福祉タイムズ

Vol.823・824(2020年6・7月号)

このデータは、『福祉タイムズ』 Vol.823・824(2020年6・7月号)(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。データは、下記リンクからダウンロードが行えます。

テキストデータ作成に当たって
 このデータは、『福祉タイムズ』 vol.823・824 2020年06・07月号(発行:神奈川県社会福祉協議会)をテキスト化したものです。
 二重山カッコは作成者注記です。

P1
福祉タイムズ ふくしTIMES
2020.06・07 vol.823・4
編集・発行 社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

特集…P2
「緊急事態宣言」今、ふりかえって 第1回
一変した生活・環境広がる影響と浮かび上がる課題
NEWS& TOPICS …P4〜6 令和元年度県共同募金会配分結果・決算報告
新しい活動のあり方を―「通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド」
県民児協版「児童委員・主任児童委員のためのヒント集」発行

◆今月の表紙 上手に洗えたかな?【詳しくは12面へ】撮影・菊地信夫(きくちのぶお)〉

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連載 「緊急事態宣言」今、ふりかえって 第1回
一変した生活・環境広がる影響と浮かび上がる課題
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言では、活動の自粛が呼びかけられ、私たちの普段の生活に大きな影響を及ぼしました。福祉の分野においても混乱が生じ、どのような対応や支援が必要であったか等、さまざまな課題が挙げられています。本紙では、緊急事態宣言等の影響や自粛活動の中での状況をそれぞれの立場から振り返り、未だに危惧されている第2波等に向け、どのような対応が必要か、連載を通じて考えていきます。
 第1回目の本号では、本会が会員に対して実施したアンケート調査結果等を中心に、受けた影響を振り返っていきます。

難しい「3密」への対処
 新型コロナウイルス感染症の感染防止策として「3密」を避けることが求められました。換気の悪い密閉空間、多数の人の密集、間近で会話する等の密接の3つを指し、これらの状況が発生しないよう、不要な外出の自粛や人と人とに間合いを設ける「ソーシャルディスタンス」等に努めるよう、今なお呼びかけられています。
 この「3密」を避ける取り組みは私たちの生活にさまざまな影響を与えました。中でも、人が人を支える福祉の現場においては密接を避けることは難しく、介護サービスなど、人と直接接する必要のある支援について、感染防止に配慮しながらサービスを継続するにはどうすればよいか、業務を進めるにはマスクや消毒液等の衛生物品をどう確保するか等を考える必要がありました。大規模な経済自粛の影響で物品の調達が滞ってしまい、適切な支援や対応につなげることが難しく、具体的な対策等の情報を求める事業所からの声は、部会・協議会を始め、政策提言活動における課題把握調査等を通して、本会にも届いておりました。

普段どおりにできない団体活動
 「3密」のひとつである密集を避ける為、在宅勤務の導入やイベント等の中止、公共スペース等の閉所といった対策が全国的に行われ、福祉従事者団体や当事者の団体においても、その影響を大きく受けていました。
 年度初めの4月、1年の活動方針を決める役員会等の開催を予定していた関係団体は多くありましたが、原則として中止や延期を余儀なくされました。本会も、理事会等については文書審議による開催とするなど、方法を変えて実施した事業もありました。
 イベントの中止によって団体の会員や利用者等の相互交流の機会が減ったことや、代替の方法で実施したことで事務等の負担が増えたなど、団体の活動継続に影響が出たという声も挙がっています。
 また、事業活動休止のほか、受託業務のキャンセルによって、財政的に受ける影響が懸念されました。本会社会就労センター協議会やともしびショップへのアンケート調査結果からは、事業所の利用者への工賃の確保が難しい状況であることがうかがえ、自粛活動が長引けば収入の大幅減少は避けられないと、先の見通せない不安が聞こえてきています。
 2種・3種正会員連絡会から寄せられた声の中の一部には、電話やメールでのやりとり等、自粛の中でもできる活動を行っている団体が見受けられましたが、お互いの表情を見て話せないことに戸惑う人も少なくないようで、団体と会員や利用者とのつながりの維持が難しい状況であったことが察せられます。

P3

さまざまな不安と課題
 在宅介護では、家族が衛生物品の確保に苦慮するケースや、認知症に関しては症状が悪化するケースがあるなど、メディアで報道されました。本会事務局にも、さまざまな課題を聞く中で、それぞれの団体を通じて、障害当事者やその家族の生活面に関する影響について聞こえてきました。
 例えば、感染防止のために外出時はマスクを着用することが求められますが、知的障害の方の中には着用が難しい方もおり、「未着用で外出すると、周囲の人から白い目で見られてしまう」。一方で「買い物等必要な外出だが、本人を一人留守番させることも難しい」という家族からの声は、それぞれの状況に応じた感染防止対策と配慮すべき課題があることが分かります。
 また、外出自粛によって在宅の時間が長くなったことにより、家族等にかかる負担の増加や、人との交流や働くことを制限されることによる本人のストレスの増加などといった課題もあり、周囲の人たちに認知症や障害に関してどう理解を得るかも、悩みのひとつとして挙げられました。
 さらに、感染してしまった場合に「隔離生活が難しい」「誰が本人の面倒を見てくれるのか」など、介護や支援を行う家族から不安の声も聞かれ、変化する生活への対応に追われる中、感染への恐怖も重くのしかかっていたことがうかがえます。

〈コラム〉
令和2年度政策提言活動では
 本会では、さまざまな社会状況の変化や社会福祉の課題に対し、日頃から社会福祉の現場で活動している本会会員の声を施策に反映していくことをねらいとして、政策提言委員会を平成23年に設置。10年目の節目となる本年度は、多様化・複雑化する福祉課題等を共有し、具体的な提案・提言として反映されるよう、課題把握調査等を進めていく予定でした。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やこれに伴う緊急事態宣言により本会部会・協議会にて調査に関するとりまとめが行えなかったことに加え、ヒアリングによる種別を越えた課題共有の場を作ることができなかったため、実施内容の変更を検討することとなりました。
 緊急事態宣言の発令や大規模な経済自粛による影響は福祉分野でも大きく、支援や情報の共有を求める声は本会にも届いておりました。これらは広く共有すべき課題と考え、本年度の政策提言活動は、本会に寄せられた意見や実施されたアンケート調査結果等についてまとめ、会員間や行政と課題共有を図る形で実施いたします。まとめた内容は本会会員等との課題共有や行政所管課等との情報交換につなげていくと共に、本紙等を通して情報共有を図っていきたいと思います。
〈コラム終わり〉

望まれる「情報共有」
 団体等の中には、それぞれの会員から寄せられた不安や課題に対し、オンラインで相談業務を行う、必要な衛生物品の配布を行う等、普段とは別の方法での支援を模索しているところもありました。一方で、こうした事態に関する事例等が少ないために、明確な対応策がつくれていない団体も少なくありません。
 本会老人福祉施設協議会や児童福祉施設協議会からは、5月に県へ提出した「新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた対策について」の要望書の中で「正確かつ迅速な情報提供を行ってほしい」といっています。
 政策提言活動の課題把握調査においても、行政や社協に対し、情報提供を望む声は多く挙がっています。自粛等の影響によってつながりが分断され、情報が入手できない状況であったことに加え、通常の生活が戻るまでのおおよその見込みや感染防止策や支援方針等が見えてこないことから生じる不安が大きな理由として考えられます。
 また、一般的な感染防止策の他に、それぞれに合わせた個別な配慮が必要なケースが存在することや、「3密」を避けながらも支援を途切れさせないよう、さまざまな工夫をしながら、ひとりひとりに向きあっている福祉従事者の存在を理解してもらえるよう、現状の姿を発信してほしいということも、要望として聞こえてきています。

声を受けて、本会では
 本年度の政策提言活動においては、事務局に寄せられたご意見や、各部会・協議会での調査、取り組み等をとりまとめ、本会会員等との課題共有や行政所管課等との情報交換につなげていく予定です。
 また、本紙では情報提供、課題共有の一環として、福祉分野における新型コロナウイルス感染症の影響や感染予防策等の対応に関する課題について、連載を通して発信していきます。

 福祉タイムズ5月号10面では、新型コロナウイルス感染症に関わる本会の取り組み等について掲載しています。
 バックナンバーはホームページにてご確認いただけます。
URL:http://www.knsyk.jp/c/times/
(企画調整・情報提供担当)

P4
NEWS&TOPICS
令和元年度県共同募金会配分結果・決算報告
配分結果
 令和元年10月から令和2年3月まで実施しました共同募金運動に、県民の皆さまから10億8842万円を超えるご寄付をいただきました。厚く御礼を申し上げます。
 令和元年度は、県内525の社会福祉施設・団体から配分申請が寄せられ、公正な配分を実施するため、県共同募金会「配分委員会」の委員が申請施設を現地調査するなど、慎重に査定案を策定いたしました。
 同委員会で承認されました配分案は、さらに令和2年3月に開催しました県募金会の理事会・評議員会で最終審査が行われ、下記のとおり共同募金の使途が決定しましたことをご報告いたします。
 県募金会では、現在、企業や社会福祉協議会と協働して、コロナ禍により困難な状況にある方々を支援する活動に取り組んでいます。
 共同募金運動への御礼とともに、引き続き県募金会の事業をご支援くださいますようお願いいたします。

収支決算の報告 県共同募金会令和元年度収支決算内容を、次のとおり報告します。

〈表1〉
令和元年度共同募金・使途概要
▽地域福祉を推進する市区町村社会福祉協議会の活動を支援するために(58団体) 256,500,344円
▽法定社会福祉施設を利用する児童・障がい児者・高齢者を支援するために(132施設) 169,520,556円
▽青少年・障がい者・高齢者・難病当事者・女性保護団体等の活動を支援するために(101団体) 114,739,773円
▽在宅福祉サービスを推進する非営利型福祉団体の活動を支援するために(176団体) 34,960,000円
▽年末たすけあい募金として募集し、市区町村ごとに行う援護や事業のために(58団体) 362,032,742円
▽国内大規模災害時の被災者支援のための災害準備金繰入額として 32,652,000円
▽県内の火災・風水害被害者への見舞金、民間社会福祉施設の風水害等による復旧工事等のための緊急資金として 6,000,000円
▽市区町村ごとに共同募金運動を展開するための募金資材の作成等に 58,970,000円
▽全戸配布用広報資料の作製や小中学生福祉作文コンクールの開催事業等に 93,241,839円
▽公の制度では取り上げられない開拓的・実験的・啓発的な事業を推進する社会福祉団体の活動費に 3,000,000円
合計 1,131,617,254円
※上記使途財源には、前年度繰越金等を含みます
〈表紙1終わり〉

〈表2〉
一般会計 各サービス区分収支一覧表 自:平成31年4月1日〜至:令和2年3月31日
社会福祉法人神奈川県共同募金会 (単位:円)
内訳 サービス区分名 本部 寄付金 災害準備金 災害義援金 たすけあい福祉資金 受配者指定寄付金 合計
<事業活動による収支>        
1 収入総額 472,602 1,102,710,884 15,503,399 24,620,074 1,041,675 23,435,541 1,167,784,175
2 支出総額 150,873,279 940,753,415 26,241,573 24,620,074 10,353,096 22,883,470 1,175,724,907
3 事業活動資金収支差額(1-2) △150,400,677 161,957,469 △10,738,174 0 △9,311,421 552,071 △7,940,732
        
<その他の活動による収支>        
収入 サービス区分間繰入金収入 146,590,000 22,383,399 32,652,000 0 6,000,000 0 207,625,399
 積立金取崩額 11,400,000 0 0 0 0 0 11,400,000
4 その他の活動収入計 157,990,000 22,383,399 32,652,000 0 6,000,000 0 219,025,399
支出 サービス区分間繰入金支出 0 181,042,000 22,383,399 0 200,000 4,000,000 207,625,399
 積立金積立額 3,117,000 0 0 0 0 0 3,117,000
5 その他の活動支出計 3,117,000 181,042,000 22,383,399 0 200,000 4,000,000 210,742,399
6 その他の活動資金収支差額(4-5) 154,873,000 △158,658,601 10,268,601 0 5,800,000 △4,000,000 8,283,000
7 当期資金収支差額合計(3+6) 4,472,323 3,298,868 △469,573 0 △3,511,421 △3,447,929 342,268
8 前期末支払資金残高 6,934,735 148,912,971 107,309,000 0 7,928,792 5,951,779 277,037,277
9 当期末支払資金残高(7+8) 11,407,058 152,211,839 106,839,427 0 4,417,371 2,503,850 277,379,545
〈表2終わり〉

〈表3〉
貸借対照表 令和2年3月31日現在
社会福祉法人神奈川県共同募金会 (単位:円)
資産の部    負債の部   
科目 令和元年度 平成30年度 増減 科目 令和元年度 平成30年度 増減
流動資産 1,056,122,907 1,105,311,157 △49,188,250 流動負債 888,382,789 938,332,880 △49,950,091
預貯金 1,055,888,742 1,104,964,042 △49,075,300 事業未払金 24,696,583 34,213,395 △9,516,812
有価証券 82,000 60,000 22,000 開拓啓発事業資金 5,770,100 7,770,100 △2,000,000
事業未収金 152,165 287,115 △134,950 未交付配分金 747,456,316 784,855,221 △37,398,905
    預り金 143,789 266,406 △122,617
    職員預り金 676,574 1,168,758 △492,184
固定資産 330,367,898 338,687,700 △8,319,802 賞与引当金 2,800,000 2,750,000 50,000
基本財産 9,300,000 9,300,000 0 災害準備金 106,839,427 107,309,000 △469,573
基本財産特定預金 9,300,000 9,300,000 0 固定負債 45,516,304 54,123,223 △8,606,919
その他の固定資産 321,067,898 329,387,700 △8,319,802 退職給付引当金 45,516,304 54,123,223 △8,606,919
車両運搬具 1,995,975 1,995,975 0 負債の部合計 933,899,093 992,456,103 △58,557,010
器具及び備品 2,357,844 2,357,844 0 純資産の部   
ソフトウエア 380,160 380,160 0 基本金 9,300,000 9,300,000 0
投資有価証券 0 0 0 その他の積立金 274,167,887 274,030,665 137,222
長期貸付金 2,000,000 2,000,000 0 運営費積立金 47,000,000 47,000,000 0
退職給付引当資産 44,900,000 53,300,000 △8,400,000 支会経費積立金 2,178,000 2,061,000 117,000
運営費積立資産 47,000,000 47,000,000 0 たすけあい福祉資金積立金 224,989,887 224,969,665 20,222
支会経費積立資産 2,178,000 2,061,000 117,000 次期繰越活動収支差額 169,123,825 168,212,089 911,736
たすけあい福祉資金積立資産 224,989,887 224,969,665 20,222 (うち当期活動増減差額) 1,048,958 △10,825,932 11,874,890
減価償却累計額 △4,733,968 △4,676,944 △57,024 純資産の部合計 452,591,712 451,542,754 1,048,958
資産の部合計 1,386,490,805 1,443,998,857 △57,508,052 負債及び純資産の部合計 1,386,490,805 1,443,998,857 △57,508,052
〈表3終わり〉

◇神奈川県共同募金会 TEL 045ー312ー6339 http://www.akaihane-kanagawa.or.jp

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新しい活動のあり方を―「通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド」
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策として、特に人が集まって活動することについて自粛が呼びかけられました。セルフヘルプ・グループ等の当事者による活動や相談事業、地域での「居場所」や通いの場においては自粛や休止があり、緊急事態宣言が解除された今も、今後の活動をどのようにして行うか、いかにしてつながりを持ち続けるか等、課題が挙げられています。

〈写真〉
出典 「東京都健康長寿医療センター 社会参加と地域保健研究チーム 通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド」
〈写真終わり〉

 「地域の通いの場」の運営再開等に向けて、東京都健康長寿医療センター研究所の社会参加と地域保健研究チームから「通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド」が発行されています。
 本ガイドには、活動再開前、活動日前まで、活動日当日の3つのステップに分けて、開催にあたって検討すべきポイントや、感染症予防のために用意すること、配慮すべきポイント等がまとめられており、これからの活動のヒントがつまっています。要点をまとめたチェックリストも発行されており、各項目をチェックしながら活動の準備をしていくこともできます。
 どんな状況でも、必要な支援、必要なつながりが途切れないよう、新しい活動のあり方を探してみませんか。
(企画調整・情報提供担当)
 「通いの場×新型コロナウイルス対策ガイド」は、東京都健康長寿医療センター研究所のホームページでダウンロードできます。
URL:https://www.tmghig.jp/research/release/2020/0529.html

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NEWS&TOPICS
親子とのつながり、協力者とのつながりに向けて―県民児協版「児童委員・主任児童委員のためのヒント集」発行
児童委員・主任児童委員の悩み解決のために
 親が近くに住んでおらず、近所付き合いも少なくなり、子育ての情報をインターネットで得られるようになるなど、子育て中の親子の様子が周囲から見えにくく、人知れず孤立する家庭もあるなか、児童委員・主任児童委員は、親子とつながるため、悩みながら日々活動しています。
 そのような児童委員・主任児童委員の悩みに対し、県民児協では、ちょっとしたヒントを提供するため、「親子とかかわり『つながる』ための7つのステップ~神奈川県民児協版 児童委員・主任児童委員のためのヒント集~」(以下「ヒント集」)を作成しました。

〈コラム〉
すべての民生委員は児童委員を兼ねています
 児童委員は、地域の子どもたちが安心して暮らせるよう、子育て家庭への相談・支援や見守り活動を行っており、厚生労働省から委嘱される民生委員が、児童委員を兼ねています。そのなかで、主に児童分野を専門に担当する児童委員が、主任児童委員です。
〈コラム終わり〉

より良い支援に向けた「7つのステップ」
 「ヒント集」は、新任児童委員の〝神奈川花子さん〟が、7つのステップを経て、悩みや課題を解決しながら、児童委員としての活動の楽しさを見つけていく内容です。
 例えば、いざ児童委員として活動しようと思った時に、地域に住む親子とどう接点を持ったら良いか悩むことが、しばしばあります。また、子どもの個人情報は、保護者の同意が必要とされるなど、支援に必要な情報であっても得る機会が限られます。さらに「地域で見かけた気になる親子にどのように声をかけたら良いか」、「協力者をどのように増やしたら良いか」など、より良い支援につなげていくための悩みは尽きません。
 そこで、この「ヒント集」では、児童委員になったらまず行うこと、関係機関につなぐためのポイント、協力者を増やすコツなどを、現任の児童委員・主任児童委員の経験や気付きをもとにまとめています。

〈写真〉
県民児協ホームページからダウンロードできます
http://www.kmjk.jp/
〈写真終わり〉

児童委員への理解とつながりを深めるためのツールとして
 昨年12月に、3年に1度の一斉改選があり、県域の民生委員・児童委員約4千6百人(県全体では約1万1千人)のうち、約3分の1が交代しました。新任の児童委員・主任児童委員向けに作成した「ヒント集」ですが、現任の児童委員・主任児童委員や地域の関係者の皆さまにもご一読いただき、児童委員・主任児童委員への理解とつながりを深めるきっかけとなることを期待しています。
(神奈川県民生委員児童委員協議会)

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福祉のうごき 2020年4月26日~6月25日
●2020年度国の第2次補正予算の概要(新型コロナウイルス関連)
高齢・障害・救護施設における補正予算
 新型コロナウイルスの感染者が出ていなくても、施設などに勤務し、利用者と接する職員1人あたり5万円の「慰労金」を支給する。感染者や濃厚接触者が発生した場合には20万円。対象施設は、特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護、障害者施設、救護施設など高齢者や障害者を支えるすべての施設・事業所。このほか、消毒液やマスク購入費、感染症対策の研修費も予算内容に含まれる。

児童養護施設等における補正予算
 児童養護施設などへの感染防止対策として1カ所当たり800万円を補助する。マスクや消毒用品の購入費などに加え、新たに事業継続に必要な経費を追加し、残業代や感染症対策業務に関する手当に充てることも可能としている。

介護人材分野等における補正予算
 高齢分野では、深刻な人手不足の状況にあることから全国の介護現場に復帰する経験者に対して、最大40万円を貸し付け、2年間介護職員として勤務すれば返済免除となる事業を全国展開する。対象は介護福祉士など介護系の資格を持ち、現場経験が1年以上ある人。

緊急小口資金などの特例貸付
 生活困窮者への支援では、緊急小口資金と総合支援資金の特例で2,048億円を計上した。今回の措置では、1年後の償還時に所得減少が続く住民税非課税世帯は償還免除とすることで、生活困窮者の生活にきめ細かく配慮する。

雇用調整助成金の特例拡大
 雇用調整助成金については、経済上の理由で事業縮小する事業主が休業手当を払う助成金額を日額8,330円から1万5,000円に引き上げ、計画届の提出や被保険者期間要件も撤廃する。

●改正社会福祉法、成立-地域共生社会に向け、ソーシャルワーク重視
 地域共生社会の実現に向け、市町村の相談体制を強化する社会福祉法等の一括改正法が6月5日に成立した。
 孤立した人が社会とのつながりを持つことができるよう「断らない相談支援」「参加支援」「地域づくり」を想定した重層的支援体制整備事業を新たな事業として盛り込み、伴走支援ができる体制を目指していく。
 このほかに、社会福祉法人が事業運営で連携する社会福祉連携推進法人制度の創設や、喫緊の課題である介護人材の確保と業務効率化の取り組みの強化、また、介護福祉士養成施設卒業者が国家試験を受けなくても資格を取れる経過措置を5年延ばす社会福祉士及び介護福祉士法の見直しなども、今回の改正法に含まれる。
 施行は令和3年4月1日から。

●新型コロナウイルスで、生活保護申請3割増
 新型コロナウイルスで休業要請などが行われた13都道府県の横浜市など政令市を含めた主な自治体で4月の生活保護申請件数が前年と比べて約3割増加したことが、朝日新聞の調べでわかった。
 4月の雇用統計では休業者が過去最多まで急増し、生活保護申請がさら増加する可能性がある。また、厚生労働省は食費などに事欠く人への速やかな保護決定、保護の弾力的な運用をする方針を自治体に示した。

P8
私のおすすめ
◎このコーナーでは、子育てや障害、認知症・介護当事者の目線から、普段の暮らしに役立つ「おすすめ」なものを紹介します。
工藤広伸著「がんばりすぎずに しれっと認知症介護」のおすすめ
 認知症のつらい介護を、発想の転換と工夫により、楽しく穏やかな介護に変えた実践の記録です。コンパクトな本ですが(本文144ページ)、認知症に対する深い理解、症状に対する上手な対応法、道具を使って介護を楽にするコツ、ひとりで抱え込まない心構えなど、認知症介護に必要な内容がぎっしり詰まっています。「がんばりすぎずに、しれっと(平然と)」介護できるようになれば、認知症の人も介護者も気持ちが楽になることはまちがいありません。

今月は→認知症の人と家族の会神奈川県支部がお伝えします!
 認知症の人と家族の会は1980年に、神奈川県支部は1981年に発足。以来今日まで、介護家族の集い、電話相談、会報の発行、啓蒙活動、調査研究、行政への要望などを行ってきました。

〈連絡先〉川崎市幸区南幸町1-31 グレース川崎203号
TEL・FAX 044-522-6801 毎週(月)(水)(金)10時から16時

〈写真〉
工藤広伸著
「がんばりすぎずに しれっと認知症介護」
(新日本出版社)定価本体1300円
初版は2017年12月5日発行

 「一人暮らしの認知症の親」「遠距離介護」「40歳代の息子による介護」などの言葉が並べば、「できるバズがない」「介護にあたる息子さんの苦労が想像できない」などの感想が寄せられると思います。しかし、著者は、ベテランの介護者や専門家でもなかなか思いつかないような発想の転換と工夫により、認知症の母親の介護を見事にこなし、その経験を読者に伝えています。

◆介護に必要な「2つの心構え」
 著者は、認知症介護をよりよいものにするためには「介護者はムリをせず、ラクをしよう」、「人の心を変えることは難しい、でも自分の心を変えるのは簡単」という2つの心構えが大切であると強調しています。「介護は、合わせ鏡」とよく言われます。介護者がイライラすると相手もイライラし、穏やかに接すれば相手も穏やかな表情を示すものです。遠距離(岩手―東京)で一人暮らしの母を介護するために、介護サービスを積極的に利用して、介護負担を軽くしています。また、認知症の人を説得するより、病気の症状として受け止めた方が楽であると理解することで、「しれっと認知症介護」を実践しています。

◆認知症を受け止める
 著者は、理解の難しい母の症状を見事に受け止めています。「認知症の人もプライドを持っている」「認知症の人は一番近い介護者の影響を受ける」「今この瞬間を生きる」「人生歴に行動のヒントがある!」「認知症になっても忘れない息子への愛情」など、小項目を列記しただけでも、その内容を思い浮かべることが出来ます。認知症の人の気持ちとその世界を理解することが認知症介護では最も重要であることがよくわかります。

◆ものを通した認知症理解
 著者の介護の特徴は介護を楽にする便利なグッズを取り入れていることです。
 「今日は何日?」と繰り返す質問に対してはデジタル電波時計を、「何歳?」に対しては数字の形をしたロウソクを、「しまい忘れ」に対してはキーファインダーを、安否確認には見守りカメラとケアプランの工夫など、著者のように工夫すればだれでも介護がおもしろくなりそうです。私も、診察室に、キーファインダーなどの便利グッズを用意しておいて、適時介護家族に紹介しています。

◆視点を変えて気持ちを楽に
 「認知症の人に対しては説得よりも、同情」と言われます。著者も、母のできなくなったことを嘆いたり教え込むのではなく、できることをほめる、小さな仕事を作ってありがとうと感謝することが大切であると、実例を上げて説明しています。嫌がっていたデイサービスへ行く気にさせたやり方も、多くの介護者の参考となるでしょう。
 また、「悩みを書き留める効用」として「介護者としての成長が分かる」「悩みがクリアになる」「誰かに伝えることで共感しあえる」の3点を挙げています。可能であれば読者の皆さんも実践したらよいでしょう。

◆ひとりで抱え込まずに
 私が工夫した「上手な介護の十二か条」に、「気負いは、負け」「囲うより開けるが勝ち」「袴をみつけて、心軽く」「借りる手は、多いほど楽」などがあります。著者のように、ひとりで抱え込まず様々な医療・福祉サービスを利用しながら穏やかな介護を続けてほしいと願っています。

P9
福祉最前線ー現場レポートー
◎このコーナーでは県内各地の福祉関連の当事者・職能団体等の方々から日ごろの取り組みをご寄稿いただきます。

(N)神奈川県精神障害者地域生活支援団体連合会
理事長 戸髙 洋充
 県内(横浜市・川崎市を除く)の地域活動支援センター、グループホーム、相談支援事業所、日中活動支援事業所及び、これらに類する施設事業所の連携を図り、精神障害者の地域生活を支える活動をしています。
〈連絡先〉〒254-0046 平塚市立野町2-24
TEL 0463-79-9441 Mail:kenseiren@theia.ocn.ne.jp

「精神障がいの方が住みやすい地域づくり」
 1984年「神奈川県精神障害者地域作業所連絡会」として、県内の精神障害者地域作業所が横のつながりを持とうとして発足しました。研修や要望活動、県社協主催の精神保健ボランティア講座とタイアップした事業等行いました。そして、大都市特例の施行等により政令市に精神保健法の事務が移譲されたことに伴い1991年に組織改正して、支部化を図り、1997年に、横浜市、川崎市、県域の3団体を構成団体として活動していくことになり、県域の団体として、「神奈川県精神障害者地域生活支援団体連合会(略称:県精連)」に名称変更しました。2004年に特定非営利活動法人を取得し、2013年に平塚に移転し現在に至っています。
 現在、会員は59法人(165事業所)で、地域活動支援センターⅢ型、就労継続支援事業B型、就労移行支援事業、就労定着支援事業、生活介護、グループホーム、委託相談事業所、指定特定相談事業等の事業所の集まりです。県域をさらに5ブロックに分けたブロック活動、事業別の4部会の活動、常設委員会として、ブロックから選出の理事並び委員からなる要望調査委員会と研修委員会が活動をしております。
 要望調査委員会の主な活動は、県下全市町村の補助金等調査を毎年実施することで、各市町村の施策について、取り組み状況を把握し、要望活動に活用しております。
 研修委員会では、新規職員を対象とした基礎研修会を年2回開催し、1泊の全体研修会、ブロックごとの研修会の開催等、職員の資質の向上と横のつながりを深める活動をしています。精神障がいの当事者の方が、自分の病気も含めてそれまで生きてきた体験を発表する会を、ブロック持ち回りで毎年開催し、開催地の市町村長に来賓でのご出席とご挨拶をいただくなど当事者の方たちの思いを聴いていただいております。
 県内は、大都市から中核都市、市町村と、人口規模や財政規模の地域格差がありますが、格差はあっても、そこで生活する精神障がいの方たちは、同じ様に生活のしづらさを抱えています。横のつながりを深めながら、関係機関や地域の皆さんと連携して、精神障がいの方がその人らしく住みやすい地域づくりを目指し、「私たちのことを私たちぬきで決めないで」を肝に銘じて、これからも活動していきます。

〈写真〉
◀全体研修の様子
〈写真終わり〉

P10
information
本会事業の実施状況について
 新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、当面の間、本会主催の研修会等について、やむを得ない場合を除き、延期、中止としています。
 また、一部窓口、施設では、利用時間の短縮や制限を設けております。

◇中止・延期が決定した催し◇
・第56回関東ブロック老人福祉施設研究総会・第19回かながわ高齢者福祉研究大会合同大会(7月)
・第57回関東ブロック郡市区町村社協職員合同研究協議会(7月)*延期
・第69回神奈川県社会福祉大会(11月。県社協会長顕彰は実施予定)
・第44回神奈川県福祉作文コンクール

◇窓口の開所等について◇
 一部窓口では予約制をとっております。また、開所時間の短縮や閉所を行っているところもあります。状況は本会HPをご確認下さい。
 一部事業ではWeb会議や動画配信での実施を検討しております。各事業の実施状況や窓口等開所情報は本会HPをご確認ください。
URL:http://knsyk.jp/

本会主催
新型コロナウイルスに係る社会福祉施設等への派遣職員の協力について
 県では、新型コロナウイルス感染対策として、社会福祉施設等にて感染者が発生した際、入所者へ継続して支援が行えるよう職員の派遣調整等を行う事業を開始しました。本会では県からの委託を受け、派遣可能な施設等の名簿及び、派遣職員を出した施設等で代替職員として勤務可能な方の名簿を作成し、派遣調整を行います。
 本事業に関すること、また、名簿への登録については、下記問い合わせ先までご連絡ください。
◇問い合わせ先=企画調整・情報提供担当 TEL 045-311-1423

会員・関係機関主催
社会福祉士実習指導者講習会
◇日時=11月22日(日)、28日(土)、29日(日)
◇場所=ウィリング横浜(横浜市港南区上大岡西1-6-1 ゆめおおおかオフィスタワー内)
◇対象=社会福祉士
◇費用=受講料10,000円
◇申込=申込用紙に記入のうえ、郵送。申込期間は9月1日(火)~18日(金)消印有効。詳細はホームページをご覧ください
 URL:http://www.kacsw.or.jp
◇問い合わせ先=(公社)神奈川県社会福祉士会 TEL 045-317-2045

神奈川県弁護士会人権賞
 神奈川県内の人権擁護で優れた活動をした個人、団体へ表彰を行っています。賞の候補者を募集しています。
◇日時=推薦受付期間:7月1日(水)~8月31日(月)
 贈呈式:令和3年1月~2月を予定
◇対象=県内で人権侵害に対する救済活動等、人権擁護の分野で活躍した個人または団体
◇申込=候補者推薦書・関係書類を、8月31日(月)必着で、問い合わせ先に郵送か持参。推薦書のダウンロードや詳細はホームページをご覧ください
 URL:https://www.kanaben.or.jp/news/event/2020/jinken25.html
◇問い合わせ先=神奈川県弁護士会 
 〒231-0021横浜市中区日本大通9
 TEL 045-211-7705

寄附金品ありがとうございました
【交通遺児援護基金】(株)エスホケン、ダイセーロジスティクス(株)横浜ハブセンター
【子ども福祉基金】脇隆志、(株)エスホケン
【ともしび基金】県立鎌倉養護学校、(株)マルエツ、神奈川県ボウリング場協会、(公社)神奈川県宅地建物取引業協会、(福)横須賀市社会福祉協議会
 (合計14件 1,120,437円)
【寄附物品】(N)クロスワイズ、(株)トレンドリンクス、横浜幸銀信用組合、夢ら丘実果
【ライフサポート事業】
<寄附物品>(公社)フードバンクかながわ、(福)みなと舎、(N)セカンドハーベスト・ジャパン(いずれも順不同、敬称略)

神奈川県社会福祉センター整備事業協賛ありがとうございました
(株)あんざい
(敬称略 R2.6.24時点)

〈コラム〉
 本会ではセンター整備事業を進めるにあたり、広くご支援、ご協力をいただけるよう協賛金制度を設けております。
 趣旨にご理解、ご賛同いただき、ぜひともご協賛を賜りますようよろしくお願いいたします。
〈コラム終わり〉

P11
役員会の動き
◇理事会=令和2年5月18日付①理事候補者の推薦②評議員候補者の推薦、令和2年6月12日付①副会長の選任②正会員の入会③令和元年度事業報告並びに決算報告(案)④評議員選任・解任委員会委員の選任⑤各種委員会委員の選任⑥評議員会の決議の省略の実施

◇評議員選任・解任委員会=令和2年6月1日付①評議員の選任

◇評議員会=令和2年6月1日付①理事の選任、令和2年7月1日付①令和元年度事業報告並びに決算報告(案)

◇監事監査=令和2年5月21日付①令和元年度事業報告並びに決算報告(案)

新役員紹介
【理事】任期:令和2年6月1日~令和3年6月の定時評議員会の終結の時まで
 桐生行雄(神奈川県民生委員児童委員協議会)、森昭司(川崎市民生委員児童委員協議会)、大貫君夫(相模原市民生委員児童委員協議会)

【評議員】任期:令和2年6月1日~令和3年6月の定時評議員会の終結の時まで
 佐野美智子(神奈川県民生委員児童委員協議会)、三觜壽則(神奈川県民生委員児童委員協議会)、今富子(川崎市民生委員児童委員協議会)、脇山寿満子(相模原市民生委員児童委員協議会)

新会員紹介
【経営者部会】(福)ともかわさき

【施設部会】五反田つばさ保育園、新鶴見ホーム、特別養護老人ホーム和喜園田園、マシュマロ保育園、みぞのくち保育園、ほどがや地域活動ホームゆめ、YMCAオベリン保育園、しんわやえくぼ、錦町保育園あねら

福祉タイムズの感想をお寄せください!
 お寄せいただいたご感想・ご意見は、以降の紙面作成の参考とさせていただきます。ぜひ、お聞かせください!
◇問い合わせ先=企画調整・情報提供担当 TEL 045-311-1423 Mail:kikaku@knsyk.jp

P12
かながわほっと情報
こんな時だからこそのやりがい
(福)湘南福祉センター 平塚保育園(平塚市)
 思いきり遊ぶことで思いやりの心を育てる「じょうぶな身体とやさしい心」を保育方針としている平塚保育園。特に大切にしていることは、子ども達の主体性です。子ども達が自ら選んで遊び、学び、自由な雰囲気の中でさまざまな体験ができるよう、プログラムや遊びが用意されています。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、園外へ出かける「自然遊び」等のプログラムは開催の中止や内容の見直しが図られ、「3密」回避や感染予防に配慮した園内での生活を考える必要がでてきました。
 「普段から衛生面には気を遣っていましたが、今回は、おもちゃの消毒の回数を増やす等、より一層気を付けるよう心掛けました。」―園長の上田理恵さんは感染症予防策への苦労をそう語ります。

〈写真〉
職員が見守る中、園の敷地内で運動中。遊びやプログラムはクラス関係なく自由参加となっている
〈写真終わり〉

 職員同士の密集を避ける為、集まる会議ではなく、個別連絡で子ども達の様子等を共有。衛生物品は、法人内の保育園同士、園の運営に係わる業者や保護者との連携によって確保できました。
 対策に追われる中でも、新たに見えてきたこともあります。食べる量を自分で決められるようバイキング形式であった給食を、保育士があらかじめ取り分けて配膳する方法に変えたところ、「ご飯の量はどうする?」「苦手だけど少しだけ食べてみようかな?」等、保育士と子どもの会話の機会が生まれたのです。
 「保護者の方から『保育園があってよかった』と感謝の言葉をいただく等、職員にとっては新たな発見ややりがいを見つけることができたと思います」と園長は語ってくれました。

手のスタンプ消えたらいただきます
 お昼の時間。おなかのすいた子どもから順番に保育士のもとへやってきます。子ども達が差し出す手の甲にスタンプをぺたり。手がしっかり洗えるとインクが消えるもので、近隣の商店街の方から寄附物品です。
 「きえたかな?」「まだちょっと見える?」とお互いの手の甲を見せ合いながら、石鹸でしっかり手洗い。綺麗になった手でご飯を食べれば、笑顔もぴかぴかです。
(企画調整・情報提供担当)

「福祉タイムズ」は、赤い羽根共同募金の配分を受けて発行しています
ご意見・ご感想をお待ちしています!
バックナンバーはHPから
【発行日】2020(令和2)年7月15日(毎月1回15日発行)
【編集発行人】新井隆
【発行所】社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
〒221-0844 横浜市神奈川区沢渡4番地の2
TEL 045-311-1423
FAX 045-312-6302
Mail:kikaku@knsyk.jp
【印刷所】株式会社神奈川機関紙印刷所

付録

P1
【報告】 令和元年度事業報告・決算
 令和元年度は、台風第15号・第19号による被災や新型コロナウイルス感染症の影響等もありましたが、必要な対応を行いながら、「神奈川県社会福祉協議会活動推進計画」の目標に沿い、地域共生社会の実現に向けた事業の展開や担い手の養成等、国・県の福祉制度・施策動向に対応した取り組みや、より一層の緊急性を要する福祉・介護・保育人材の確保・育成・定着に向けた取り組みを、会員をはじめとする公私の関係機関・団体との連携、協働により進めました。
 以下、主要事業を中心に、令和元年度の取り組みの概要を基本目標ごとに報告します。なお、各事業の詳細な実績については、本会HPをご覧ください。
URL:http://www.knsyk.jp/s/global_syakyou/houkoku_ketusan_top.html

基本目標Ⅰ 多様な主体の参加による支え合いの地域づくりの推進
 多様な主体の参加による地域福祉活動の促進に向け、ボランティア、当事者、住民活動の促進のための協働の場づくり、人材育成、これからの助成事業の方向性等の検討に取り組むとともに、民生委員児童委員の担い手確保のための取り組みを進めました。
 地域福祉推進の中核である市町村社協の機能強化に向け、市町村社協部会にプロジェクトを設置。市町村社協の今後の活動の重点事項等について、「かながわの社協指針2020」としてまとめました。
 また、台風第15号、第19号での被災を受け、県や災害対策に係わる団体等と連携し、情報等共有の場を通して、災害時に備えた連携・協働の関係づくりを進めました。

基本目標Ⅱ 安心して生活できるための福祉サービスの充実
 社会福祉法人の経営や施設運営支援として、種別を横断した福祉課題に対応し、福祉サービスの充実を図るための研修会や事例報告会等を経営者部会・施設部会、全国経営者協議会との共催により開催しました。
 また、災害対応をテーマに県受託事業の「社会福祉法人・施設職員災害対応研修会」を経営者部会等と一体的に実施しました。
 福祉サービスの質の向上を図るため、法人・施設の自己評価活動を支援するとともに福祉サービス第三者評価事業を推進した他、福祉サービス利用者の権利擁護の取り組みの一つとして、苦情相談対応を行いました。

基本目標Ⅲ 福祉サービスの質の向上に向けた人材の確保・定着・育成の取り組みの強化
 福祉・介護の仕事の理解や研修事業の実施にあたり、個別相談や仕事体験・見学と各種セミナー・養成研修等を通し、学びから就労へと継続した支援を行う取り組みを、県内各地域や時期等を考慮して計画的に実施しました。
 また、市町村社協や介護福祉士養成施設、職能団体等との協働事業を視野に「介護に関する入門的研修」「潜在介護福祉士等再就業促進研修」等を実施した他、幅広い層の人材を福祉・介護分野への新規参入に向けたセミナーやガイダンスを年代や地域別に開催し、該当地域の合同就職相談会につなぐなど工夫して実施しました。
 福祉・介護従事者の定着・育成に向け、介護福祉士養成校、福祉施設関係者、福祉従事者研修機関、学識経験者による企画会議において、研修センターの機能・役割、研修事業の方向性を検討しました。この内容を踏まえ、従事者育成の取組みが定着につながることを意識すること、また、様々な年齢層やキャリア等の従事者を対象とすることを視点におき、研修プログラムの見直しや実施に努めました。

基本目標Ⅳ 県社協組織・活動基盤の整備
 機関紙福祉タイムズやホームページによる情報提供・発信を通して、本会事業に関する理解等を促進しました。特にツイッター等を生かし、台風等による研修やイベントの中止・延期について、迅速で確実な周知に努めました。
 事務局体制の強化に向けては、正規職員の比率向上として計画的に新規職員採用を行うとともに、新任職員研修の内容強化を図りました。さらに、全社協・中央福祉学院をはじめとする外部機関の研修などを活用し、業務の相互理解の促進や業務効率化に向けた知識・スキルの向上を図りました。
※ ※ ※
 令和2年度は現行の活動推進計画の最終年度になります。事業の実施にあたっては、これまで以上に本会会員各位、関係者の皆様からのご協力・ご参画をいただきながら取り組んでいく所存です。
(企画調整・情報提供担当)

P2
〈表〉
総合資金収支計算書
(自)平成31年4月1日  (至)令和2年3月31日(単位:円)
会計及び事業区分、拠点区分  収入合計額(A) 支出合計額(B) 差引増減(A-B)
総合計(法人全体)  17,132,603,380 6,964,800,111 10,167,803,269
1 一般会計  8,106,525,364 5,897,554,997 2,208,970,367
 (1)社会福祉事業区分 5,970,722,945 5,230,455,399 740,267,546
 (2)公益事業区分 1,963,253,047 502,863,957 1,460,389,090
 (3)収益事業区分 78,869,959 70,556,228 8,313,731
2 生活福祉資金会計  9,026,078,016 1,067,245,114 7,958,832,902
 生活福祉資金特別会計 8,339,550,980 772,173,350 7,567,377,630
 県単生活福祉資金特別会計 2,106,912 2,020,219 86,693
 生活福祉資金貸付事務費特別会計 282,581,118 224,972,138 57,608,980
 要保護世帯向け不動産担保型生活資金特別会計 390,614,533 62,502,184 328,112,349
 臨時特例つなぎ資金特別会計 11,224,473 5,577,223 5,647,250
※一般会計、各事業区分並びに各拠点区分はそれぞれの集計単位で求められる内部取引消去後の額を計上しているため、収入合計額(A)と支出合計額(B)の合計額は一致しない
〈表終わり〉

〈表〉
総合賃借対照表
資産の部  負債の部 
流動資産 12,080,047,009 流動負債 4,784,900,109
固定資産 14,495,667,592 固定負債 764,219,454
  負債の部合計 5,549,119,563
  純資産の部 
  基本金 2,125,290
  基金 2,701,835,977
  国庫補助等特別積立金ほか 20,172,261,050
  次期繰越活動収支差額 △1,849,627,279
  純資産の部合計 21,026,595,038
資産合計 26,575,714,601 負債及び純資産の部合計 26,575,714,601
〈表終わり〉

〈表〉
財産目録
貸借対照表科目 場所・物量等 取得年度 使用目的等 取得価額 減価償却累計額 貸借対照表価額
Ⅰ 資産の部      
流動資産      2,666,844,339
 現金預金      
 預貯金(普通・社会福祉事業区分) 横浜銀行横浜駅前支店他  経常経費管理   2,285,163,277
 事業未収金   事業活動収益未収分   87,696,744
 未収補助金   一般会計における県補助金未収額   9,419,000
 貯蔵品   未使用消耗品等(切手、図書カード)   9,000
 前払金      1,442,318
 1年以内回収予定長期貸付金   社会福祉事業振興資金貸付金   283,114,000
固定資産      8,563,129,652
 定期預金 定期預金     3,000,000
 その他の固定資産合計 積立資産他 寄付者指定(ともに生きる社会づくり)他  105,857,762 82,343,753 8,560,129,652
資産合計      11,229,973,991
Ⅱ 負債の部      
流動負債      3,311,405,980
 事業未払金 事業活動費用未払分他     139,957,643
 その他の未払金 法人税計上分     5,383,200
 1年以内返済予定振興資金借入金 横浜銀行横浜駅前支店     3,117,128,000
 預り金 消費税預り金ほか     22,700,837
 前受金 社会福祉事業振興資金設備資金償還金収入ほか     6,718,300
 賞与引当金 賞与引当金計上額     19,518,000
固定負債      350,302,105
 退職給付引当金 退職給付引当金計上額     350,302,105
負債合計      3,661,708,085
差引純資産      7,568,265,906
・法人単位(一般会計のみ)を表示。
・取得価格及び減価償却累計額は、該当する額がある資産の合計額を表示。      
〈表終わり〉

本会定款第44条第3項の規定による令和元年度事業・決算に関する監事監査意見書の公示
監査報告書
令和2年5月21日
社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
会長  篠原 正治 殿
監事 國重 正雄  ㊞
監事 鈴木 啓正  ㊞
監事 熊澤 道子  ㊞

 私たち監事は、平成31年4月1日から令和元年3月31日までの平成30年度の理事の職務の執行について監査を行いました。その方法及び結果について、次の通り報告いたします。
1監査の方法及びその内容
 各監事は、理事及び職員等と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、理事会その他重要な会議に出席し、理事及び職員等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、業務及び財産の状況を調査しました。以上の方法により、当該会計年度に係る事業報告及びその附属明細書について検討いたしました。さらに、会計帳簿又はこれに関する資料の調査を行い、当該会計年度に係る計算関係書類(計算書類及びその附属明細書)及び財産目録について検討しました。
2監査の結果
 「神奈川県社会福祉センター(仮称)」が本県の民間の社会福祉推進拠点として十分に機能発揮できるよう、県や会員等と連携・協働し、調整を進めていただきたい。また、感染症を含む災害時対応・対策について、関係機関との連携のもと取り組みを進めていただきたい。
(1)事業報告等の監査結果
 ①事業報告及びその附属明細書は、法令及び定款に従い、法人の状況を正しく示しているものと認めます。
 ②理事の職務の遂行に関する不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実は認められません。
(2)計算関係書類及び財産目録の監査結果
  計算関係書類及び財産目録については、法人の財産、収支及び純資産の増減の状況を全ての重要な点において適正に表示しているものと認めます。

独立監査人の監査報告書(抜粋)
令和2年5月18日
社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会
会長 篠原 正治 殿
監査法人 MMPGエーマック
代表社員 業務執行社員 公認会計士 川原 丈貴 ㊞
代表社員 業務執行社員 公認会計士 髙倉 隆  ㊞

<計算関係書類監査>
監査意見
 当監査法人は、上記の計算関係書類が、我が国において一般に公正妥当と認められる社会福祉法人会計の基準に準拠して、社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会の当該計算関係書類に係る期間の財産、収支及び純資産の増減の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。

<財産目録に対する意見>
財産目録に対する監査意見
 当監査法人は、上記の財産目録が、すべての重要な点において、我が国において一般に公正妥当と認められる社会福祉法人会計の基準に準拠しており、法人単位貸借対照表と整合して作成されているものと認める。

※全文は本会ホームページにて掲載
(http://www.knsyk.jp/s/global_syakyou/houkoku_ketusan_top.html)


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