職として輝く皆さんの“タイムカプセル”を開きました。

8年経って、福祉職や介護に対する学生時代とのギャップはありましたか?
伊藤さん:学生時代、介護実習がありましたが、お互い学生同士で介助の練習をしていたので、就職して実際に利用者さんに行うとなると、同じ手順でも全然違っていて、すごく苦労しました。
平野さん:利用者さんとゆっくりお話できるのって、学生の時期が一番多かったなって思いますね。働き始めると、どうしても業務が増えて時間がなかなか取れないなって。将来介護福祉の仕事をしたいと思っている方は、ぜひ実習中に多くの利用者さんとたくさんお話してほしいです。
飯田さん:それ、すごくわかります。私も実習の時、職員さんに「利用者さんとたくさんお話して」って言われたことがあって。職員さんたちは忙しい時もあるので、実習生が来ると利用者さんのお話相手になれるんですよね。だから今思うと「もっとお話しておけばよかったな」って。あの時間は本当に貴重だったなと思います。

〈写真3点〉
伊藤 千冬さん 有料老人ホーム勤務
平野 風夏さん 特別養護老人ホーム勤務
飯田 結花さん 特別養護老人ホーム勤務
〈写真3点終わり〉

後半P3

〈写真3点〉
田中 公樹さん 特別養護老人ホーム勤務
喜田 行哉さん 特別養護老人ホーム勤務
横山 愛夏さん 有料老人ホーム勤務
〈写真3点終わり〉

利用者さんと関わるうえで、意識していることはありますか?
田中さん:距離感ですね。耳の聞こえにくい方だとつい近くで話しちゃうんですが、それを嫌がられることもあるので、気を付けています。あとは、利用者さんの思いをきちんと聞くこと。利用者さんお一人おひとりの悩みや感じていることを、丁寧に聞くようにしています。
喜田さん:自分は「一日に必ず利用者さん全員に一言ずつ話す」を心がけています。食堂に移動している時に挨拶したり「今日は何月何日ですね」と声をかけたり。利用者さんに少しでも笑ってもらえるように意識しながら接しています。
横山さん:私は「話しやすいお姉さん」を目指してます。利用者さんとお話する時は基本、敬語なんですが、少しだけくだけた言い方も混ぜて、利用者さんが話しやすい距離感や空気を作るようにしています。
平野さん:仕事中、マスクをしていると表情が伝わりにくいので、利用者さんに怖がられてしまわないように、声のトーンや目元で笑顔を表現するようにしています。学生時代に「笑顔が大切だよ」とよく言われたことを思い出します。

8年後は、どんな自分になっていたいですか?
喜田さん:今、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験勉強をしているんです。というのも、祖父が認知症を発症した時、家族からいろいろと相談を受けたんですが、介護の知識だけではあまり答えられなくて、もっと広く福祉を学びたいと思ったんです。8年後やもっと先の未来で、家族が年齢を重ねた時に少しでも手助けできるようになりたいです。
田中さん:今はフロアの中でも先輩になってきていて、8年後はもっと“引っ張る側”を任されていると思います。今度うちの施設でお祭りイベントを開催するんですが、運営リーダーを任されているので、みんなをまとめられる存在になりたいですね。
伊藤さん:漠然としているんですが、利用者さんにとって“気持ちの良い介護”、“安心してもらえる介護“を、これからも学び続けていけたらと思います。
横山さん:初心を忘れず、利用者さん一人ひとりと真摯に向き合っていたいです。それが一番大事かなと思います。
飯田さん:8年前の自分からは今の姿も想像できなかったので、8年後もきっと「こんなふうになってるんだ」って思っているはず(笑)。でも、私も初心を忘れず、利用者さんと笑顔で関われる介護福祉職でいたいです。
平野さん:介護福祉の仕事を“好き”でいられる自分でいたいですね。その気持ちを忘れずにいたいです。

当時皆さんに介護福祉を教えていた林睦先生にもお話を伺いました!

 学ぶ立場だった彼らが、今は後輩に伝える立場になりました。
 これからは求める側ではなく「自分たちが何とかしよう」と、主体的に動ける先輩になってもらいたいなと思います。
 学生時代から介護福祉を学んでいた彼らだからこそ、これからも夢を持って、その夢を後輩たちに伝えていける人になってほしいです。

〈写真〉
元・津久井高校福祉科の林睦先生
〈写真終わり〉

後半P4
888号記念!
クイズに挑戦してプレゼントゲット!
Question01
聴覚に障害のある方が安心・安全に自動車等を運転できるよう、自動車等に表示することが定められているマークは次のうちどれでしょう?
1,2,3

Question02
全国唯一の八方厄除けの守護神として知られる神奈川県内の神社はどこ?

Question03
羽根募金クイズ!
「羽根募金」には、たくさんの色があり、それぞれの羽根の色は、支援する分野や活動のテーマを表しています。
次の色の羽根と活動内容を正しく線で結んでみましょう!


黄色の羽根
水色
オレンジ

児童養護施設の子どもたちのために
海難救助活動を支援するために
臓器移植を支援するために
森林づくりなど国土の緑化のために
海難事故等で親を亡くした子どもたちを支援するために
じぶんの町を良くするしくみのために

後半P5
Question04
今から8年前の2017年に、創設100周年を迎えた社会福祉に関連する制度・仕組みは次のうちどれでしょう?
●① 生活保護法●② 社会福祉協議会
●③ 民生委員制度●④ 老人福祉法
ヒント このキャラクターたち!

Question05
社協のキャラクター当てクイズ!
●①〜●④のキャラクターが活躍している社協 (地名)はどこでしょう?正しく線で結んでみましょう!
1,2,3,4
相模原市,鎌倉市,藤沢市,座間市,開成町,大井町
市町村社協のサイトから探してみよう!

全問正解者に抽選でプレゼント
888や“ふくし”にちなんだ商品を県内の福祉事業所からピックアップ!
クイズに全問正解した方の中から抽選で、3種類の景品を各8名様にプレゼントいたします。
クイズの回答と希望する景品は、右上の二次元コードから受け付けています。
皆様のご応募をお待ちしております

回答期間2025年12月25日(木)まで
1,横濱蜂蜜300g1本
8が3つ(888)→はちみつ
認定NPO法人コロンブスアカデミー 横濱蜂蜜Instagram➡
2,ふくらんプリン3種アソート
“ふくらん”→ふくしがふくらむ
(福)県西福祉会 ふくらんHP
3,幸せ餃子(中)12個入(冷凍品・化粧箱入り)
八→末広がり→幸せ・ハッピー
(福)寿徳会 ハッピーラボHP

正解者へのプレゼント発送時期(目安):2026年1月下旬以降
プレゼントの当選発表は、景品の発送をもって代えさせていただきます。


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