福祉タイムズ
Vol.896(2026年7月号)
このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.896(2026年7月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。
テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.896 2026年7月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
P1
福祉タイムズふくしTIMES
2026.7 vol.896
編集・発行社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
今月の表紙
好きなもの、好きなことであふれる「ココロはずむアート展」を創る作家や実行委員の皆さん(撮影 後藤京子)
詳細は次のページから
Contents
特集 社会福祉の基盤の充実を目指して 社会福祉制度・施策への提言
NEWS&TOPICS 子どもたちを支える食支援と地域づくり-認定NPO 法人フリースペースたまりば 事務局長 鈴木晶子
県社協のひろば 令和7年度事業・収支決算の概要
連載/“はたらく”を支える お互いに助け合い、生き生きと働く水福連携-(N)湘南NPO サポートセンター
P2
かながわ ふくしのギャラリー
アートで誰もがココロはずむ
ココロはずむアート展(横浜市)
「ココロはずむアート展」では、横浜市青葉区・都筑区・緑区の福祉事業所に通う利用者が制作したアート作品を展示しています。15回目を迎える今年は、1月末から5月末まで開催され、多くの来場者で賑わいました。今回は、実行委員を務める(N)みどり福祉ホーム統括所長の荒木傑さんと、同展事務局の三田政明さんにお話を伺いました。
地区を越えたアート展
2011年、横浜でアート活動が盛んな事業所に依頼して展覧会がスタートし、2013年からは横浜市北部3区の事業所に参加を呼びかけて開催。今年は10の事業所から107人の利用者が作家として参加しました。アートに触れる時に感じる楽しさや心がはずむ気持ちが、名称の由来になっています。
作家を知って近づく想い
本展の魅力の一つには、作品を見るだけでなく、来場者が作家と出会って身近に感じてもらうことがあります。展示期間には、作品の誕生背景を事業所職員とともに作家自身が語るトークイベント「作家を語る・作家が語る」や、作家が講師となるワークショップ「まねっこアート」など、作家の想いや考えに触れる多彩なプログラムが開催されました。
荒木さんは「ここでは、障がいのある人とない人の立場が逆転することがあるんです。普段は障がいのある人として守られ支えられるはずの彼らが『とても敵わないやこりゃすげえ』という存在となることが多々あるのです。この構図を意図的に作ったわけではないのですが、実行委員会の中で徐々にフィーチャーしていこうとなっていきました」と語ります。
また、各作品の近くに添えられた「作家カード」には作家の名前や顔写真、趣味などが身近にいる事業所のスタッフによって書かれており、作り手の人柄が伝わることで、作品と来場者を自然につなぐ役割を果たしています。
アートがつなぐ地域の出会い
今年で3回目の会場となる都筑区子育て支援センターPopolaサテライトでは、展示をきっかけにさまざまな人の交流が生まれています。職員の坂東美佳さんは「センターを利用される方と作家さんをつなぐきっかけになれたらと思い、作品を見ている方には作家さんや作品の魅力を積極的にお伝えしています。子育て世代にとどまらない地域の関わりが増えていくのは、私たちにとっても大きな励みです」と笑顔で話します。
三田さんは「アートは、人と人をつなぐ架け橋になるんですよね。『この色いいね』『自分にも描けるかな』といった純粋な気持ちからつながりが生まれるこの空間自体が、すごく素敵だなと思います」と語ります。実行委員会では、障がいのある方が実行委員長を務めたり、作家自身が展示準備をしたりするなど、当事者主体の運営に向けたアイデアが話し合われているそうです。
ココロはずむアート展は障がいのある方の作品発表の場というだけでなく、地域のフラットなつながりを創り出しています。
〈写真〉
左から、荒木さん、三田さん、坂東さん
〈写真終わり〉
〈QR〉
かながわふくしのギャラリー詳細はこちら
〈QR終わり〉
P3
〈写真複数〉
都筑区子育て支援センターPopolaサテライトでの展示。作品や作家カードを見たり、絵を描いたりしながら、さまざまな人がフラットにつながれる場になっている
作家の斉藤さん(左)と坂本さん(右)。2人の魅力は作家カードを通じて知ることができる
〈写真複数終わり〉
〈囲み〉
Info
ココロはずむアート展
Instagram
〈囲み終わり〉
P4
特集
社会福祉の基盤の充実を目指して
社会福祉制度・施策への提言
本会では、政策提言委員会(以下、委員会)を設置し、社会福祉法人・施設、民生委員・児童委員、市町村社協、当事者団体等の福祉関係団体に向けたアンケート調査と、部会代表者等との意見交換を通じて把握した福祉課題を提言としてとりまとめ、国や県等に提出しています。
今号では、令和8年度の政策提言の概要について紹介します。
福祉従事者の給与水準の向上
少子高齢化と急激な人口減少が進み、2040年には全国の生産年齢人口が約1,000万人減少すると予測されています。担い手の確保が課題となる中、令和8年度に処遇改善による加算が行われていますが、介護・障害福祉職員の給与月額は全産業平均から8万円程度、保育士においては5万円程度低い状況が続いています( グラフ参照 )。
この給与格差の影響によって他産業への人材流出や、福祉分野の志望者の減少が強く懸念されます。
福祉人材を確実に確保するために、国に対して報酬の期中改定を継続的に行い、福祉従事者の給与水準を全産業平均まで引き上げること、また、今後も見込まれる物価高騰などの経済情勢にも対応できるよう、景気変動に応じた実効性のある処遇改善の仕組みを構築することを提言しました。
さらに委員会で提言をまとめる中で、人材確保に向けては、給与水準の向上にとどまらず、業界全体で取り組むべき課題の一つとして、現任者の育成にも力を入れ、人材流出を防ぐ必要性についても確認されました。
〈折れ線グラフ〉
全産業平均給与月額と福祉従事者給与月額
〈折れ線グラフ終わり〉
P5
頼れる身寄りがいない高齢者等への支援
単身世帯等の増加が進むことに伴い、これまで家族・親族等が担ってきた日常生活の支援が得られない、いわゆる頼れる身寄りがいない高齢者等への支援が社会的課題となっています。具体的には、病院や福祉施設等への入院・入所手続きや、サービス利用料の支払い、葬儀等の死後事務等への対応が挙げられます。民間事業者のいわゆる〝高齢者等終身サポート事業〟もありますが、これには一定の費用がかかるため、資力が十分でない方でも無料または低額で利用できる公的な仕組みを整備する必要があります。
〈写真〉
令和8年5月28日、政策提言集を県に手交し、提言内容について意見交換を行いました。
左から、矢部理事、三澤副会長、小泉会長、県福祉子どもみらい局本間局長、三觜副会長、兵藤副会長
〈写真終わり〉
さらに、成年後見制度については、国において終身制の見直しや、本人の能力や意思に沿った権限の在り方が議論されましたが、本人らしい生活を支えるためには、今後、地域での権利擁護支援策の充実も求められています。
こうした状況に対し、頼れる身寄りがいない高齢者や判断能力が十分でない方に、日常生活支援や円滑な入院・入所等の手続き支援、死後事務等の支援を「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」として第二種社会福祉事業に位置付ける、社会福祉法等の一部を改正する法律が令和8年6月19日に成立しました。
一方で、本事業の対象となる者の定義や資力要件、ニーズ量を踏まえた事業の適切な実施体制など、まだ不透明な部分が多くあります。
実施主体として都道府県社協が位置づけられていますが、本会では、国や県に対して、都道府県域において安定的な事業運営のための実施体制を確実に確保するよう提言しています。
地域共生社会の実現に向けて
今回の政策提言は3つのテーマ・14項目に整理しています(左表参照)。本会では、引き続き会員等の福祉関係者や、多様な主体との連携・協働を基盤に、誰もが役割や生きがいを持って暮らすことができる地域共生社会の実現に向けて、現場の課題や目指すべき方向性を関係者と共有しながら、地域福祉の推進に努めてまいります。
〈囲み〉
令和8年度 政策提言の項目
第1部 政策提言
1,いのちと生活を支える福祉人材の確保
(1)福祉従事者に対する継続的な処遇改善
(2) 子どもに向けた福祉の仕事を知る機会の確保
2,地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の構築
(1)人口減少社会に対応した福祉施設の整備
(2)強度行動障がい等重い障がいのある人が地域で安心して暮らすことができる「循環型サービス」の実現
(3)頼れる身寄りがいない高齢者等への支援
(4)町村域における生活困窮者支援の基盤整備
(5)地域の生活課題の解決への社会福祉法人の積極的参加
(6)地域を支える民生委員・児童委員の確保
(7)生活福祉資金・コロナ特例貸付の償還困難者に係る職権免除基準等の提示
(8)日常生活自立支援事業、生活福祉資金貸付事業の安定的な実施体制の確保
3,災害福祉の推進
(1)避難行動要支援者の個別避難計画の作成
(2)災害関連死を防ぐための在宅避難等要配慮者の情報共有
(3)被災した社会福祉施設等への介護職員等の応援派遣に係る費用
(4)災害ボランティアセンターの運営体制の確保
第2部 各部会・協議会・連絡会の課題
制度・施策に求めること
〈QR〉
政策提言集の詳細は本会HPより
〈QR終わり〉
〈QR〉
Check
令和8年6月に成立した社会福祉法等の一部を改正する法律の詳細は厚労省HPより
〈QR終わり〉
〈囲み終わり〉
P6
NEWS&TOPICS
子どもたちを支える食支援と地域づくり
フリースペースたまりば 事務局長 鈴木晶子
協働事業開始の背景と課題意識
フリースペースたまりばは、今から35年前の平成3年から、学校に行っていない子どもたちや、地域に居場所を見出せない若者やその保護者と居場所づくりに取り組んできました。コロナ禍では、コミュニティスペースえんくるの運営をはじめ、地域に根ざした子どもの居場所づくりと食支援の実践を重ねてきました。徐々にフードパントリーの利用希望や市外からの問い合わせが増加している状況に直面し、身近な地域においてSOSを受け止める資源が不足している、あるいは必要な支援が当事者に十分に周知されていない現状を感じてきました。
〈写真〉
事務局長の鈴木さん
〈写真終わり〉
同時に、現場に寄せられる生活困窮や孤立、家庭内ケアといった相談内容の深刻さが増すにつれ、民間主体のボランティア活動だけでこれらの重層的な福祉課題を背負いきることへの限界と、もどかしさを強く抱くようになりました。
国や自治体の制度による相談窓口にはハードルの高さを感じる当事者も、食支援の場であれば重要な接点を作ることができると考えています。しかし、「こども食堂」等への社会的な期待が過度に高まる一方で、深刻な生活課題を民間の自主活動のみに委ねる重さを再考し、担い手の疲弊を防ぐためには、官民連携の強化と地域福祉の新たなモデル構築が不可欠です。こうした強い課題意識に基づき、令和5年度から3年間にわたる県社協との協働事業がスタートしました。 事業の中では、ケアラー支援専門員設置事業に取り組んできた県社協の問題意識も共有しながら、次のような調査を進めていきました。
3年間の歩みと調査分析がもたらした示唆
本事業では、実際に食支援を運営しながら感じる課題意識や成果の言語化と、調査研究の両者を循環しながら段階的に地域の支援の在り方を模索してきました。
初年度は、県内で食支援を行う団体・個人を対象としたWeb調査を実施し、県内の概況を把握しました。特に興味深かったのは、子どものSOSをキャッチしている要因を検証した結果、専門性の有無よりも、食支援を行う場の開催頻度の高さが影響を与えていることが明らかになりました。開催頻度が高いというのは、言ってみれば、それだけ子どもに身近な存在であるということです。子どものSOSの把握は「専門性より関係性」であり〝いかに身近で信頼できる大人になれるかが鍵である〟という子ども・若者支援の現場で言われてきたことを、客観的なデータとして確認することができました。
2年目は、支援の現場に寄せられる困りごとと、それを支える地域の関連に焦点を当て、県内外の先進事例へのインタビュー調査を行いました。その中で食支援の多様性や福祉的ニーズを抱える子どもたちを支える場をどう広げていくかが徐々に見えてきました。子どもたちは、自らSOSを明確な形で発することが難しいという特徴があります。しかし、日常的な食支援の場につながり続け、繰り返し通うプロセスの中で信頼関係が構築され、困りごとが出せるようになります。また、調査を通じて、間口の広い食支援の場だからこそヤングケアラーの最初の発見の場になり得ることも見えてきました。
そこで、ようやく表に掲げた「食支援」という看板ではなく、私たちが今回の調査で「裏メニュー」と呼んだ個別相談支援へとつなげることができます。しかし、ヤングケアラー支援の困難に象徴されるように、地域の住民の活動たる食支援が相談支援の入口として機能するためには、社協、中間支援団体、そして何より行政がしっかり複合的な困難に対応できる体制を作っていることが重要であることも明らかになりました。
P7
3年目の集大成地域へ広げるツールと提言の創出
最終年度は、これまでの調査で得られた知見を具体的な実践に還元し、広く社会へ展開するための2つの成果物を形にしました。
第一に、食支援実施団体向けの『食支援ハンドブック』の作成です。子どもの権利を真ん中に据え、現場で直面しがちな「じっと座っていられない子への対応」や「困った親御さんへの対応」など、具体的な場面での考え方を提示しています。また「ヤングケアラーと出会ったときのコツ」では、福祉制度は対象別に分かれがちですが、誰のケアをしているかに着目し、各領域ごとの総合・包括相談窓口へとつなぐ視点を盛り込みました。食支援を行う住民・団体向けには「支援する・される」の二分法ではなく、対等な関係性のもとで「自分たちらしい場所」を住民が主体的に、かつ自団体のみで抱え込まずに運営するための道しるべとなるよう編纂しています。
〈写真複数〉
食支援の一環として、地域の若者と一緒に取り組むテイクアウトのお弁当づくり
『食支援ハンドブック』(左)と『福祉的ニーズを持つ子どもたちを支える地域づくりのための提言書』(右)
〈写真複数終わり〉
第二に、行政や社協、中間支援団体に向けた『福祉的ニーズを持つ子どもたちを支える地域づくりのための提言書』の策定です。全国規模の中間支援団体へのヒアリングを重ねてまとめた本提言では、次の5つの柱を挙げました。
❶ 生活保障の公的責任の明確化
食支援は住民の自発的なコミュニティ資源であり、生活保障の責任は行政が担い続けるべきであるという確認
❷ 住民の主体性・自治性を生かす応援
一律の管理ではなく、団体の多様性に応じた多層的な支援
❸ 中核団体・中間支援団体の基盤強化
地域の中核を担う中間支援団体への機能的なバックアップ
❹ 包括的支援体制の整備
住民が発見した困難を、縦割りの制度を越えて包括的な相談窓口へスムーズにつなぐ仕組みの構築
❺ 「信頼できる関係」づくり
顔の見える関係を越えた、制度と民間の確かな協働
どんな子どもも排除しない地域づくり
本協働事業の3年間において、Web調査で60団体、インタビュー調査では全国延べ123名の食支援実施団体、行政、社協、中間支援団体の皆様から切実かつ貴重な声を聴かせていただきました。日々の小さなもやもやから出発した本プロジェクトが、これほど多くの出会いと声に支えられ、ひとつの形に結実したことに深く感謝いたします。
長年議論されてきた「こども食堂は居場所か、支援の場か」という二元論を越え、それぞれの場が持つグラデーションと役割を整理できたことは、これからの地域福祉に資するものがあるのではないかと思っています。民間の自主活動の尊厳を守りつつ官民が真に対等な立場で協働し、ヤングケアラーをはじめとするいかなる困難を抱える子どもも排除されない地域づくりを進めるために、完成したハンドブックと提言書が、ささやかながら確かな理論的根拠・道しるべとなることを願っています。
〈QR〉
認定NPO法人 フリースペース
たまりば
Since 1991
ハンドブック、提言書、事業報告書など詳細はこちら
〈QR終わり〉
P8
県社協のひろば
令和7年度 事業・収支決算の概要
神奈川県社会福祉協議会活動推進計画(令和6年~10年度)の2カ年目として、基本目標に掲げた事業の着実な推進を図りました。
●重層的支援体制構築支援事業では、市町村に向けた研修会を行うとともに、先行自治体や学識者等のアドバイザーを派遣し、庁内連携体制の構築に向けた助言を行い、市町村の体制整備を支援しました。
●ケアラー支援専門員設置事業では、関係機関・団体やセルフヘルプ・グループ等の協力を得ながらケアラー支援者の養成や地域の関係者間の支援ネットワーク構築を目的とした研修会を開催しました。
●社協職員の採用の課題や状況を踏まえ、市町村社協部会で「神奈川の社協 採用情報・魅力発信ポータルサイト」を開設し、学生や求職者を県全体で受け止め、計画的・安定的な職員採用体制の整備を進めました。
●民生委員・児童委員活動の現状・課題、実践活動を共有し、今後の民生委員・児童委員活動の一助となるよう、民生委員児童委員活動推進会議を開催しました。会議では、令和7年度一斉改選による新任委員を考慮したテーマとしました。
●頼れる身寄りがいない高齢者等を対象とする新たな第二種社会福祉事業の国の検討状況を踏まえて、先行的に取り組む市町社協と情報交換会を行い、その結果を意見書にまとめ厚労省へ提出しました。
●大規模災害発生時の近隣都県の災害派遣福祉チームとの連携に向けて、東京都、山梨県、静岡県、本県で合同研修会を横浜市内で開催しました。
●社会福祉法人と市区町村社協との協働により、地域でネットワークを形成し地域福祉の課題に対応する地域ネットワーク強化事業に12地域が取り組みました。
●神奈川県介護人材確保対策推進会議では、介護人材確保・定着・育成をテーマに、市町村等の施策・制度の現状把握のための調査を実施し、その結果をフォーラムやポータルサイトで発信しました。
●地域で行う就職相談会と併せて、キャリア支援専門員による就職ガイダンスを行ったほか、当該地域の福祉施設と連携し、仕事の内容ややりがい等を発信する場を設けました。
●「福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程」を基幹研修とし、職務別課題研修、階層別課題研修等の自主研修を実施し、福祉従事者のキャリアパス形成、スキルアップに寄与しました。
〈表組〉
令和7年度 収支決算(抜粋)
総合資金収支計算書
(自)令和7年4月1日 (至)令和8年3月31日 (単位:円)
会計及び事業区分、拠点区分→収入合計(A)→支出合計(B)→差引増減(A-B)
総合計(法人全体)→21,141,165,538→17,415,990,338→3,725,175,200
1 一般会計→5,804,620,869→4,722,972,212→1,081,648,657
→(1)社会福祉事業区分→4,672,910,681→4,244,380,950→428,529,731
→(2)公益事業区分→1,146,493,468→493,535,646→652,957,822
→(3)収益事業区分→99,807,996→99,646,892→161,104
2 生活福祉資金会計→15,336,544,669→12,693,018,126→2,643,526,543
→生活福祉資金特別会計→13,217,573,630→11,165,241,354→2,052,332,276
→県単生活福祉資金特別会計→1,794,800→1,759,528→35,272
→生活福祉資金貸付事務費特別会計→1,581,233,950→1,501,898,611→79,335,339
→要保護世帯向け不動産担保型生活資金特別会計→533,827,069→23,999,720→509,827,349
→臨時特例つなぎ資金特別会計→2,115,220→118,913→1,996,307
※ 一般会計、各事業区分並びに各拠点区分はそれぞれの集計単位で求められる内部取引消去後の額を計上しているため、収入合計額(A)と支出合計額(B)の合計額は一致しない
総合貸借対照表(単位:円)
資産の部→負債の部
流動資産→4,555,898,659→流動負債→2,246,503,801
固定資産→72,888,243,561→固定負債→904,484,769
→→負債の部合計→3,150,988,570
→→純資産の部
→→基本金→2,125,290
→→基金→1,560,404,229
→→国庫補助等特別積立金ほか→61,684,290,626
→→その他の積立金→13,698,610,922
→→次期繰越活動収支差額→△2,652,277,417
→→純資産の部合計→74,293,153,650
資産合計→77,444,142,220→負債及び純資産の部合計→77,444,142,220
〈QR〉
令和7年度事業報告並びに社会福祉法人現況報告書
〈QR終わり〉
〈表組み終わり〉
P9
〈全面広告〉
P10
連載
“はたらく”を支える
お互いに助け合い、生き生きと働く
水福連携
―(N)湘南NPOサポートセンター
かながわ水産業福祉連携推進事業とは
「水福連携」とは、障がいがあり福祉的な支援を必要とする方の就労・雇用の機会を確保するとともに、水産業界における担い手不足等の課題を解消することを目指す、福祉と水産業の双方にメリットをもたらす取り組みです。
県内でも、水産業における新たな労働力の確保と障がいのある方の社会参画の促進を目的として、令和5年度から「かながわ水産業福祉連携推進事業」がスタートしました。この取り組みは、誰もがその人らしく暮らし、一人ひとりが大切にされる社会を目指すものであり、県および県議会が定める「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念にも深く通じています。
当法人は、令和2年度からの「農福連携マッチング等支援事業」を契機に、現在は水福連携へと活動を広げ、水産業者と福祉事業所の仲介やマッチングを行っています。
広がるマッチング
事業開始からの3年間で、県内では数多くのマッチング事例が創出されてきました。委託される作業内容は、ラベル貼りや商品用の箱組み立てといった施設内で可能な軽作業から、水産加工品の箱詰め、さらには包丁を使用した調理補助まで、事業所の特性や利用者の習熟度に応じて多岐にわたっています。平塚市および小田原市の代表的な2つの事例を次ページにまとめましたので、ご覧ください。
事業を展開する上での工夫点、制度面での課題
当法人は水産と福祉をつなぐコーディネーターとして、両者が協働し、持続可能な関係性を築くために次の5点を念頭に置いて調整を図っています。
❶ 連携への不安や悩みの丁寧な聞き取りと解消
❷ 双方の提案を取り入れた環境整備と、課題の即時解決
❸ 初めから100%を目指さず、無理のない範囲での生産量設定
❹ 双方にメリットがある工賃の調整
❺ 研修や現場体験を通じた、障がい特性や配慮事項の相互把握
この積み重ねにより、一過性ではない強い信頼関係が維持されています。
一方で課題もあります。福祉側の支援員不足や送迎コスト、稼働時間の制約、障がい特性などの要因から、施設外就労へ参加できる事業所はまだ多くありません。また、作業委託にとどまらず一般雇用への移行も視野に入れて活動していますが、連携先の紹介から現場体験、雇用契約、その後の定着支援に至る各フェーズでのフォロー体制確立には、現状まだまだハードルが高いと感じています。
マニュアルガイドブック・事例集で、より身近に
水産業は幅広いため、今後は加工会社だけでなく漁業者などからも広くニーズを吸い上げる必要があります。先行する「農福連携」に比べ、水福連携は「知らない」「取り組み方法が分からない」という声がまだ多く聞かれます。そのため、具体的な事例やノウハウを積極的に情報発信し、社会的な理解を醸成していくことが不可欠です。
当法人では、水福連携の一歩を後押しするツールを県と協働で作成しています。
令和8年4月に発行した『マニュアルガイドブック』は、水福連携の仕組みや作業事例、障がい特性への配慮、マッチングの流れを網羅した実践書です。『事例集』は、年度ごとの具体的なマッチング経緯や作業のポイントを詳細にまとめています。
これらは県および湘南NPOサポートセンターのHPから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。事例集は毎年改訂版を発行予定です。この記事をきっかけに、少しでも興味を持たれた企業や福祉事業所の皆様は、どうぞお気軽に当法人までご連絡ください。
〈写真〉
マニュアルガイドブック(左)と事例集(右)
〈写真終わり〉
〈QR〉
水福連携の詳細はこちら(湘南NPOサポートセンターHP)
〈QR終わり〉
P11
マッチング事例
平塚市
施設内就労 トマ鯖カレーおよび水産加工品の箱の組み立て、商品封入、ラベル貼りなど(写真①)
山大商事(株)
人手不足の解消と社会貢献の一環として導入しました。当初は利用者の皆さんがどこまでできるか未知数でしたが、非常に真面目で集中して取り組んでくれています。品質も問題なく、仕事量が増えても臨機応変に対応してもらい大変助かっています。
X
就労継続支援B型事業所クオケア
令和5年の開所時から水福連携に関わっています。企業側のニーズと福祉側の目的が同じベクトルを向いているため、非常にスムーズにできます。仕事を通じて事業所の存在価値も高まったと感じています。今後は施設内だけでなく、企業に出向く「施設外就労」にも範囲を広げていく予定です。
小田原市
施設外就労 山上蒲鉾店…つみれ用外箱の組み立て、商品の外観チェック、6袋ごとの箱詰め、賞味期限ラベル貼り(写真②)
伊勢兼商店…さつま揚げやちくわのシーリング(袋詰め・密封)作業とセイロへの並べ込み(写真③)
利用者の皆さんは午前と午後で両社を移動し、基本として週4日、企業の現場で働いています。
(有)山上蒲鉾店・(有)伊勢兼商店
社会貢献に加え、障がいのある人の活躍の場を広げたい思いから始めました。結果として作業効率が向上し、既存従業員の負担軽減や本来業務である営業活動の強化につながっています。皆さんの素晴らしい仕事ぶりが分かったため、現在は他の作業への拡大も進めています。
X
(福)足柄緑の会 コスモス学園
実際の働きぶりを見てもらうことで、企業や地域が抱く障がい者就労への印象がポジティブに変わったと感じます。現場を経験することで利用者の皆さんの仕事への責任感や自立心も育つため、私たちの事例が他の事業所にとっても一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
〈写真3点〉
クオケアでの施設内就労。仕上がりの美しさを考慮し、丁寧に箱を組み立てる
山上蒲鉾店での施設外就労。つみれ用の箱を組み立て、検品と箱詰めを行う
伊勢兼商店での施設外就労。さつま揚げのシーリングでは、専用の機械を使い安全かつ迅速に商品を密封していく
各事例の詳細は『事例集』をご覧ください→
〈写真3点終わり〉
P12
ありがとうございました!
寄附御礼
寄附の受付はこちら→かながわボランティアセンターHP
匿名含め、合計10件972,789円
●県社協への寄附/鈴木崇矢
●ともしび基金/古口玲斗、神奈川県ボウリング場協会、(株)マルエツ、(公社)神奈川県宅地建物取引業協会
●交通遺児等援護基金/(株)エスホケン、ダイセーロジスティクス(株)横浜ハブセンター
●子ども福祉基金/(株)いなげや、脇隆志、(株)エスホケン
●寄附物品/シニアクラブていけん
●ライフサポート事業〈寄附物品〉/(N)セカンドハーベスト・ジャパン
〈写真4点〉
(株)マルエツよりともしび基金に寄附をいただき、令和8年5月29日、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)広報・サステナビリティ推進部 田島慎也サステナビリティマネージャー(右)に感謝状を贈呈
(株)MTNより福祉施設に大型テレビの寄贈をいただき、令和8年6月8日、鈴木正秋代表取締役社長(右)に感謝状を贈呈
天台宗神奈川教区よりともしび基金に寄附をいただき、令和8年6月13日に感謝状を贈呈
(福)幼年保護会 横浜家庭学園における塗装ボランティアに対し、令和8年6月18日、(一社)日本塗装工業会神奈川県支部大石 猪一郎支部長(右)、神奈川昭和会永田宜久会長(左)に感謝状を贈呈
〈写真4点終わり〉
(敬称省略)
Info
新会員のご紹介
【児童福祉施設協議会】
児童養護施設メレ・オハナ
Info
第2回保育のしごと就職支援セミナー&就職相談会
①就職支援セミナー(事前申込制・先着順)
②就職相談会(事前申込不要・入退場自由)
※ ①②いずれか一方のみの参加も可
●日時 令和8年9月5日(土) ①12:30~13:25 ②13:30~15:30
●会場 ユニコムプラザさがみはら(相模原市南区相模大野3-3-2)
●対象 保育士、保育士資格取得見込みの方、学生、保育所等へ就職希望の方
●問合せ かながわ保育士・保育所 支援センター
TEL 045-320-0505 hoiku_jinzai@knsyk.jp
福祉タイムズNo.896(2026.7.15発行)
「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
編集・発行/社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
〒221-0825 横浜市神奈川区反町3-17-2 TEL 045-534-3866
印刷/株式会社神奈川機関紙印刷所