福祉タイムズ
Vol.893(2026年4月号)
このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.893(2026年4月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。
テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.893 2026年4月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
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福祉タイムズふくしTIMES
2026.4 vol.893
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
今月の表紙
あっきーテックサポートの鈴木章裕さんと、鈴木さんが作ったアプリで学習する三野梨緒さん(撮影 後藤京子)
詳細は次のページから
Contents
特集 これからの人材確保と災害福祉 | 神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部社会福祉学科 教授 鈴木俊文
希望ある地域福祉のグランドデザインを | (福)小田原福祉会 理事、特別養護老人ホーム潤生園 施設長 井口健一郎
NEWS&TOPICS ペットリエゾンの取り組みから見える、現場の課題と活用の可能性 | 県生活衛生課動物愛護グループ
県社協のひろば 令和8年度県社協事業の主な取り組み
連載/子ども・若者の居場所 「ないなら、つくる。」18歳の先に、居場所を。 | (公社)アマヤドリ 代表理事 菊池操
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「かながわほっと情報」がリニューアル!
かながわ福祉のギャラリー
「学びたい」を支えるICT支援
あっきーテックサポート 鈴木章裕さん
―どうしたら子どもたちの「主体的」な活動を引き出せるか。そこを一番大切にしたいです。
そう語るのは「あっきーテックサポート」の鈴木章裕さん。2011年から横浜市立特別支援学校の教員として勤めた後、2023年に開業し、現在は特別支援教育に関するアプリ開発や、教育現場でICTアドバイザーなどの活動をしています。
原点は、教員一年目の経験から
活動の原点は、肢体不自由の子どもたちが通う特別支援学校の教員時代、新卒1年目の夏休み中に初めてアプリ教材を作った経験にあります。
当時について鈴木さんは「身体面のサポートに不慣れで、子どもたちとの関係づくりに悩み、不甲斐なさを感じる日々でした」と振り返ります。それでも今の自分にできる教育方法を模索する中で、大学で学んだ心理的アセスメントやプログラミング等の〝教育工学的アプローチ〟に基づくICT支援を手がかりに、独学でWindows用のかな文字学習アプリを作り上げました。
この教材が校内外で高く評価されたことに背中を押され、教員生活の傍らiPad用アプリやNPO法人とのアプリ共同制作などに取り組んでいきました。こうした経験から、ICT担当教員を任されることにもなりましたが、自作したアプリのメンテナンス等に責任を持ちたいという気持ちや、ICTの活用をより広げたい思いが重なり、独立する道を選びました。
“かゆい所に手が届く”アプリ開発
鈴木さんが手がけるアプリは、ボタン一つで画面が切り替わるなど、基本的な構造をシンプルにすることで、誰でも直感的に使いやすい設計になっています。その一方で、活用している教員からは“かゆい所に手が届く”という声をもらうことが多いといいます。
開発した「かな文字」を学習できるアプリでは「子どもがどのように考え、答えにたどり着いたか」を一つずつ確認できるよう、文字入力の操作手順をあえて多く設けています。既存のICT教材では対応しきれない、子どもの理解度が分かる“一工夫”は、教員として現場の声に寄り添ってきたからこそ実現できています。
「教育分野では特に、本人の主体性や特性、ご家族の思い、学校等の組織の制約といった複数の要素をつなぎ、それぞれのニーズを調整しながらICTを『コーディネート』していくことの必要性を痛感しています」と課題を伝えます。
卒業後も途切れない支援へ
現在は、ICTアドバイザーとして「訪問カレッジEnjoyかながわ」(※)に参加し、訪問型の学習支援にも力を入れています。一人ひとりの好きなことに応じて一緒に学びを楽しむことを大事にしているこの活動に、学校教育とは違った意義を感じていると言います。
「学校現場ではICT環境の整備が進んできていますが、卒業後に通う事業所では、まだ十分とは言えないのが現状です。子どもたちの活動が途切れることなく広がっていくよう、導入の工夫や体制づくりも含めて一緒に考えていきたいです」と語る鈴木さん。
教員時代から変わらない「子どもたちのために自分にできることをしたい」という強い思いと、ICTという〝架け橋〟を手に、伴走はこれからも続いていきます。
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〈写真6点〉
①鈴木さんが作成したアプリ。画面に表示される絵に対応する文字に視線でカーソルを合わせ、一文字ずつ入力を行うことで、ひらがなの理解を確認する
②③④「訪問カレッジEnjoyかながわ」を利用する三野さん。視線入力を使い、絵に合うひらがなを順番に選び、左足の指先でスイッチに軽く触れるだけで、クリック操作ができる
⑤鈴木さんが活用する入力補助機器の一部。教員時代から、子どもたちがICTを活用できるよう自作したり市販品を組み合わせたりしている
⑥カレッジで活用するパソコン用のスタンドや機材などを運搬する鈴木さん
〈写真6点終わり〉
〈囲み〉
(※)
訪問カレッジEnjoyかながわ
特別支援学校等を卒業した方々の自宅を学習支援員が訪問し、「学ぶことは生きること」をテーマに生涯学習支援を行っています。
実施:(特非)フュージョンコム かながわ・県肢体不自由児協会
〈囲み終わり〉
〈QR〉
Info
あっきーの教材工房
鈴木さんが作ったアプリの詳細はこちら
〈QR終わり〉
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特集
これからの人材確保と災害福祉
社会保障審議会福祉部会報告書より
〈写真〉
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部社会福祉学科
教授 鈴木俊文
〈写真終わり〉
令和7年12月18日、厚生労働省の社会保障審議会福祉部会は、包括的な支援体制の整備を通じた地域共生社会のさらなる実現・深化を目的に報告書を取りまとめました。
本稿では、この報告書に記載されている内容から、特に現場の関心が高い「介護人材確保」と「災害時の福祉支援体制」に焦点を当て、どのような論点により何が方針として整理されたのかを解説します。
社会保障審議会福祉部会の役割
社会保障審議会は、社会保障制度全体についての審議等を行い、政策提言を行う役割を担っています。ここでの議論は将来の制度改正や施策展開に直結することから、現場にとって重要な政策動向となります。福祉部会では、高齢者福祉や地域福祉、福祉人材など福祉分野の基盤的政策について、現場の課題や取り組みを踏まえながら議論が行われます。
今回の報告は、先だって開催された「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会」の議論と密接に関連しています。同検討会では、地域ごとの人口構造や社会資源の違いに着目する「地域軸」と、需要変化を見据える「時間軸」の二つの視点から、地域の状況、特性に応じたサービス提供体制を再構築する必要性が示されました。福祉部会の報告も、これらの視点を踏まえ、地域福祉の基盤となる人材と支援体制の在り方を具体的に議論していることが特徴です。
「プラットフォーム」についての議論
今回の報告の大きな柱の一つが、介護人材の確保です。厚労省の推計では、介護職員は2022年度時点で約215万人ですが、2040年度には約272万人が必要になると見込まれており、約57万人の人材確保が課題となっています。これに対して、処遇改善や多様な人材の参入促進など、さまざまな施策が講じられてきましたが、今回の議論では、人材確保の実態をどのように捉えるかという点にも重要な示唆が見られます。
厚労省が示した「入職経路の比較(令和5年度雇用動向調査)」によれば、福祉分野では「縁故」「広告」「ハローワーク」の割合が高いという特徴が見られます。一方で、同年のかながわ福祉人材センターの調査によれば、職員の採用経路は「職員や知人の紹介」「有料職業紹介所」「その他」の割合が高いという結果も示されています。これらの入職経路から捉えるべきことは、今後の人材確保の持続可能性にも関わる問題であるという点です。例えば、紹介や縁故に依存した採用は一定の効果を持つ一方で、労働市場の縮小が進む中では限界があり、中長期的には新たな人材流入経路の開拓が不可欠となります。
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さらに、同年の介護労働安定センターの報告では、19人以下の小規模法人において採用活動を行っていない割合が高いことなども指摘されています。このような特徴から、地域の状況を踏まえた課題の発見・分析・共有をどのように行っていくのかが重要です。
こうした課題に対応する枠組みとして、福祉部会で議論されたのが「プラットフォーム」です。プラットフォームというと、ネットワークとしての福祉人材センター、事業者、養成校、自治体、職能団体などが連携しているイメージをもつ方が多いと思います。この理解は間違いではありませんが、重要な点はプラットフォームのメンバーに加えて、ここで高められている「機能」に注目することです。
具体的に取り上げると、プラットフォームを通じて、どのような人材確保の取り組みが創出・実行されているのかという点が挙げられます。従来のネットワークは、会議体が中心で情報共有にとどまりやすい傾向もあります。一方で、福祉部会で扱われたプラットフォームの事例では、養成施設と福祉人材センターが連携した研修により、マッチングまでの一体的な取り組みを行っている活動や、事業者と養成施設がネットワークを構築し現場目線で人材確保策を検討する研究会の活動などが報告されました。これらの取り組みに共通することは、プラットフォームのネットワーク以上に、連携する「機能」が可視化され、地域資源の協働体制を高めている点です( 上図参照 )。
〈上図〉
プラットフォームについて(介護人材確保の例)
第6回「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会 資料1より抜粋
•地域の関係者のネットワークで「プラットフォーム」を構築し、関係者間で地域の現状の共有を図るとともに、各地域や事業所における課題を認識し、協働して課題解決に取組む。
都道府県・市町村
地域の人材確保の責任主体(基金事業の実施等)
介護労働安定センター
介護事業者に係る雇用管理の改善・職場環境改善支援
介護生産性向上総合相談センター
テクノロジー導入等の生産性向上に資する取組支援
事業者団体 介護事業者
事業者の課題発見・共有 先進事例の講師
介護福祉士養成施設・職能団体
中核的介護人材となる介護福祉士の養成・他分野人材へのリカレント教育
ハローワーク
人材確保対策コーナーにおける介護分野のマッチング支援
福祉人材センター
福祉分野の職業紹介・就職説明会・潜在介護福祉士の復職支援・介護助手の普及
地域の実情に応じてプロジェクトを創設
意欲のある関係者が集い、介護人材に関わる実践的な取組等を推進
↓
介護事業者・介護事業者
人材確保・定着
ハローワーク・介護福祉士養成施設・福祉人材センター
【取組例】
介護職員が介護福祉士養成施設のゲストスピーカーに
介護事業者が共同で採用プロジェクトを推進
介護事業者
職場環境の改善
生産性向上・経営支援
福祉人材センター・介護労働安定センター・介護生産性向上総合相談センター
【取組例】
福祉人材センターによる業務の切り出し支援
介護労働安定センターによる雇用管理改善・能力開発支援
生産性向上総合相談センターによるテクノロジー導入支援
介護事業者・職能団体・教育委員会・介護福祉士養成施設
介護のイメージ改善
理解促進
【取組例】
介護福祉士による小中高への出前講座の実施
養成施設の学生による地域づくりへの協力
〈上図終わり〉
「DWAT」と「平時からの連携」
災害時の福祉支援体制も重要な柱です。その具体的な役割を担う人材と活動の組織化においてDWAT(災害派遣福祉チーム)が注目されています。DWATは社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員等から成るチームで、令和6年能登半島地震においては、全ての都道府県から被災地に派遣され、避難所における福祉的な支援を実施しました。神奈川県では令和2年度にDWATが組成され、令和8年3月時点で約330名が登録されています( グラフ )。他県のDWATと比べると理学療法士等医療分野の登録員が多いことが特徴です。
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能登半島地震においては全国47都道府県のDWATが組織的に派遣されたことにより、福祉支援を広域連携として実際に機能させた点で高く評価されています。一方で、DWATの初動対応の遅れや在宅避難者等への支援の在り方などが指摘され、これらの課題は福祉部会においても論点とされました。
災害時の福祉支援体制の充実を図るためには、特に平時からの災害福祉支援の連携体制の整備が重要です。さらに、その基盤としての包括的支援体制の整備の在り方を検討するうえでは「防災」との連携をあらゆる活動から捉えていくことも必要です。こうした議論のうえで、福祉部会では地方公共団体が作成する地域福祉(支援)計画の記載事項に災害福祉に関する事項を追加することが必要であると結論づけた点は注目するべき点です。
〈棒グラフ〉
神奈川県DWATチーム員数の年次推移(R8.3.31時点330名)
〈棒グラフ終わり〉
これに対して、神奈川県では令和7年4月に、県福祉子どもみらい局福祉部地域福祉課内に「災害福祉グループ」を新設し、災害福祉支援を専門的に担う体制が整備されています。これは、災害福祉支援を平時からの連携により計画的に取り組む政策領域として位置づけている点で重要かつ先駆的な動きであると言えます。
まとめ
今回焦点を当てた介護人材確保と災害福祉支援は、同一の地域福祉基盤の上に成り立つものであり、地域の人材とネットワークの厚みが、平時のサービス提供と災害対応の双方を支えます。
人口減少社会において福祉課題はますます複雑化しますが、地域の資源を最大限に生かすために、さまざまな主体がこれまで以上に連携を強化し、共に地域を創り上げる活動を高めていく連携推進の在り方(創意工夫)が強く求められています。
〈コラム〉
希望ある地域福祉のグランドデザインを
(福)小田原福祉会 理事、特別養護老人ホーム潤生園 施設長 井口健一郎
社会保障審議会福祉部会報告書は、2040年という明確な時間軸を示しながら、地域共生社会のさらなる深化と福祉提供体制の再構築の方向性を提示しました。
私は、職能団体の代表ではなく、一人の担い手として、そして2040年も現場に立つ現役世代の委員として議論に参加しました。
まず、2040年に向けた最大の課題は、人口構造の急激な変化です。高齢者人口はピークを迎える一方で、生産年齢人口は大きく減少します。単身世帯の増加、とりわけ高齢単身世帯の増加は、これまで家族が担ってきた役割を社会がどのように支えるのか、という問いを突きつけています。単に高齢者が増えるという問題ではなく、支える担い手が減り、家族機能が弱まり、複合的課題を抱える人の増加が危惧される、まさに社会課題の構造的転換点でもあります。
また、県内では、真鶴町のように人口減少フェーズに入っている市町の、事業運営維持も大きな課題になっています。さらにもう一点は、頼れる身寄りのない高齢者への対応です。成年後見制度の見直しや新たな第二種社会福祉事業の創設は、家族依存型モデルからの転換を意味します。
人口減少社会においては、私も人材確保および育成(特に中核人材育成)、防災についてもDWATの体制整備および平時からの自治の重要性、地域ごとの体制整備について意見を申し述べてまいりました。中でも、人材確保については、同部会で、私は本報告書の承認際に、以下のような発言をしました。
「現場で奮闘している介護福祉士や社会福祉士が安心して働けるような、頑張りが報われるような仕組みが必須であり、今後さらに、要医療者、要介護者が増えてくることは明らかである。全国で550の基礎自治体では人口が半分になるが、その状況の中で家族介護者、ヤングケアラー等が人生を諦めることがないように、現場に根差した地域福祉のグランドデザインを構築する必要がある」と。
明日を生きる若者たちに希望のある未来を語っていくことが重要であると思います。
さらに私たち社会福祉事業者が肝に銘じねばならないことは、誰かの犠牲の上に成り立つ社会を作らないことであると思います。時代の変化に対応しつつ、支援を必要とする対象者およびご家族が、困難に直面しながらも、宿命に泣くのではなく、顔を上げ前を向いて、暮らしていくことができるよう、常に傍らにいて伴走することが私たちの使命であると確信しています。
〈コラム終わり〉
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NEWS&TOPICS
ペットリエゾンの取り組みから見える、現場の課題と活用の可能性
近年、犬猫の多頭飼育問題が社会課題となっています。
多数の動物を飼育し、適切な飼育管理ができないことで、犬猫の状態の悪化のみならず、飼い主の生活状況や周辺の生活環境の悪化にもつながります。環境省のガイドラインでは、多頭飼育問題を起こした飼い主の53・5%が経済的に困窮状態にあることが分かっており、多機関連携の必要性が示されています。
県の動物愛護管理部局(3政令市および横須賀市を除く県域を所管。以下同じ)では多頭飼育問題への対応として、多機関連携での見守りや無償での避妊去勢手術等を実施しています。
しかし、探知した時点では飼い主の生活状況が悪化しているなど、手遅れであることが課題でした。
そこで、多頭飼育問題の早期探知・未然防止ができるよう令和7年11月からペットリエゾン(訪問型動物相談支援員)という新たな取り組みを開始しました。ペットリエゾンとは、県の専任の獣医師で、福祉現場を訪問し、利用者のペットに関する困りごとの相談を受け、適切な飼い方のサポートを行います。
取り組み概要
福祉関係機関にアンケート調査を行ったところ、72件の回答があり、利用者のペット問題により支援に支障が生じた経験がある福祉職員は約8割を占めていました。「ペットがいるために入院をためらっている」「飼育費用が生活費を圧迫している」など、多頭飼育問題に限らずペットに係る問題が生じていることも分かりました。
〈チェックリスト〉
利用者のペット問題のチェックリスト
①緊急性のないもの
□犬か猫が2頭以上いる
□オスかメスか分からない
□不妊・去勢手術をしていない
□犬や猫を放し飼いにしている
□犬や猫を動物病院に連れて行ったことがない
□犬や猫が清潔でない、強いにおいがする
□家の中や周辺が散らかっている
□犬や猫の世話等について相談できる人がいない
□犬や猫の世話が大変
チェックが2つ以上当てはまる(チェック項目になく判断に悩む場合含む)
→ペットリエゾンに早期に相談をお願いします
②緊急性のあるもの
□10頭以上の動物がいる
□極端にやせた動物や、ふらつきのある動物がいる
□動物の死体・骨がある
□動物の排泄物が大量に放置されている
チェックが1つでも当てはまる
→ 保健福祉事務所に早期に相談をお願いします
〈チェックリスト終わり〉
活用事例紹介・今後の展望
支援者が利用者宅に訪問する都度、ノミに咬まれて困っているとの相談がありました。
支援者にノミ除けの方法を助言するとともに、ペットリエゾンが利用者宅に同行訪問したところ、ノミは室内と屋外を自由に行き来する飼い猫に起因したものであると推定されました。高齢の飼い主と飼い猫の今後について話をする中で、信頼関係のある民生委員に飼い猫を預けることを了承してもらい、猫がいなくなった室内の害虫駆除をすることで解決しました。
また、他の事例では、「利用者の犬の飼い方に問題があるのではないか」という支援者からの相談を受けて、利用者宅に同行訪問しました。この犬は皮膚の状態が悪いものの、犬の加齢に起因するものであり、飼い方に問題はない旨を伝えたところ、支援者および飼い主の不安が解消されました。
一方、解決できなかった事例として、「利用者の飼い犬が急病となったため、無償で獣医療をすぐに受けられないか」という相談や、「利用者が緊急入院することになり、無償でのペットの預かり先をすぐに探して欲しい」といった相談がありました。
ペット問題の相談窓口のニーズを感じる一方、金銭的な援助や緊急対応は橋渡し先がありません。このような状況に陥らないためにも、前もって預け先の確保やペット保険への加入などの準備をしておく必要があります。そのため、福祉関係機関の皆様と、問題が発生する前の平時から情報を共有してもらえる関係性を作っていきたいと考えております。ペットを飼っている利用者を支援する福祉関係機関の職員の方は是非一度ペットリエゾンにお問い合わせください。(県生活衛生課動物愛護グループ)
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県社協のひろば
令和8年度県社協事業の主な取り組み
令和8年度は、「神奈川県社会福祉協議会活動推進計画(令和6年度から令和10年度)」の3カ年目として、推進の柱に基づき次の活動に取り組みます。
推進の柱Ⅰ 地域での支えあいの推進
●「包括的支援体制及び重層的支援体制構築支援事業」などの事業により、多様な主体とともに市町村域における包括的な支援体制づくりを進めます。
●社協に特化した「採用情報・魅力発信ポータルサイト」を運営し、社協の仕事の魅力発信や、学生等への採用情報の配信等を通して、県全体で学生等を受け止める体制を構築し、社協人材の計画的、安定的な採用を促進します。
●民生委員活動のやりがいや魅力、仕事や子育て、介護をしながら活動していくための工夫等を発信します。
●親族に頼れないなどの身寄りのない人が、最期まで尊厳を持って地域で暮らせるよう、市町村社協と協働し、身元保証や終活支援を進めます。併せて、身寄りのない高齢者等を支援対象に加える「日常生活自立支援事業の拡充・発展」(国の制度改正)への対応を進めるとともに、試行的事業の実施や相談支援体制の整備(市町村社協職員への研修等)に取り組みます。
●生活福祉資金貸付制度によるコロナ特例貸付の借受世帯に対し、マイページやSMS等の多様なアプローチ手法を活用しながら、市町村社協と協働してフォローアップ支援を進めるなど、生活再建に向けた活動を行います。
●市町村社協(災害ボランティアセンター)、神奈川DWAT等が連携した支援体制に向けて常設型災害福祉の推進機関「かながわ災害福祉支援センター(仮称)」の設置に向けた準備を行います。
●災害時のボランティア活動の環境整備に向けて、市町村社協部会において市町村社協災害ボランティアセンター等の災害支援業務にかかる必要備品の一部を整備します。
推進の柱Ⅱ 福祉サービスの充実
●経営支援事業や各種会議・研修会等を通して、社会福祉法人等の経営基盤の強化を図ります。
●障害者グループホームの質向上に向けた第三者評価の受審促進を図るため、障害者グループホームを対象に説明会を実施します。
●福祉サービス事業者の苦情解決体制整備の状況について調査を実施し、調査結果を、事業所が利用者の苦情に適切に対応できるよう、助言、支援に活用します。
推進の柱Ⅲ 福祉人材の確保・育成・定着の推進
●経営者部会・施設部会と福祉人材センターの連携により、人材確保に関する好事例などの情報発信を行い、福祉人材の確保を図ります。
●就職相談会などの求職者と求人事業者が直接出会う多様な機会を作り、適切なマッチングにつなげます。
●介護職の負担軽減など、働く環境整備と併せて、介護助手の普及に関する活動を行います。
●セカンドキャリアなど、より多くの人が福祉の仕事に就くことを考えることができるよう、福祉の仕事の理解促進に取り組みます。
●かながわ保育士・保育所支援センターでは、保育士の仕事の魅力を社会に発信し、求職者が保育に興味を持ったきっかけや就職に向かう動機に寄り添った就労支援を行います。
●福祉人材の専門性の向上にむけて、法人・事業所との連携を図り、研修体系の整備や職員育成・支援の仕組みが強化されるための研修に取り組みます。
推進の柱Ⅳ 県社協活動基盤の充実
●各部会・協議会・連絡会の活動や政策提言活動を通じて把握した社会的孤立などの地域福祉の課題に対して、課題解決に向けた活動を進めます。
〈表〉
令和8年度総合資金収支予算書【収入総額】
(自)令和8年4月1日(至)令和9年3月31日 (単位:千円)
会計及び事業区分、拠点区分→当初予算額→前年度予算額→増 減
総合計→9,136,116→11,044,627→△1,908,511
1一般会計→4,430,384→4,928,903→△498,519
(1)社会福祉事業区分→3,864,244→4,313,693→△449,449
社会福祉事業拠点区分→3,864,244→4,313,693→△449,449
(2)公益事業区分→484,961→533,716→△48,755
公益事業拠点区分→484,961→533,716→△48,755
(3)収益事業区分→81,179→81,494→△315
収益事業拠点区分→81,179→81,494→△315
2生活福祉資金会計→4,705,732→6,115,724→△1,409,992
生活福祉資金特別会計→2,848,222→4,086,393→△1,238,171
県単生活福祉資金特別会計→435→435→0
生活福祉資金貸付事務費特別会計→1,768,729→1,939,571→△170,842
要保護世帯向け不動産担保型生活資金特別会計→88,002→88,002→0
臨時特例つなぎ資金特別会計→344→1,323→△979
〈表終わり〉
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〈全面広告〉
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連載
子ども・若者の居場所
「ないなら、つくる。」18歳の先に、居場所を。
(公社)アマヤドリ 代表理事 菊池操
始まりは、一通のメッセージでした。
高校の保健室で養護教諭をしていた、コロナ禍のある日。
かつての卒業生をはじめ、多くの若者から次々とSOSが届きました。
「家を追い出された」「殴られて、逃げてきた」「性的虐待を受けていて、家を出たい」
一緒に相談先を探しました。
でも、どこもありませんでした。
理由はただひとつ―18歳を超えた「成人」だったから。
法律上「成人」になると、保護先も相談先もなくなります。しかし実質、まだ「大人」とは言い切れない、自立の準備段階にある若者がほとんど。
虐待、ネグレクトなどで家族を頼れない方たちにとって、18歳はまるで崖のような境界線となっています。
児童相談所は18歳未満が対象。
DVシェルターは携帯使用も外出もできない。男性は利用できない。
生活保護は、昼間に大学に通う学生は使えない。
「SOSがあるのに、支援制度がない」。
保健室の先生だったから見えたこの現実が、私を突き動かしました。
選択肢も依存先も、複数ある方がいい。
それなのに、ない。
「ないなら、つくるしかない。」
2020年12月、公益社団法人アマヤドリは神奈川県三浦半島エリアで産声をあげました。
名前の由来は、ミッションそのものです。
「人生の雨に、アマヤドリを。」
雨が降るように、人生にはつらいことが起きます。
そんなとき、一時、雨をしのぐ場所と、共にいてくれる人がいる。
空模様は選べなくても、生き方は自分で選んでいける。そう信じて。
若者の住まいとなる物件の確保には、本当に苦労しました。
「家族を頼ることができない若者のためのシェアハウスを借りたい」と相談すると、多くの大家さんに断られ続けました。
それでも、心ある大家さんとのご縁に恵まれました。事情をしっかり話すと、理解してくださり、5年以上経った今も、あたたかく見守ってくださっています。
大家さんのご理解と応援にどれほど力をいただいたか計り知れません。
活動の土台は、制度よりも先に、人の温かさとご縁で支えられてきました。
単身の女性専用のサポート付きシェアハウス
現在「アマヤドリのおうち」は横須賀市内に2軒あります。定員はそれぞれ3名、合計6名の方を保護できます。
概ね3カ月まで利用でき、その後、希望があればさらに1年利用可能です。(学生の方は卒業まで利用可)
初期費用も保証人も不要で、家具・家電・食料もそろえています。設立から今日まで、のべ40名以上がここから次の一歩を踏み出していきました。今年の夏頃には、男性向けのサポート付きシェアハウスも新たにオープン予定です。
当団体の住居はあくまでも選択肢の一つです。神奈川県認定の居住支援法人として、複数の選択肢を提示し、住まいを失うリスクのある若者の支援にも取り組んでいます。
日中の通所施設
昨年9月には神奈川県の委託事業として、15歳から29歳の女性が通える日中の居場所「アマヤドリスタジオ」も始まりました。(週4日開所)
相談・同行サポート
相談は、メール・オンライン・対面で受け付けており、これまでのべ1万件以上に対応してきました。役所や病院、学校への同行支援も行っています。SNSの発信をきっかけに連絡をくれる子もいれば、学校・行政・医療機関からつないでいただく場合もあります。どんな入口であっても、まずは「話しかけてもらえる関係」をつくることから始まります。「あなたのことは分かっている」とこちらが決めつけた瞬間に、伴走は終わってしまいます。だから「聴くことがすべての出発点」だと私たちは考えています。
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大切にしていることがあります。「魔法はない」ということです。
長年背負ってきた痛みや苦しみから一瞬で解放される奇跡はそうそうありません。
しかし、ささやかな選択を積み重ねることで、螺旋階段を登るように、いつの間にか見える世界が変わっていきます。
今日の食べるものを自分で選ぶこと。今日着たい服を自分で選ぶこと。「ここにいたい」と声に出してみること。「明日、また来ます」とつぶやくこと。そのひとつひとつが、自分の人生を自分で選んでいく力になります。私たちはその積み重ねのそばにいたいと思っています。
連携先は、行政や福祉機関にとどまりません。
医療・法律・就労・住居と、その方の状況に合わせてつながれる先を一緒に探しています。
なかでも大切にしているのは、「この方のことを一緒に考えてくれる人を増やすこと」です。「依存してはいけない」の逆で、むしろ依存先を複数もつことを目指しています。複数の人や機関と信頼を築いていくこと。それ自体が、支援だと思っています。
制度の面では、18歳という年齢の壁が今も大きな課題です。
10代後半から20代前半は、自立に向けての大切な準備期間。
その時期に安心できる環境がなければ、20代後半、30代になってもその影響は続いていきます。
問いを変えることが大切だと思っています。
「なぜこうなってしまったのか」だけでなく、「何があればよかったのか」。
必要なものがまだないなら、一緒につくればいい。制度でも、場所でも、文化でも。
今後はキッチンカーで学校を回り出来立ての食事を提供する事業や、産前産後の居場所や、若者が主体となって運営するユースセンターなど、さらに多様な場をつくっていきたいと考えています。
ないものはつくって、あるものは協力して活用して、仲間を増やして、タスキをつないでいく。アマヤドリした時間が、いつか希望になるように。希望の循環を、社会全体へ広げていきます。
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ありがとうございました!
寄附御礼
寄附の受付はこちら→(かながわボランティアセンターHP)
匿名含め、合計9件98,642円
●県社協への寄附/古積英太郎
●ともしび基金/(有)松山商会 いなり湯、茅ヶ崎支援学校、古口玲斗、鶴見浴場組合
●交通遺児等援護基金/(株)エスホケン
●子ども福祉基金/脇隆志、(株)エスホケン
●寄附物品/(公財)報知社会福祉事業団
●ライフサポート事業〈寄附物品〉/(N)セカンドハーベスト・ジャパン
〈写真3点〉
(一財)YAMANAKA未来財団より交通遺児等援護基金に寄附をいただき、令和8年3月2日、山中昌一理事長(右)に感謝状を贈呈
(生協)ユーコープより県社協に寄附いただき、令和8年3月3日、渡邉敬弓理事(右)に感謝状を贈呈
神奈川トヨタ自動車(株)による児童福祉施設への出張コンサートの実施に対し、令和8年3月25日、黒澤宏康執行役員(左)に感謝状を贈呈
〈写真3点終わり〉
(敬称省略)
News
福祉タイムズリニューアルのお知らせ
2026年4月号(本紙)から一部紙面構成やデザインをリニューアルし、全ページフルカラーでお届けします。
より見やすく、役に立つ紙面を目指してまいりますので、今後も福祉タイムズをよろしくお願いいたします。
Info
新会員のご紹介
【第2種正会員連絡会】
(公社)横浜市福祉事業経営者会
「ほっとステーション小田原」受託者の変更
足柄上郡・下郡(8町)の生活困窮者自立相談支援事業に対応する「ほっとステーション小田原」は、令和8年4月1日より「ワーカーズコープ・センター事業団」が受託することとなりました。
連絡先の詳細は県HPにてご確認ください。
HP&SNS
〈QR4点〉
県社協HP
県社協X
県社協Instagram
かながわ福祉人材センターInstagram
〈QR4点終わり〉
県社協SNSでは、紙面に載せきれなかった写真などを紹介しています。
紙面と併せて、ぜひお楽しみください!
福祉タイムスNo.893(2026.4.15発行)
「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
編集・発行/社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
〒221-0825 横浜市神奈川区反町3-17-2 TEL 045-534-3866
印刷/株式会社神奈川機関紙印刷所