テキストデータ作成に当たって
このデータは、『福祉タイムズ』 vol.822 2020年05月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
二重山カッコは作成者注記です。
P1
福祉タイムズ ふくしTIMES
2020.05 vol.822
編集・発行 社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会
特集…P2
神奈川県における身元保証とエンディングサポートニーズ~身寄りのない人等のエンディングサポートに関する調査結果概要~
NEWS&TOPICS…P6
〔寄稿〕 手づくりマスクでコロナウイルスに負けるな! ―ひらつか障がい者福祉ショップ「ありがとう」
県社協のひろば…P10
新型コロナウイルス感染症に関わる本会の状況-会員等へのアンケートや本会の取り組み
→今月の表紙 "今"を救うため、"今"行動する【詳しくは12面へ】撮影・菊地信夫(きくちのぶお)〉
P2
特集
神奈川県における身元保証とエンディングサポートニーズ~身寄りのない人等のエンディングサポートに関する調査結果概要~
少子化や単身世帯の増加等を背景に、家族の規模の縮小が進行しています。
家族の支援を前提としていた従来の社会ではあまり問題にならなかった入院・入所時の「身元保証人」や、身寄りのない人の「エンディング(最期)」の支援が課題となっています。
「おひとり様社会」といわれる中、身寄りのない人が安心して暮らすことができるようどう支えていくのか、地域に問われることを受け、相談機関や地域における身元保証や死後の事務のニーズを把握することを目的に、本会が県内相談機関等1,020ヶ所に実施した調査の概要をお伝えします。
現在、地域において制度の利用が進められる成年後見制度の周辺課題として身元保証の問題があります。身元保証人がいない場合、医療機関や福祉施設にとって、入院費や利用料の支払い、亡くなった際の対応など、さまざまな場面で不都合があると言われています。そのため身元保証人を立てられない人は、入院・入所のときに、スムーズに契約できない場合があります。
一方で、利用者側からは、身元保証人がいないと入院・入所の際の支援が得られませんし、エンディングに寄り添う人がいないことが将来の展望を描く上で大きな不安材料となり、本人らしく暮らす上での阻害要因になりかねません。
成年後見人には、身元保証人の役割を求められることがありますが、仮に保証人になり債務不履行の際に保証をすると、被後見人に対して求償権が発生します。そうすると被後見人との間で利害が対立してしまい、本人の利益のために事務を遂行するという後見人本来の役割が果たせなくなることがあります。
さらに、日常の世話や医療同意、万が一の際の遺留品の引取り・処分などは、成年後見人本来の役割でなく、特に親族以外の第三者後見人では対応できない場合も多く、支援への期待と実態にギャップが生じることもあります。
身元保証の相談
まず、身元保証に関する相談ですが、「ある」とした相談機関(地域包括支援センター・社協)は86・2%、行政は94・1%に上りました(図1)。このうち、年間の相談件数が、1~4件程度となっている相談機関は47・8%、5件以上あるところが24・7%となっています。これらから、身元保証の相談は、極めて多いという訳ではないものの、一定数の相談を受けていることがわかります。
〈円グラフ〉
図1 身元保証に関する相談
〈円グラフ終わり〉
また、相談内容は、「身元保証人がいないのでその代わりに後見人をつけたい」、「緊急連絡先となる所がなく困っている」、「身元保証人を見つけてほしい」などが多くなっていました。
では、最後の砦としての期待が大きい行政ではどのような対応がなされているのでしょうか。多くは、後見制度や専門職団体の紹介(93・8%)をしたり、身元保証の団体を紹介する(31・3%)などの情報提供が主ですが、中には①成年後見制度の首長申立てを行う、②緊急連絡先がない人の場合に行政担当部署や担当者名を記入する、③入院費や通帳を本人からやむなく預かっている、などの代替策がとられているケースもありました(図2)。
〈棒グラフ〉
図2 身元保証相談への対応(行政)・複数回答
〈棒グラフ終わり〉
P3
次に、実際に身元保証人が立てられず、入院・入所ができなかった相談者がいるかどうかを尋ねました。身元保証人を求める法令上の規定はなく、むしろ「入院・入所希望者に身元保証人等がいないことは、サービスを拒否する正当な理由に該当しない」とされていますが、入所・入院ができなかった方が「いる」と回答した相談機関は全体の32・2%ありました。できなかった所は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、有料老人ホーム等でした。
本来、身元保証人がいない単身者でも安心して入院・入所できることが重要ですが、単身者等が増えている中、今後の見込みとして、8割を超える相談機関が身元保証関連の相談は増えると想定しており、行政機関でも「現在増加の傾向にある」が73・5%に上っています。
一方、身元保証人の代わりに成年後見人をつけるよう求められるケースも増えています。確かに、成年後見人は入院費や利用料の支払いの支援を行うため、問題が解決する部分もあります。しかし、今回の調査では判断能力に問題がない、つまり、後見制度の対象にならない場合の支援の仕組みを求める意見が多く見られました。例えば「経済的に余裕がない場合に利用できる制度がない」、「民間の身元保証サービスや専門職への委任は、経済的に余裕がない人には使いにくい」などです。低所得の人でも利用しやすい公的な身元保証の仕組みを求める意見なども多くみられました。
エンディングへのサポートニーズ
身元保証人に求められる役割には、死後の手続きも含まれていることから、身元保証の課題と死後事務の課題は密接に関連していますが、身元保証人がいないために死後の対応が不安視され、生前にサービスを受けにくくなっているのだとすれば、権利擁護の観点からも看過できない課題と考えられます。
なお、「身寄りのない人等の死亡時の対応が求められた」という問いに対して「ある」と回答した行政機関は85・3%に及んでおり、その際の対応内容は、図3のとおりでした。
〈棒グラフ〉
図3 身寄りのない人の死亡時の対応(行政)・複数回答
〈棒グラフ終わり〉
見守り活動から見える地域の課題
民生委員児童委員(以下、民生委員)にご協力をいただいた調査では、医療機関や福祉施設の入院・入所に際して「救急搬送時に同乗を求められた」という回答が全体の63・6%に上りました。他には「入院・入所の際の緊急連絡先がない(45・9%)」、「入院・入所の手続き支援が必要(40・8%)」、「病状説明に同席する人がいない(39・1%)」などが上位となりました。また、死亡時に関することでは「孤独死のケースで警察から立会いを求められた」は全体の40・5%ありましたが、「緊急時に親族等への連絡が必要」なケースは69・9%とさらに高い割合でした。
身近な存在である民生委員がさまざまな局面で頼られることは多いようですが、民生委員自身はどう捉えているのでしょうか。自由記述には「民生委員の役割ではないと考えていますが、現状ではやむを得ず支援していることが少なからずあります」「目の前で倒れ、助けてと言っている人を放っておけませんでした。どうすることがよかったのかと今でも考えています」など、活動域と生活圏が同一であるが故の関わり方の線引きの難しさが読み取れました。また「どこまで民生委員が支援したらよいか課題になります。長いおつきあいができてきますと、民生委員活動を超えて人として向き合うことになります」という記述からは、民生委員の役割を超えた、人と人との関係性を大切にされている姿勢が感じられますが、一方で見守り活動や現状の仕組みだけでは解決できない、つなぎ先のない問題が顕在していると考えられました。
地域でどのような仕組みが必要か
本調査からは、現時点で相談自体が突出して多い訳ではないので、相談に関わった関係者が、強い使命感や善意から本来業務を超えた領域に踏み込んで調整や支援をしている現状があると考えられます。しかし、今後の単身世帯等の増加傾向を踏まえると、同様の課題を抱える人はこれから増えることが見込まれるため、踏み込んだ支援に限界がくることも推察されます。
家族の構造や関係性の変化を前提として、機能低下に伴って住み替えること、死に対処することは、すべての人の課題となります。家族による支援に頼れない方が増える今、地域の中で関係者や住民のニーズを踏まえながら、この課題を解決する新たな方策を見出す必要があると考えられます。
本会では、身元保証やエンディングに関する情報を収集するとともに、今後も、会員や関係者の皆さまとこの課題に取り組みたいと考えています。 (権利擁護推進部)
調査報告書は本会ホームページからダウンロードできます。
http://www.knsyk.jp/
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SPECIAL EDITION
新たな時代の地域福祉を目指して~次期活動推進計画の検討進む
本会では、令和3年度からスタートする次期活動推進計画について、本会職員による委員会や外部委員による計画推進委員会にて検討しており、本年度で終了する現活動推進計画や現在の社会状況から見えた課題、本会が担うべき役割等を踏まえ、策定を進めています。
今号は、次期計画について、策定状況をお伝えします。
現在の計画期間における社会や法律の動き
人口の減少・少子高齢化による稼働可能年齢層の減少や家族機能の変化により、生活困窮や社会的孤立等の複合的な生活課題を抱える世帯が増加しています。また、地域の支え合いが弱まり、誰にも相談できないなど、課題が深刻化するケースが増えています。
高齢者数がピークを迎える2040年に向け、国は持続可能な社会保障改革の基本コンセプトに「地域共生社会」の実現を掲げ、推進の方策を検討してきました。
具体的には、社会福祉法改正(社会福祉法人の公益的取り組み)や介護保険法改正(地域包括ケアシステム強化)、生活困窮者自立支援法改正等のほか、多機関協働による包括的支援体制構築事業などのモデル事業を実施しています。
現在の計画を踏まえた策定
このような社会状況の中、策定にあたり、令和2年度までの現計画の重点課題として会員と協働で取り組みを推進してきた「生活困窮や制度の狭間の課題を地域で支え合うための新たな協働の推進」「社会福祉事業等の担い手づくりの推進」「社会福祉の推進に向けた拠点の整備」の成果や課題を踏まえて検討しています。
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本会の役割を踏まえて
本会は、限られた財源・人材の体制の中、法律や制度への対応をはじめ、本会の役割・機能を一層発揮していくために、次のことを意識し、取り組んでいます。
○地域生活上の課題や社会福祉の新たな動向を踏まえ、会員や様々な関係機関・団体の参加と協働により地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進を図る。
○会員等の日頃の取り組みから見える課題を社会に発信し、課題への対応を会員や様々な関係機関・団体との協働により推進する。
○「神奈川県社会福祉センター(仮称)」(令和3年竣工)の機能を活かし、本会の今後の目標と事業展開を示した計画とする。
基本理念
国が地域共生社会の実現を掲げる以前より、社協では住民主体を命題に地域福祉の推進に取り組んできました。本会では、これまでの考え方を継承し、あらゆる人が孤立することのない地域社会を目指し、開拓的、創造的な視点で柔軟に計画を推進していきます。
これらの考え方を踏まえ、次期計画の基本理念は「住民参加と様々な主体の協働による誰もが尊重され安心して生活できる地域づくりの推進~地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進」としています。
会員や関係者と共に取り組む課題
本会がこれまで行ってきた取り組みを地域共生社会の実現を目標とする法律や制度の動きに沿い整理しながら、特に「県域・市町村域での本会の役割」や「会員と共に取り組むこと」を検討を進めました。一方で社会福祉法の都道府県社協の役割等も見据え、次期計画期間内に取り組む課題を3つに整理しました。
○包括的支援体制の推進…住民の生活する地域を基盤に社会的孤立の防止や生活課題の解決に向けた包括的支援体制の推進を目指し、様々な機関・団体の相互の連携・協働のための支援を行う
○地域課題の把握から解決を目指す地域の体制づくりの推進…当事者の社会参加やボランティア活動の促進、民生委員児童委員活動やNPO法人等、様々な主体との協働を進め地域の体制づくりに向けた協働・支援を行う
○福祉サービスの質の向上への取り組みの強化…一人ひとりの権利が護られ、安心して自立した生活を支える質の高い福祉サービスの実現に向け、福祉従事者の確保・育成、福祉施設・事業所の運営への支援を強化する
今後の予定
会員や関係者と共に取り組む課題から、基本目標や重点課題の設定や事業も体系化する他、事務局体制の見直しを行います。なお、本年秋にパブリックコメントを実施予定です。詳細はホームページ等でご案内いたしますので、ぜひご意見をお聞かせください。
(企画調整・情報提供担当)
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NEWS&TOPICS
手づくりマスクでコロナウイルスに負けるな!ーひらつか障がい者福祉ショップ「ありがとう」
新型コロナウイルス感染症の感染予防にと、マスクの需要が高まっています。この事態に、手作りマスクを販売することにしたひらつか障がい者福祉ショップ「ありがとう」事務局長の今井康巨さんに、生産の様子についてご寄稿いただきました。(4月20日寄稿)
■手づくりマスク作りで奮闘中
新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応で政府の要請により事業や外出の自粛、各種イベントや行事等が中止となっているところです。そして集団感染も危惧される現在、福祉ショップ「ありがとう」の会員事業所においても日々予防の対応が行われています。
5年前からマスクづくりを手がけている事業所によれば、普段はあまり売れないとのことですが、このたび需要が高まり生産が追いつかない状況になりました。思わぬ事態に福祉ショップ運営協議会の高橋眞木会長が、各会員事業所に連絡し「明日からマスクを皆で販売しないか。何枚でもいいから持って来てほしい」と呼びかけたところ、5事業所が次々と手を上げました。材料のガーゼや布、ゴムひもも不足しており、時間のないところで、職員が街を駆け回って買い集め作ったり、既に販売している季節の花を染めた布巾を折り畳んでゴムひもを通しただけで簡単に使えるマスクを作ったりと、翌日には何枚ものカラフルで実用的な手づくりマスクが店頭に並びました。このことが話題となり、各TV局や新聞社から取材を受けました。販売員の女性利用者ご本人は笑顔で心のこもった手づくりマスクをPRしていました。ご購入いただいた方からも「マスクがなくて困っていた。助かります。」「綺麗で可愛いマスクですね。大切に使います。」との温かいお言葉もいただきました。朝から並んでいる方もいて毎日整理券を配って限定販売をしています。
緊急事態宣言で街に活気がなくなっていく中、「ありがとう」ではコロナウイルスに負けない気持ちで明るく元気に頑張っています。そして社会を支える一員として誇りをもって毎日お客様をお迎えしています。
(ひらつか障がい者福祉ショップ「ありがとう」事務局長
今井康巨(しんわルネッサンス))
〈コラム〉
ひらつか障がい者福祉ショップ
「ありがとう」
平塚市は、特別支援学校や農業・工業・商業を始めとする専門的な教育機関や障害施設、旧地域作業所・小規模施設が設置されている「福祉、教育」の町です。ひらつか障がい者福祉ショップ「ありがとう」は、そんな平塚市の市役所1階多目的スペース内に常設されたワゴンショップとして、平成26年7月28日に誕生しました。
「ありがとう」の運営は平塚市内を中心に30以上の福祉団体、事業所がひとつとなり、福祉ショップ運営協議会を結成し、行っています。
ショップは、平日午前10時から午後3時半まで毎日営業。お弁当、焼き菓子等の食品や雑貨類などバラエティに富んだ商品を販売し、季節に合わせた企画で盛り上げています。
事業は販売部門を中心に広報部門、共同受注窓口部門等を組織。特に広報部門ではFM湘南ナパサ78.3MHzで「バリア!フリフリ天国」という番組を持ち、会員事業所の利用者ご本人、職員がパーソナリティとして毎週月曜19時より30分出演し、情報発信しています。
〈コラム終わり〉
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福祉のうごき 2020年3月26日〜4月25日
●急病でも頼れる人なし28.3%、生きづらさ、孤立状態深刻
ひきこもりの人の28.3%が急病などで頼れる人がいない深刻な孤立状態であることが(一社)「ひきこもりUX会議」の調査でわかった。調査は昨年、当事者・経験者を対象にインターネットや書面で実施した。回答した1,686名のうち940名が今も引きこもり状態にある。
●鎌倉市と同市郵便局が高齢者と子ども見守りで連携
鎌倉市と同市22の郵便局は、24日、高齢者や子どもの見守りなどを含む持続可能なまちづくりを目的とした「連携と協力に関する協定」を締結した。見守りの他に、市からのお知らせコーナー、募金箱の設置や郵便局への子どもの職場体験受け入れ等も検討している。
●災害リスクの高い高齢者等の情報共有化、政府検証チーム
31日、政府の検証チームが、災害リスクの高い地域に住む高齢者など「避難行動要支援者」の情報を市町村の防災、福祉の部局が共有するよう方針を固めた。ケアマネジャーや民生委員が高齢者宅を訪問する際、災害リスクを本人と確認する取り組みを進める。
●綾瀬市、住民参加型移動支援事業に補助
2020年度、綾瀬市は高齢者らの移動、外出を支援するため、住民参加型の移動活動支援の補助制度を創設する。同市には鉄道駅がなく、移動には車が主体であることが背景にある。市は、活動を通じて地域住民の連帯意識の高まりを期待している。
●7都府県、新型コロナ下でも介護サービスの継続を要請
7日の緊急事態宣言にて、通所介護等の利用制限ができるようになった7都府県は利用者、家族を守るために欠かせないとして、介護サービスの運営継続を政府に要請した。感染防止策を徹底したうえで継続するとし、厚生労働省も留意点等を示している。
●横須賀市、相談窓口「ほっとかん」を設置
横須賀市は、複数の部署にまたがる課題を抱える人を職員が継続して関わる福祉の総合相談窓口「ほっとかん」を開設。「困りごとを放っておかない」という意味で名づけられた。窓口を見えやすくし、「成年後見制度」「終活」をきっかけに生活問題のフォローを行う。
やさしさのおくりもの
会員組織・活動への心温まるご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
本会の施設部会は10の種別協議会で構成されています。今回は昨年度の台風第15号・第19号で被害にあった施設、新型コロナウイルスの影響に伴う施設への「やさしさのおくりもの」について紹介します。
* * *
(一社)生命保険協会神奈川県協会から、12月に台風第15号・第19号で被害のあった施設を中心に、全体で7件・総額150万円の寄附をいただきました。台風被害の配分先は、川崎市の特別養護老人ホーム(老人福祉施設協議会)、鎌倉市の障害福祉施設(社会就労センター協議会)、箱根町の介護老人保健施設(介護老人保健施設協議会)となっています。
同じく12月に熊本県社協・熊本県老人福祉施設協議会から熊本県内会員施設のご厚意として見舞金をいただき、本会老人福祉施設協議会会員施設の被災状況について確認した上で、川崎市内の会員施設へ配分しました。
3月には、新潟県社協・新潟県社会就労センター協議会からも本会社会就労センター協議会の会員施設に対して見舞金をいただきました。
* * *
昨年度末には、新型コロナウイルスに関連して、ジョンソン(株)(横浜市西区)より、母子生活支援施設協議会10施設にハンドソープの寄贈をいただきました。
4月に入り(一社)初代タイガーマスク後援会(東京都港区)から児童福祉施設協議会に、子ども用・大人用マスク1万枚を寄贈いただきました。
〈写真〉
左から初代タイガーマスク後援会の新間代表理事、大倉理事長
〈写真終わり〉
また、緊急事態宣言を受けて、外出できない子どもたちが少しでも安らげる時間を過ごせればと、(株)ベルン(東京都目黒区)から児童福祉施設協議会49施設に対して、ミルフィーユとジョリクールの寄贈をいただきました。
(社会福祉施設・団体担当)
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私のおすすめ
◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。
誰でも簡単クッキング!!
新型コロナウイルス感染症が感染拡大する中、障害のある仲間たちが肩身の狭い思いをしているのではないか、心配でなりません。感染防止のために人と人との距離を取ること(ソーシャルディスタンス)の重要性が強調されていますが、私たちは生活介助やガイドヘルプなど、誰かがそばにいてくれなければ自立生活を続けることが困難です。
今月は自宅で過ごす時間が少しでも充実するような、おいしい!簡単!安全!なクッキングレシピをご紹介します。
今月は→(N)神奈川県障害者自立生活支援センターがお伝えします!
通称KILC(キルク)。1997年4月設立。障害者の自立生活を目指してピアカウンセリング(障害者による相談事業)や各種情報提供、障害者施策の研究・提言など障害当事者の目線で共生社会の実現を目指した活動を展開。現在、厚木・平塚等3カ所の事業所で活動中。
〈連絡先〉
〒243-0035 厚木市愛甲1-7-6
TEL046-247-7503 FAX 046-247-7508
URL:http://www.kilc.org Mail:info@kilc.org
◇塩分・カロリー控えめレシピ
(N)神奈川県視覚障害者福祉協会のホームページには、ガスコンロを使わずに、電子レンジやオーブントースター、電気炊飯器を使用して、安全で簡単に、短時間で料理ができる、楽しさを知ってもらえることを期待して作られたレシピが多数紹介されています。
高齢者・障害者はもとより、ホームヘルパーの方や単身者、メタボが気になる方にも活用されることを意識して作成されているのもオススメポイントです。
今回は、簡単なのに本格中華なレシピを1つご紹介します。
チンジャオロース
〈材料 2~3人分〉
・牛もも薄切り肉100g
・ピーマン3個
・たけのこ100g
・パプリカ1/2個
・オイスターソース大さじ1
・片栗粉小さじ1/2
・ごま油小さじ1
〈作り方〉
1.肉・野菜を細切りにする。
2.オイスターソース、片栗粉、ごま油を合わせ、牛肉と混ぜる。
3.野菜を耐熱容器に敷き、その上に味付けをした肉をかぶせる。
4.ラップをして10分加熱する。
☆材料の切り方をすべて千切り(細切り)にするのがこの料理の由来です。
出典:(N)神奈川県視覚障害者福祉協会ホームページ「高齢者・障害者等 安全・簡単・おいしいクッキングレシピ」
http://www.npo-kanagawa.org/recipe_index.html
『おいしいクッキングレシピ 神奈川県』で検索を!
◇若い世代の方々お気に入りの“MY朝ごはん”
県のホームページには、厚木保健福祉事務所に実習に来た管理栄養士を目指す学生のみなさんが考案したレシピが紹介されています。若い方が朝食によく食べている食材を使った、とっても簡単でお財布にもやさしいレシピです。今回はその中から、忙しい朝にもピッタリなレシピを1つご紹介します。
炊飯器deカルボナーラリゾット
〈材 料〉
・米1合
・水2合分
・ポタージュスープ
(カップスープの素)2袋
・トースト用のチーズ1枚
・黒コショウ少々
〈作り方〉
1.米をいつも通り研いで、水を2合の線まで入れる。
2.カップスープの素を入れ、その上に4等分したチーズをのせる。
3.炊飯器のスイッチを入れ、炊き上がったら黒コショウをかけて完成。
☆ハムやソーセージを入れたり、スープの素を変えてみたり、とアレンジ自由♪
☆カップスープといえばパンになりがちですが、ご飯なら腹持ちがいい!
出典:県ホームページ(厚木市保健福祉事務所)「まいあさごはん~朝食向け“超簡単!!”レシピ~」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/iy8/eiyou/p451950.html
レシピは随時追加されるので、時々ホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。
『まいあさごはん 神奈川県』で検索を!
P9
福祉最前線ー現場レポートー
◎このコーナーでは県内各地の福祉関連の当事者・職能団体等の方々から日ごろの取り組みをご寄稿いただきます。
(一社)神奈川県介護支援専門員協会
理事長 青地 千晴
介護支援専門員が高い倫理観を持ち、利用者の立場に立った質の高いケアマネジメントを実践することを目的として設立した職能団体です。
〈連絡先〉〒231-0023 横浜市中区山下町23 日土地山下町ビル9階
TEL 045-671-0284 URL:http://www.care-manager.or.jp/
県内の介護支援専門員の資質向上を目指して
当協会は、県内の介護支援専門員が個人入会する職能団体です。活動の理念は、「①要介護状態になった場合においても、生活全般を支える質の高い介護サービスやインフォーマルサポート等の支援が利用できるようにすること」と「②介護支援専門員が高い倫理観を持ち、利用者の立場にたったケアマネジメントを実施すること」です。
こうした理念を実現する為、自治体や関連団体との連携・協力の基に保健・医療・福祉のチームケアを推進するとともに、利用者本位のケアマネジメントができる介護支援専門員を養成し、利用者を支えるネットワークを構築する必要があります。
さらに「質の高いケアマネジメントの実現のため、保健・医療・福祉のチームケアの推進等に関する事業を行い、要介護者等の生活全般の支援に寄与する」ことを組織のビジョンとして、次の事業に取り組んでおります。
〈写真〉
疾患別マネジメントの視点研修「心疾患がある方のケアマネジメント」の研修の様子
〈写真終わり〉
〈囲み〉
1 介護支援専門員生涯研修体系構築・推進事業
主任介護支援専門員研修等の法定研修や、ファシリテーター研修をはじめ、さまざまな講師を招いての法定外研修等、介護支援専門員の資質向上を目指した研修事業の活動が最も多くなっています。
2 神奈川県介護支援専門員研究大会
3 地域連携事業
4 広報・出版事業
5 制度改正・調査研究事業
6 協力団体会員会長会議の開催
7 災害支援事業
8 一般社団法人日本介護支援専門員協会等関連団体との連携
〈囲み終わり〉
以上の活動を実施しておりますが、これらの活動を支えてくれる協会会員の組織率は、他の専門職能団体に比べるとまだまだ低いのが現状です。
今後はより組織率を高め、情報の発信や県内の介護支援専門員がさらに資質向上できるような活動を目指すとともに、制度改正に向けては、介護支援専門員の現場の声を国への「提言」へもつなげて参りたいと思っております。
P10
県社協のひろば
新型コロナウイルス感染症に関わる本会の状況-会員等へのアンケートや本会の取り組み
本会では「新型コロナウイルス感染症拡大の中、他の事業所がどのように対応しているのか知りたい」という会員の声を受け、部会等が主体となりアンケート調査を実施しました。
社会就労センター協議会、市町村社協部会、2種・3種正会員連絡会、ともしびショップでは、活動や営業への影響、利用者の生活面での困りごと、行政や関係機関への要望事項等を調査し、結果を共有しました。消毒薬やマスクを優先供給してほしい、行政の対応などの情報を速やかに提供してほしい、という回答は種別や団体を問わず多くみられています。障害当事者の団体からは、命に関わるひっ迫した状況も寄せられ、本会でもこのアンケート結果の活用を検討しています。
また、老人福祉施設協議会では、「新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた対策について」と題し、施設運営に資する情報の迅速な共有、衛生物品の優先的確保について、県に要望書を提出しました。
このほか本会では、県民に対して、新型コロナウイルス感染症により減収となった世帯へ生活福祉資金の貸し付けや生活困窮者自立支援制度による住居確保給付金の相談(町村部対象)なども行っています。相談先はそれぞれの制度と相談者のお住まいで異なりますので、下記でご確認ください。
(企画調整・情報提供担当)
〈コラム〉
=コロナウイルス感染症に関わる困りごとや意見などについて=
【当事者団体から寄せられた回答】(抜粋)
○在宅介護の家庭は、介護に使用するオムツや消毒液が購入できず感染症への不安や病院の利用制限などがある。長引くと命に影響する
○親と障害児のどちらかが感染しても隔離生活が難しい。子どもが意思疎通が難しい場合、治療が受けられるのか
【社協や事業所、職能団体から寄せられた回答】(抜粋)
○職員に感染者が発生し、多くの職員が濃厚接触者となった場合の対応など、感染者が出た場合の対応が定まっていない
○利用者の作業について外部の仕事がなくなり、また日常と生活リズムが変わり利用者が混乱している
○業務縮小により利用者の工賃や家賃の支払いが困難
○社会的距離の確保が強調されているが、利用者の命を守るために施設職員は業務を継続していることを忘れないでほしい
〈コラム終わり〉
〈囲み〉
=生活福祉資金=
新型コロナウイルス感染症の影響による休業や失業で、生活資金にお困りの方々に向けた無利子の貸付制度です。
-緊急小口資金-
◇休業された方等向け
◇貸付上限額:10万円以内(学校等の休業、個人事業主等の場合20万円以内)
-総合支援資金(生活支援費)-
◇失業された方等向け
◇貸付上限額:(単身世帯)月15万円以内、(複数世帯)月20万円以内
ともに貸付期間は原則3カ月以内
◆相談・申し込み窓口:お住まいの市区町村社会福祉協議会
◆郵送でのお申込み(緊急小口資金):お住まいの市区町村社会福祉協議会と中央労働金庫で受け付け
貸付要件等制度の詳細や相談窓口連絡先、郵送での申し込み送付先や申請書類のダウンロード等は、本会ホームページをご覧ください。
URL:http://www.knsyk.jp/s/shiru/kashitsuke_kinkyu_corona.html
※償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯は償還を免除することができる予定です。
〈囲み終わり〉
〈囲み〉
=住居確保給付金(生活困窮者自立支援制度)=
離職、自営業の廃業、または休業等に伴う収入減少により、離職等にはならないが、これらと同等の状況になり、経済的に困窮し、住居を喪失した方または住居を喪失する恐れのある方を対象に、家賃相当額(上限あり)を自治体から家主に支給する制度です。
◆相談・申し込み窓口:①市にお住まいの方⇒市の相談窓口 ②町村にお住まいの方⇒県の相談窓口
相談窓口については、県ホームページをご覧ください
URL:http://www.pref.kanagawa.jp/docs/r6w/cnt/f533087/
〈囲み終わり〉
P11
information
本会事業の実施状況について
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、本会では当面の間、本会主催の会議、研修会等について、やむを得ない場合を除き、原則として延期、中止とすることとしています。
また、一部窓口、施設では、利用時間の短縮や制限を設けております。
本会事業の実施状況や施設の開所状況等については、本会HPをご確認下さい。
URL:http://knsyk.jp/
新型コロナウイルス感染症に関するお知らせや情報
県内での対応や相談窓口等の情報が、県ホームページにまとめられています。生活の困りごとの他、学生に向け学習支援サイトや事業者向けの情報サイトなどが紹介されておりますので、お役立てください。
URL:http://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/bukanshi/bukan_200114.html
寄附金品ありがとうございました
【交通遺児援護基金】(株)エスホケン
【子ども福祉基金】(株)エスホケン、脇隆志、(株)いなげや
【ともしび基金】県立藤沢養護学校、広瀬公子、(公財)積善会曽我病院(合計9件210,832円)
【寄附物品】元町児童館、ビューティーサロンあき
【ライフサポート事業】
〈寄附物品〉(N)セカンドハーベストジャパン
(いずれも順不同、敬称略)
神奈川県社会福祉センター整備事業協賛ありがとうございました
(福)たちばな福祉会
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P12
かながわほっと情報
〝今の心〟を救いたい
よこすかなかながや代表・和田信一さん(横須賀市)
「子ども食堂の取り組みを知ったとき、自分も少しだけでも支援できればという思いで、近隣の活動に参加したのが最初です。」
さまざまな困難を抱えている子どもたちの姿やその現状に向き合う支援者たちと関わった和田信一さんは、この経験から、横須賀市に移り住み、「よこすかなかながや」を立ち上げました。
これまでの活動で知り合った方やボランティア、近隣の学校、行政、スクールソーシャルワーカーと連携し、子どもたちの居場所や、必要な子には食事を無料で提供する子ども食堂の活動を行っています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策として全国の学校に休校要請が出された2月、和田さんはすぐさま行動。近隣の中学校の校長先生や関係者に、昼食にお弁当を配布する活動をしたいと呼びかけ、配布場所の提供等の支援、資金や食材等の寄附を受けながら、活動を開始しました。
初日の配布は20食。チラシ等を見てやってきた子どもたちに手渡しました。この活動が新聞等に取り上げられたことで、支援団体から、お弁当が必要な子がいると連絡が入るようになり、4月に入ると、一日に配布するお弁当は約80食に増えました。
よこすかなかながやの活動理念は「出逢った子どもたちの今の心と未来につながるいのちを大切に想う」。この想いは和田さんの原動力になっています。
〈写真〉
普段は学校のある平日毎朝の子ども食堂と週に3回の居場所を開催。居場所では夕食を提供。食事は登録制になっている。
〈写真終わり〉
「今、〝つらさ〟を感じている子どもたちを助けたい想いで活動をしてきました。コロナで大変な今回もそう。学校に行けなくなって、給食がなくなって、食べること、今を生きていくことが難しい子どもがいる。行動を起こすべきだと思ったんです。」
子どもたちの〝今の心〟を救うという強い想いで活動する和田さんの熱意に、賛同する支援者たちが集います。よりよく活動が出来るようにと差し伸べられた手に、和田さんは深く感謝しながら、子どもたちへの支援を続けます。
「課題は多く、間違いもあるかもしれない。それでも、行動を起こすことに意味があると信じているんです。」
(企画調整・情報提供担当)
お知らせ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け「緊急事態宣言」が発令され、この度、5月末まで期限延長が決定いたしました。
この状況を踏まえ、6月15日発行予定の福祉タイムズ6月号(№823)は発行を見送らせていただきます。ご理解くださいますよう、お願いいたします。
今のところは、7月号とあわせた発行を考えておりますが、感染拡大の状況や国・県の関連する対応策等を鑑み、判断いたします。HP等による情報発信・提供は引き続き実施しています。参照ください。
県民・会員の皆さまとお会いする機会に恵まれない事態が続きますが、心は寄り添い、ひとつになって、この困難な局面を乗り切っていきましょう。(福祉タイムズ編集担当)
「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
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【発行日】2020(令和2)年5月15日(毎月1回15日発行)
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